「夢を叶えるグローバル教育と英語4技能」をテーマに講演とディスカッション
2022年4月23日(土)
主催:ZVC JAPAN 株式会社(ZOOM)
協力:株式会社 旺文社、株式会社サインウェーブ
教育改革が進む中、GIGAスクール構想の実現においては、英語教育のDXにも拍車がかかっている。Withコロナ時代の社会基盤となってきたZVC JAPAN 株式会社(ZOOM)が主催となり、英単語学習や英検®対策で業界をリードし教育ICTの活用も牽引する株式会社旺文社、AIによるスピーキング自動採点やライティング自動添削などの英語学習アプリで注目を集める株式会社サインウェーブが協力。新常態の学習環境3年目の春を迎え、これからのグローバル教育、英語教育について知見を深めるセミナーをウエビナー形式で開催した。
<第1部>
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[はじめに] 新常態の学習環境とZOOM
■ZOOM 日本法人 社長 佐賀文宣 氏
物理的境界がなくなった昨今、円滑なリモートコミュニケーションの技術は不可欠。一部企業のオフィスワーカーだけが使っていた高品質のビデオコミュニケーション技術を、すべての生活者が利用し便利・安全に過ごせるよう取り組んでいます。
■ZOOM 日本法人 公共・⽂教営業部部⻑ 島方 敏 氏
ZOOMは、アメリカ・カリフォルニア州サンノゼに本社を置きます。英語4技能をフルに使いながら仕事をしています。本日はニューノーマルの学習環境、グローバル教育、英語教育についての知見を深めていただく機会をご提供できればと思います。
[基調講演]夢を実現する7つの力
■昭和女子大学 理事長・総長 坂東眞理子 氏
昭和女子大学は1920年創設。深い専門知識に加え、あらゆる分野でグローバルに活躍できる力を備えることを教育の目的とし、キャリア教育、グローバル教育、プロジェクト学習に力を入れています。
Withコロナ時代、新しい大学教育を模索していますが、コロナが変化を加速したのを実感しています。
本大学では、「夢を実現する7つの力を持とう」と呼びかけています。在学中に身につけ高めておくべき力を具体的に示したものです。
(1)グローバルに生きる力(2)外国語を使う力(3)ITを使いこなす力 (4)コミュニケーションをとる力 (5)問題を発見し目標を設定する力 (6)一歩踏み出して行動する力(7)自分を大切にする力
入学時から卒業後まで、一貫して将来についてのアドバイスや情報提供を行い、一人ひとりの進路を見据えてきめ細かくサポートしています。それがキャリア教育です。長い人生を通じていかに社会や仕事、他者と関われるのか、自分自身でキャリアをデザインし、グローバルに羽ばたいていく力を身につけていくことが重要です。
[特別講演]学校の英語教育を再生させる「アクティブイングリッシュ」
■一般財団法人 実用英語推進機構 代表理事 東進ハイスクール・東進ビジネススクール 英語科講師 安河内哲也 氏
私は、一般財団法人 実用英語推進機構を設立し、実用英語教育を推進するための活動に協力させていただいています。英語科特別顧問である学校法人麹町学園女子中学校・高校では、学校英語教育改修パッケージ「アクティブイングリッシュ」プログラム(Active EnglishProgram)を導入。英語教育の根幹をパッケージングで変えることにより、?学者数が5年で3倍! 英検合格者が急増しました。重要なのは、日々の授業・教材・仕組みの改善。英語教育改革の5つのツボをご紹介します。
●英語教育改革5つのツボ
1 音声を使って英語を学べる環境を整備する。また、定期試験でも4技能評価をフォーマット化する
・音声指導の徹底
・教材選択における原則を修正
・定期試験(範囲累積型)
・自主練習を促す仕組み
2 教員相互の連携を強め作業を分担して行う
・技術共有の徹底
3 教員ではなく生徒の頭と口が動く授業をする
・活動型授業
4 ICTを取り入れてメディアを融合した授業づくり
・ICTの活用
5 モチベーションを高めるための工夫を随所に取り入れ、英語学習に対する肯定感を高める
<第2部>
これからの英語教育について
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[パネルディスカッション]
■パネリスト
(写真 右から)
埼玉県立春日部高等学校 英語科教諭 中川未来 氏
東洋大学京北中学高等学校 今橋伸悟 氏
東進ハイスクール 安河内哲也 氏
司会進行 ZOOM Japan 成瀬翔太 氏
※敬称略
成瀬 スピーキングはどのようにすれば上達しますか?
中川 英語を話す機会をできるだけ多く与えます。私の授業および学年の授業では、ワンミニッツチャットを毎時間入れています。1人1分ペアで、決まったテーマについて喋る。少しずつレペルアップし、3年間かけて英語を話せるようにします。
今橋 英語スピーチコンテストを年度末に実施しています。全ての生徒が授業を通して原稿を書き、自作のスピーチを発表します。また代表者の選考は成績評価も兼ねています。サインウェーブのELSTは発音練習やAI自動添削機能があって便利でした。
成瀬 会話を上達させるためにはどんなコツがありますか?
安河内 会話するしかないんじゃないですか?(笑)どんな本を読もうが誰の話を聞こうが、英語を喋るしかない。ずばり言わせてもらえば、先生が話さないのに生徒が話すようになるわけがない。先生が率先して、生徒の前で間違ってもいいから喋る。生徒と一緒に活動量、練習量を増やす。1分スピーチ、30秒スピーチ、何でもいいです。どんどん生徒の口を動かす。文法を教えるときも音読させながら教える。読解も音読しながら読解する。シャドーイングするときも、作文をするときも口頭で英作文をする。スピーキングと分けず、インプットとアウトプットを連結して4技能を融合して教える。先生自身も鍛えないといけません。
成瀬 モチベーション維持のために取り組まれていることは?
今橋 わかりやすい目標として英検取得を掲げています。生徒はお互いに意識し合いながら目標達成に向けてがんばっています。
中川 生徒の興味・関心を引くテーマを選別し、「わかった!」と笑い合える経験をたくさん授業に取り入れています。
安河内 先生が勉強することです。「先生もここで間違えたんだよね~」と言える先生と「私は偉いんだ!」という先生だったらどちらについていきますか。2技能はAIが代替するのでスピーキングがますます重要になります。アウトプットを授業に取り入れ、自分の意見を言えるようにすることが大事です。
これからの英語学習環境と教育事業
株式会社旺文社 事業開発グループ課長 池田氏と株式会社サインウェーブ コンテンツ開発室室長 澤井氏が、自社の理念、サービスの特長や活用方法などに言及。製品紹介などを行った。
最後に、株式会社旺文社 代表取締役社長 粂川秀樹氏、株式会社サインウェーブ代表取締役社長 赤池雅光氏、東進ハイスクール 安河内哲也氏が挨拶。大変有意義な内容であったことへの感謝を述べセミナーを終えた。