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「塾と教育」2020年 前期オンラインセミナー 開催 テーマは『生き残るための集客』 第1部「パネルディスカッション」

2020-09-01

7月21日(火)、(株)塾と教育社主催の前期オンラインセミナーが東京都内のAP市ヶ谷において開催された。テーマは『生き残るための集客』。
第1部は「With コロナ、After コロナ時代に生き残る塾」をテーマとしたパネルディスカッション、第2部は「集客の不易流行」と題した講演をPS・コンサルティングシステム代表の小林弘典氏が行った。
ここでは第1部のパネルディスカッションの要旨をお伝えする。司会進行を務めたのは、(株)ウィザス取締役で(株)SRJ代表取締役の堀川直人氏。

4名の識者が「Withコロナ、Afterコロナ時代に生き残る塾」をテーマにパネルディスカッションを行った第1部

■パネリスト
(株)ウィザス 取締役・(株)SRJ 代表取締役 堀川 直人 氏
(株)サイタコーディネーション 代表取締役 江藤 真規 氏
(株)Lacicu 代表取締役 服部 悠太 氏
(株)メイツ・進学塾メイツ 代表取締役 遠藤 尚範 氏

オンライン指導はできるようにしておいた方がいい

ウィザス取締役でSRJ代表の堀川直人 氏

ウィザス取締役でSRJ代表の堀川直人 氏

堀川 まずは自己紹介をお願いいたします。私は速読などのコンテンツを開発しております。
江藤 子どもの背景にいらっしゃる保護者様に向けて家庭啓発活動やスクールなどを展開しております。
服部 「受験コンパス」など高校生向けコンテンツ、「進路指導.net」、中高生向けのSNSアプリ「アドミッションズ」などを展開しております。
遠藤 個別指導塾を運営しながらエンジニアを抱え、現場の課題を解決して結果が出たものについては他の塾さんに販売しています。広く使われているのが英検対策のアプリです。
堀川 特に学校が休校期間中はオンライン授業などが広まりましたが、休校期間が終わるとそのまま元に戻ってしまう塾、オンライン化したサービスを一部残す塾、思いきって全てオンラインにしてしまう塾などまちまちです。そのあたりのご意見を伺わせてください。
江藤 オンラインのメリットも確実にありまして、私も保護者向けのセミナーをオンラインで行っています。授業をオンラインで行うのは大きなメリットがあると思いますが、一つ考えなければいけないのは、どのような環境でオンラインの授業なり仕事などが行われるのかということです。

サイタコーディネーション代表の江藤真規 氏

サイタコーディネーション代表の江藤真規 氏

子どもたちがオンライン授業を受けるのは家庭の中です。家庭というのは生活空間であって、その中にテレワークという保護者の仕事も持ち込まれていますから、そこで生まれるストレスというものも共に考えていかなければ、持続可能な形にはならないのではないでしょうか。
服部 保護者が塾に潜在的に求めている価値は何かを考えると、一つはしつけや生活習慣の管理。二つ目は勉強の動機づけ。三つ目が勉強の仕方。四つ目は知識の伝達。五つ目が復習の仕方と管理。六つ目は学習の評価。七つ目は学習の管理。八つ目が受験戦略、受験校の選定、学習環境の管理、コミュニケーション。保護者は塾に複数の期待を込めていますが、月謝としていただいているのは実は授業料だけなのです。保護者がオンライン授業だけを切り取って見て、そこに月謝を払っていると思われてしまうと実は退塾してしまうことが多いのです。オンライン化できることとできないことを仕分けながら進めた塾は成功したと思います。
遠藤 弊社の塾に関して言うと、「緊急事態宣言が出されたら、オンライン授業をしてほしいか? それでも塾にお子さんを行かせたいか?」と保護者にアンケートをとりました。すると「できるだけ塾には行かせたい」という方が一定数いらっしゃったので、緊急事態宣言下ではオンライン指導をメインにしながらも、教室は開けていました。7月からはほぼ通常通りに戻しています。
江藤 コロナに関する意識はかなり個人差があるので、「ある状況になったらオンラインが選択できる」という塾は、保護者に安心感を与えることができると思います。
堀川 コロナ不況の中で従来の授業料が払えないご家庭に「オンラインサービスもありますよ」と訴求することも含め、戦略的に位置づけていく必要がありそうですね。

オンラインとオフライン、両者を想定した塾運営を

堀川 コロナ禍で、教育界全体、塾業界全体はどう変わったと思いますか? また今後、どう変わっていくと思いますか?
服部 非常に難しい質問ですが、私は決めつけない方がいいと思っています。塾の運営側からしてみると、「オンラインはなかなか難しい。だからオフラインで地域に根付いた塾運営をした方がいい」と、おそらく多くの塾経営者、教室長は感じていらっしゃると思います。しかし、それこそAIのタブレットを使うことによって教育ができるという時代が来るかもしれませんから、両方を想定しながら塾経営していただきたいと思います。
4月、5月とオンライン化が続いているときに、「うちはオンラインで全国からお客さんが来たので、ここで全て勝負できるようになった」と思われる方も中にはいらっしゃいます。そういう先生は非常に特徴的な方で、キャラの立っている方です。こういった方は全国から集客できますが、そうでない限りは差別化できませんから、「○○中学校専用オンライン学習塾」とか「□□高校を目指す塾」などにした方がいいと思います。

