atama plus(株) 塾の先生方の声の結晶「atama+」 全国2,600 以上の塾教室で採用
「教育に、人に、社会に次の可能性を」。2017年創業のatama plus 株式会社(稲田大輔 代表取締役CEO、東京都港区)は、このミッションを掲げて、生徒一人ひとりに最適な「自分専用カリキュラム」を作成するタブレット型AI教材『atama +』を提供してきた。このプロダクトの活用により、生徒の成績が大きくアップすることで注目され、教育業界から熱い注目を浴びている。
本誌が稲田大輔代表にインタビューしたのが2020年1月。それからこの2年間で、プロダクトや会社がどう進化したのか。稲田代表と同社atama + EdTech 研究所の森本典生主席研究員に話を伺った。
正解率などを分析して毎週1回アップデート
「この2年間で『atama+』の教科が増えました。高校生に向けて数学・英語・物理・化学・生物の5教科を、中学生に向けて数学・英語・理科・社会の4教科を、小学生に向けて算数をラインナップしています。また、駿台予備学校様とのコラボにより、好きなタイミングで全生徒が同じ条件で受験できる『オンライン模試』を提供しています。さらに立命館大学様と一緒に新しい入試をつくることにもチャレンジしています。
一方、2年前には『今春には1000教室に導入予定』と記事に書いていただきましたが、現在の導入教室は2600まで広がっています。社員数も大幅に増え、170名以上となりました。教育に対して熱い思いを抱いているメンバーばかりです。このうちの6割はプロダクトの製作に携わっているメンバーです。このメンバーが動画を生徒さんが見たあとの正解率を分析して学習の順番を変えていくなど、毎週1回、AIの仕組みをアップデートしています」
また、社員がつねに教室を訪れて生徒がどのように『atama+』を使っているのかを見て、どの場面でどのようなリコメンド(推奨)をすれば学力が上がるかを考察。こうした情報を踏まえてアップデートを重ねているのだ。
「開発を担当するアルゴリズムチームには、マイクロソフトや日立製作所などから、経験豊富なエンジニアが集っています。彼らは何百枚という定期テキストの問題を地道に解析し、生徒一人ひとりの学習ルートを研究しています。皆さまにどうやって『atama+』を使っていただくかを最も大切に考えている会社だからです。使っていただくからには、地道に検証させていただき、講座設計の支援から運営のサポートまで徹底して行っています」
集団指導のメリットが活かせ褒めるポイントも見つかる
稲田代表の持論は「勉強ができない中高生はいない」というものだ。「適切な勉強法を知らないから、勉強ができないのです。基礎となる単元が抜けた状態で、応用問題に取り組んでも成績は上がりません。『atama+』で必要なことを必要なだけ学べば、誰もが成績が上がるはずです。私たちのもとには多くの生徒さんから『今まで全然勉強ができなかったけど、できるようになった』『勉強って実は楽しいのかも』『わかるって楽しいことなんだね』という声が続々と寄せられています。中には『atama+』で勉強している教科以外の教科も『自分から勉強するようになった』という声もあります。このプロダクトによって子どもたちの人生を変えることができるかもしれない。そう思うと喜びが胸にあふれてきますね」
稲田代表は、この成果は塾の先生と一緒に生み出してきたものだと語る。「日々、社員が塾にお邪魔して、先生方から『こうだったらもっと使いやすい』『私はこういう教育をしたい』といった声をいただき、それらも踏まえてアップデートを重ねています。ですから『atama+』は、塾の先生方の声の結晶といえます」
そんな同社が社内に設立したのが『atama+ EdTech研究所』だ。国内外のEdTechの最新情報を集めて、塾の経営者や先生をはじめとする教育関係者に発信している。その主席研究員を務めているのが、森本典生氏だ。森本氏は現在、集団塾での「atama+」の活用事例を全国の塾に紹介している。森本主席研究員に話を伺った。
「集団塾様にとって、個別最適化は真逆の印象を持たれるでしょう。しかし、集団塾様が『atama+』を導入することで、集団指導のメリットを活かせるのです。例えば、1コマ100分のライブ授業の最後の20分を『atama+』の勉強にあてます。数学で円の授業を終えて来週の授業で扇型を教えるとしても、円が理解できない限り、生徒は扇形を理解できません。そこで、円がわからない生徒さんは『atama+』で円を理解するための基礎となる単元も含めて学べるのです。先生もご自分のタブレットを見れば、どの生徒さんがどこまで理解できているかライブ授業の成果がリアルタイムで把握できます」
このように生徒全員が前回の授業内容を完全に理解して次の授業に臨めるため、生徒全体の授業理解が向上するのだ。それだけではない。集団指導では見つけにくい、褒めるポイントも発見できるのだ。
「これまで基礎となる単元がわからなかった生徒さんは『円に関する宿題をやってください』と先生から言われても、つらく苦しい時もあったと思うのです。しかし、先生はその生徒さんが途中までだったとしても、前進を『atama+』上で知ることができます。そのため、『よく頑張って乗り越えたね』とスモールステップを褒めることができるのです。先生の温かな言葉は生徒さんの心を燃やす燃料になります」
基礎学力とともに社会でいきる力を
個別指導と違って、大勢が一斉に学ぶ集団指導では生徒が先生に質問しにくい。この課題も「atama+」なら解決できる。同社には何十人というメンバーが質問回答チームを結成しているのだ。質問する時間にもよるが、原則としてすぐに返せる体制が組まれているという。
「何をどう質問していいかわからない生徒さんもいれば、説明を聞いても十分に理解できない生徒さんもいます。『atama+』なら、こうした生徒の質問にわかりやすく答えてくれます。ライブ授業の後の『atama+』での時間内に勉強が終わらない生徒さんは家庭学習ができます。わからない点は自宅からも質問できるので便利です」
こうして、多くの集団塾で生徒が成績を急上昇させているのだ。
最後に稲田代表は同社の今後のビジョンを次にように語った。
「基礎学力とともに、コミュニケーション力やプレゼンテーション力といった社会でいきる力を身につけられるプロダクトを、塾の先生方と心を一つにして創り上げていきたいと考えています」
お問い合わせ
atama plus 株式会社
https://www.atama.plus/
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