教育資源としての民間教育 第6回 公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
子どもたちの未来の教育環境を支えたい
私自身は団体とか集まりは、もともとあまり得意な方ではありません。
私自身がずっと変わらないのは、子どもの無邪気さを守ることです。
それは私自身が両親と疎遠な幼少期を過ごし、傷つき悩み、自分の無邪気な心がどんどん傷を負っていき、命を落とそうとしたこともあるからかもしれません。
そこで私は22歳で八畳一間で塾を開きました。子どもの無邪気さを守る思いだけでいました。子どもたちだけを見ていましたので、団体とか業界の動向とかにはほぼ興味はありませんでした。風体も誰にも忖度しない個性的な雰囲気だったと思います。
では、なぜ今、全国学習塾協会のことをやっているのか?
とよく尋ねられますが、それはやはり、子どもの無邪気さを守るため、です。
最初は子どもの無邪気さを守るためには、指導者が利他的な存在であるからこそだと思い、利他的であること=公益社団法人に加入していただきたいというお願いをするために、会長職をお受けしようと思いました。今では、それに加えて、子どもの無邪気さ=無限の可能性が一人ひとりの命を輝かせる形で開花されるような、子どもたちを取り巻く環境全体が教育であるような社会全体の仕組みに関わるためにも、協会活動に携わらせていただいています。
つまり、30年近く前に八畳一間で塾を開いた理由も、全国学習塾協会の会長を拝命した理由も、同じ理由です。
「安藤さんが協会などの活動をしているなんて想像ができない」と、昔の私を知る人からはよく言われます。私は、同じ理由で、その時の環境に合わせて行動しているだけです。
どの方にも今の毎日を過ごす理由がおありであろうと思います。それは皆さんそれぞれであろうかと思います。ただ、この『塾と教育』をお読みになられている方々は、少なくとも「子どもの果てしない成長」や「無邪気に取り組む姿勢」に価値を感じて、その成果が花開くことを望まれている方々であると思います。
様々な方々の価値観も様々であろうかと思います。ただ、塾を、そしてそこに通う子どもたちの未来を、そして愛する子どもたちが生きる未来がすばらしい社会になっていることを、心から思い念じながら、利他的な心で全国学習塾協会にお力をお貸しいただければ幸いです。
大変不躾な言い方でありましたらお詫びいたします。業界全体で、業界全体と塾に通う子どもたち全体を支え、その子どもたちの生きる未来の教育環境を支えるためにも、業界唯一の公益社団法人、全国学習塾協会をお支えいただければ幸いです。