「子どもの学習支援」という明確なスタンスで保護者に寄り添う

Lacicu代表の服部悠太 氏

Lacicu代表の服部悠太 氏

堀川 先般上場企業のIRが発表されましたが、首都圏の大手塾で前期まで調子がよかったところでさえ今期は10数億の赤字を出したり、首都圏の教室を相当閉じたりしています。今後は教室の統合やリストラ、再編なども含め、新しい塾業界のあり方、塾の役割が広がっていくのかもしれません。江藤さん、家庭教育にスポットを当てると塾はこれからどう変わっていくと思われますか?
江藤 今の社会はどんな状況かというと、全ての人が困っている状況です。その中で教育とは何かをシンプルに考えていくと、やはり子どもの育ちの支援であり、学習支援です。そこがゆるぎないものであるということを、当たり前ではありますが今一度考える必要があると思っています。やるべきことは子どもの学習支援ということに立ち返り、何が必要かを考えていくことが一番重要だと思います。
家庭教育という観点から申し上げると、塾は「子どもの学習支援」という明確なスタンスで保護者に寄り添っていただきたいと思います。

家庭教育をどこまでサポートするかが今後の課題に!?

メイツ代表の遠藤尚範 氏

メイツ代表の遠藤尚範 氏

堀川 多くの塾が夏期講習の募集である程度生徒数を挽回できるだろうと思っていたと思いますが、天候不順も相俟ってなかなか集客できていないのが現状です。今後塾はどのように変わっていくのでしょうか? また、生徒や保護者はどう変わっていくと思いますか?
遠藤 GIGAスクール構想の大枠はもう提示されていますから、塾は生徒が通う学校はどの程度オンラインが普及しているかをきちんとチェックする必要があります。
塾がどう変わるかは、学校の状況次第ともいえます。全国的にみるとほとんど学校は変わっていませんから、塾も変わらない方がいいかもしれません。
ただ、学校がYouTubeでいい授業を見つけたり、いいアプリを発見して活用した場合、家庭教育のマネジメントを塾がやらなければならない気もしています。
大枠は従来通りの塾ですが、ブラックボックスだった家庭教育の比重が高まり、保護者の期待も膨らむと思うので、従来通りの塾を運営しながら家庭教育をどこまでサポートするかが課題です。
堀川 その具体的なアプローチがあれば、江藤さんお願いします。
江藤 保護者に寄り添うためにはコミュニケーションしかありません。どんな方がどのような思いで伝えてくれているかが大切で、やはり保護者が見ているのは「人」なのです。基本のキではありますが、保護者と共感的に関わり、話を聞くことが何よりも重要です。「この塾は、この先生は信頼できる」、保護者のそんな思いから信頼関係が生まれてくると思います。

塾を中核とした地域コミュニティーの機能を

市進ホールディングス取締役でウイングネット社長の荻原俊平 氏

市進ホールディングス取締役でウイングネット社長の荻原俊平 氏

江藤 塾内での取り組みを見える化することも大切です。保護者が知りたいのは指導方法や授業のことではなく、それによってどのような力が育つのか、それによってこの夏が終わったあとには具体的に子どもはどんな状態になっているか、ということです。
服部 たしかに「うちの塾はこのように素晴らしいですよ」と説明会で話しても集客にはつながりにくいですよね。やりやすいのは「受験情報」です。大学受験がどのように変わるのかなど、情報として知っておきたい層の心を掴むことができます。
江藤 子どもを育てながら、テレワークをしながら、不安もたくさんある中で子どもの学習も気にかけているのが今の保護者ですから、当然塾のお世話になると思います。単に子どもの学習指導で終わるのではなく、例えば塾を中核とした地域コミュニティーのようなものができれば、そこに行けば先生と雑談もできるし、子どもの様子も掴めるし、他の保護者とつながることもできます。コミュニティーとしての機能を備えることができれば、それこそクチコミでいっきに広げることも可能です。おそらく日本中の教育も世界中の教育も、もっともっとレベルが上がるのではないかと思います。
堀川 我々自身、前例や正解のないこの業界の中で「生き残る力」が問われています。その背中を子どもたちが見ている以上、その子たちの模範となるようにこの厳しい局面に臨まなければいけないと感じます。何をする塾なのかを地域に発信力をもって示すことが非常に重要だと思います。

◇◇◇

白熱したパネルディスカッションが終わると、(株)市進ホールディングス取締役で(株)ウイングネット代表取締役社長の荻原俊平氏が挨拶。
「影響と情報は全く違うものだと私は思っています。〝影響〟は、たぶん与えるものだし受けるもの。先生が与え、子どもが受ける。コンサートに行くのと同じで、いろんな意味で風圧が起き、魂が揺さぶられます。それに対して〝情報〟は、自分から取りに行くものだと思います。情報は様々なツールがありますから、塾や生徒さんに合ったものを選べばいいのですが、〝影響〟は塾に関わる方々が大きく関係しています。あの先生のひと言、何十年経っても記憶に残っていることが誰しもあると思います。それぞれの立場でみんなで力を合わせ、情報共有しながらやっていきたいと存じます」


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