「受験コンパス」加盟校研究会
6月24日(日)、(株)Lacicu(ラシク)による大学受験教材自立型コンテンツ「受験コンパス」加盟校研究会が、FUKURACIA 東京ステーション(東京都千代田区)にて開催された。
第5回を迎えた今回は、(株)Freewillトータルエデュケーション代表取締役の柴山健太郎氏と(株) 英進ゼミナール代表取締役の諏訪孝明氏が登壇。自塾で応用できるエッセンスを吸収しようと参加者は熱心に耳を傾け、ペアでコラボラティブラーニングも実践されて大いに盛り上がった。
大学受験に強い学習塾になり、盤石な経営を!
はじめに、(株)Lacicuの服部代表は本研究会の目的を次のように話した。
「高校部は学習塾にとって最後のフロンティアです。中学部の価格低下や少子化の影響で、学習塾の経営が厳しくなっている今、高校部への垂直展開は学習塾運営の必須課題だと考えています。
受験コンパスを正しく活用するだけでなく、みなさまの塾運営にとってプラスになる学びの場として、研究会を開催しています」。
第1部講演
「目標設定とその先の目的を見つける方法」
(株)Freewill トータルエデュケーション 柴山健太郎 代表取締役
4つの観点で目的・目標設定を
柴山氏が代表を務めるフリーウィル学習塾は、渋谷区・目黒区・世田谷区で4校舎を展開し、小中学生の個別指導とグループ指導、高校生の個別指導を手がけている。
「2006年に学習塾を立ち上げた当初、保護者面談では『とにかく成績を上げてほしい』という声がほとんどでした。しかし、ここ数年で〝自立型の子どもを育てる〟という理念に共感してくださる保護者が増えてきたと実感しています」。
(一社)JAPANセルフマネジメント協会の理事を務める柴山代表は、『受験コンパス』の指導において、セルフマネジメントの重要性を生徒や保護者へプレゼンテーションすることが欠かせないと強調した。
「自習する意志や能力の有無によって教育格差は広がる一方であり、大切なのは、〝自分ごと〟として自立・自学にこだわり、勉強時間を確保できるかです。セルフマネジメントは、まさに『受験コンパス』のコンセプトそのものだと言えます」。
フリーウィル学習塾では、50分授業の前後に3分ずつホームルームを設けている。授業前に生徒自身が目的や目標、工夫点を決め、授業後には成功体験や次への課題を記入する。
「達成後の振り返りで自己肯定感や達成感を得るステップも大切にしています。生徒が学習方法を自問する
ことで成長し、これを〝見える化〟して保護者と共有することが付加価値につながっています」。
生徒の行動が変わる正しい目標設定とは
「行動喚起(目的・目標)、行動維持(意識の力)、行動調整(感情調整)、行動強化(自尊感情・自己効力感)という〝やる気のパワーサイクル〟によって生徒のモチベーションは高まります。また学力の向上だけではなく、心を遣う・きれいにする・強くする・整理する・広くするという〝心づくり指導〟も行っています」。
柴山代表は、目標を達成し夢を叶えたスポーツ選手の例を挙げる。
「彼らはみな、心づくりに励んでいます。また、自分の幸せを誰かの幸せとつなげるという観点や、目に見える・見えない目標(人から喜ばれる、いつもワクワクしているなど)という側面からも目的・目標を設定しています。つまり、〝自己・他者〟と〝 有形・無形〟の4つの観点が重要なのです」。
まずは、経営者や指導者自身がセルフマネジメントを実践することが、「受験コンパス」を最大限に活用する要になる、と柴山代表は話す。
「セルフマネジメントの指導を映像化することが各塾にとって宝物になるはずです」。
第2部講演
「徹底した相手目線で面談を」
(株)英進ゼミナール・諏訪孝明 代表取締役
面談は生徒や保護者とのコミュニケーションの場
はじめに、諏訪代表は一昨年から今年にかけて早稲田大学の合格者数が1万8000名から1万4000名に減り、倍率が6から8・4に増えたという事実を数字で示した。
「合格者数の推移を実数で示すことで、大学受験に関心のない生徒や保護者の興味を惹くことができます。強烈な危機感としてインパクトを植え付けることが大切なのです」。
新規入塾面談では、保護者の前提知識を見極め、ギャップを埋めることを意識するべきだと指摘する。
「『なぜお子さんを大学に行かせたいとお考えですか?』という問いかけは、受験に対する価値観がわかり本音を引き出すことができるのでお勧めです。現状の偏差値や志望校のほかに学習状況をヒアリングして、潜在的なニーズを引き出しましょう。
環境面で現状を変えたいと思った理由を共有した上で、悩みに合わせたセールストークを進めてください」。
週間面談では、1日の行動を円グラフに表し、予定通りに学習が進まなかった理由をはっきりさせて、解決の方法を生徒と一緒に探ることがポイントだ。
また三者面談では、成績が振るわないことを報告しつつ、季節講習の受講を勧めるのは難しい局面だ。
「週間面談で予め生徒自身の要望を抽出し、三者面談で保護者に提案します。すると、その場でコマ組みの具体的な相談ができるため、20~30万円の講習も即決します」。
諏訪代表が「受験コンパス」のオーナー兼教室長を務める個人指導塾1教室は、150名集客し、6000万円の売り上げを出した実績を持つ。受験コンパスアドバイザーとして、受験コンパスノウハウを共有する「受験コンパスLABO」を立ち上げた。
「フェイスブックのグループで学びをシェアする、シークレットな会員制コミュニティサービスをスタートします。『受験コンパス』を使いこなすために知っておくべきことや、学び・気づきをシェアする場として、個別指導塾の経営者・教室長・スタッフの方にご参加いただきたいと考えています」。
さらに、個別指導塾の経営者の方を対象とした対面式での無料コンサルティングも行う予定だ。