社団法人 全国学習塾協会「魅力ある講師力が競争を勝ち抜く」
1月9日(水)午後1時から、東京国際フォーラム展示ホール内の特設会場にて、社団法人全国学習塾協会は「学習塾講師検定」を提案し、セミナー「魅力ある講師力が競争を勝ち抜く?講師力の基礎固めと自己啓発のためにすべきこと」を開催した。
同協会の大木一利氏は、協会が行ったアンケートによると保護者が塾を選ぶ基準として、「講師の教え方がうまい」74.5%、「講師が熱心」64.2%、「きめ細かい指導」60.9%で、要するに保護者は「講師能力」で塾を選んでいるという。また、塾経営者が重視する講師の能力とは、「授業のわかりやすさ」、「(規律の維持など)授業の運営能力」などの授業力、そして「塾生の理解度の把握」、「塾生とのコミュニケーション(意思疎通や会話)」などのコミュニケーション能力とのこと。「学習塾講師検定」は、塾講師が「共通して求められる知識・技術・能力」をまとめたコンピテンシーディクショナリを理解し、身体化していくことで、一人前の魅力ある学習塾講師に成長することができるという。
向学館(埼玉県行田市)の村社圭一塾長は、大学生のアルバイト講師に集団講師検定2級を取得するように勧め、取得すれば主任手当を出し、能力格差をつけるようにしていると報告。また、学生の資格援助やキャリアアップとしても塾講師検定を位置づけているという。その結果、学習塾で講師のアルバイトをしていたこと、さらに塾講師検定2級を持っていることなどが評価され、大学や大学院卒業後の就職も非常に好調であるということだ。
栄光ゼミナール(関田美三男社長、東京都千代田区)も「学習塾講師検定」を活用している。教務部の山中亨氏によると、今までに約200名が集団2級を取得し、現在は主に時間講師のために活用しているという。これまで「授業がうまいか下手かの評価が困難」「方法論の押しつけになることもある」「指導の基準が曖昧」「新人には予習が難しい」「ステップが見えにくい」などの課題があったが、検定活用後は「基本的な“型”の共有」「共通言語の存在」「目標の明確化」「“成長”の実感」「離職率の低下」などの効果が現れるようになったという。