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2022年度 等々力ICTフェア
東京都市大学等々力中高で「ICT機器を活用した教科の授業公開」開催

2022-08-01
東京都市大学 等々力中学校・高等学校 原田豊 校長

東京都市大学 等々力中学校・高等学校 原田豊 校長

6月25日(土)、東京都市大学 等々力中学校・高等学校(原田豊校長、東京都世田谷区)で、今回で第3回を迎える「2022年度 等々力ICTフェア」が開催された。対象は教育関係者や、受験生と保護者。プログラムは第一部と第二部の2部構成。
前半は、公開授業。来場者はiPadや授業支援アプリなどがどのように授業に活用されているかを自由に見学。後半は、セミナー研修。他校の教員やこのフェアの協賛企業でもある株式会社LoiLoやclassi株式会社の社員も講師として招き、約18講座を揃えたセミナー形式での教員研修を実施した。

ICT機器が浸透した教育現場を自由に見学

同校は原田校長のリーダーシップのもと「等々力改革第2ステージ」という新たな目標を掲げ、これまで「ICT教育検討委員会(現ICT推進委員会)がICTによる教育プログラムを推し進めてきた。そして2015年から2016年にかけて全教室に電子黒板を設置。2017年には全教職員にタブレットを配布し、生徒には高1から順次、iPadを導入する方針を決めた。こうしたハード面の整備とともに、同委員会ではICT機器の活用に関する研修会を精力的に実施。2019年には中1から高3まですべての学年の生徒がiPadを所持するに至った。
そして2020年の緊急事態宣言による休校以降、同校の全教員たちはこれまで磨いてきたICTスキルを最大限に活かして、オンデマンド授業やオンライン授業をはじめとする新しい取り組みに挑戦し、コロナ禍と闘ってきた。
現在、同校ではiPadや電子黒板がなければ生徒の学校生活が成り立たないほど、ICT機器が教育活動のあらゆる場面に浸透している。
そんな同校で開催された「等々力ICTフェア」では、全国から多くの教育関係者が来校。まず、午前中の1限目と2時限目の公開授業(各40分間)を、校内を巡りながら自由に体験した。公開されたのは、大学受験を控えた高3を除く、中1から高2までの5学年の授業だ。

「ジグソー活動」によるアクティブ・ラーニングも

高校1年の英語「リーディング」

高校1年の英語「リーディング」

1時限目の高校1年6組では、「リーディング」をテーマにした英語の授業が行われていた。授業を担当する児玉昭教諭は、英語の「音読」に力を入れているという。「音読」を繰り返すと、英語の語順のままで理解する思考回路が身につき、速読も可能になるからだ。児玉教諭はロイロノートを用いて、文章全体の解説を行ったあと、電子黒板のスピーカーを使用して音声を流し、様々な「音読」を展開。そして最後に「リテリング」を行った。「リテリング」は、英文を音読したあと、生徒同士でペアを組み、その英文の内容を、教科書を見ずに相手の前でもう一度音読する練習である。
同じく1限目の高校1年7組の授業では保健の授業が行われていた。テーマは「マイナスストレスをやっつけろ―様々なストレス対処法を知ろう―」。教えるのは、小林枝里子教諭である。なお、小林教諭は、「ロイロ認定ティーチャー」である。(株)LoiLoが提供するクラウドを活用して、生徒の思考力・判断力・表現力を育てる授業をデザインできるという認定を同社から受けているのだ。

高校1年の保健「マイナスストレスをやっつけろ!~様々なストレス対処法を知ろう~」

高校1年の保健「マイナスストレスをやっつけろ!~様々なストレス対処法を知ろう~」

この保健の授業では自身のマイナスストレスの原因を整理する活動を行ったあと、「ジグソー活動」を通じて、その学びをアプトプットした。「ジグソー活動」とは「知識構成型ジグソー法」によるアクティブ・ラーニングだ。例えば、クラスをA・B・Cという3つのグループに分けて違った内容の資料を教員が渡す。今回の場合は、ストレスへの対処法についての資料だ。そして各グループで意見を交換しながら、その資料から何が読み取れるかを検証。次にその資料の「エキスパート(専門家)」になった生徒が新たにグループをつくり、話し合って答えを導き出していく手法である。この「ジグソー活動」は早期から同校の授業に導入され、成果を生み出してきた。

会場となった東京都市大学等々力中学・高等学校

会場となった東京都市大学等々力中学・高等学校

他の教室では、教員が一人でPCに向かって語りかけている授業も多く見られた。自宅にいる生徒たちに向けてオンライン授業を展開しているのだ。この日のために生徒はあえて自宅学習をしたという。
高校2年2組の「酵素の反応速度実験」をテーマにした生物のオンライン授業では、田中克英教諭が実験を行い、その模様をリアルタイムで配信していた。田中教諭が工夫した点は、石鹸水を用いて発生した酵素量を目視できるようにしたことだという。なお、オンライン授業を受けている生徒の様子は各教室の後ろに置かれたノートパソコンで見ることができた。

これからの教育にはICTが絶対に必要

中学1 年の理科1分野の「物理/凸レンズによる像」

中学1年の理科1分野の「物理/凸レンズによる像」

2時間目の高校2年の1・3・4・6・7組では、「CLACルーム」を会場にして地学基礎の授業が行われていた。この教室はホワイトボードを兼ねた横長のスクリーンに囲まれ、計7台のプロジェクターが配置された多目的空間だ。
授業のテーマは「化石の地質時代【あつまれ どうぶつの骨】」。担当は江口大賀教諭。まず、生徒はロイロノートのシンキングツール(生徒の思考を可視化することで、生徒が授業の中で自分の考えを作るサポートをするツール)を使って調べた知識を簡潔にまとめた。

高校2年の地学基礎「化石と知識時代【あつまれ どうぶつの骨】

高校2年の地学基礎「化石と知識時代【あつまれ どうぶつの骨】

その後、Nintendo Switchの「あつまれ 動物の森」内の博物館を使用して、生物の変遷について解説。最後はシンキングツールでまとめた考えを生徒全員で共有した。
第一部の公開授業が終了したあとは、休憩を挟んで第二部のセミナー研修がスタート。セミナーは前半の①と後半の②があり、2つを合わせて18のセミナーが用意されていた。時間はそれぞれ30分間。講師は同校の教員、私立中高一貫校(日本大学三島、大手前高松、昭和学院、日本大学櫻丘、)の教員、東京都市大学付属小学校の教員、教育支援アプリの開発企業である(株)LoiLoとClassi(株)の社員。

中学2年の理科1分野「化学/ものの溶け方と水溶液」

中学2年の理科1分野「化学/ものの溶け方と水溶液」

また、同校の生徒たちも講師として活躍。「等々力生の日々のiPad活用術」と題して中2の生徒たちが「中学生編」を、高1の生徒たちが「部活・クラス編」を担当した。
セミナー①の「楽しい授業動画作成方法」では、同校で理科を教える平山瑛一教諭が実験動画の作り方をわかりやすく解説。コロナ禍によってオンライン授業用に動画を作成したが、現在の対面による実験でも、その前に生徒に5分間の授業を見せることで、実験に多くの時間を割けるようになったと語った。

セミナー①「楽しい授業動画作成方法」

セミナー①「楽しい授業動画作成方法」

セミナー②の「導入や活用における管理職の役割~管理職として、管理職を動かす側として~」では、聖徳学園中学・高等学校で学校改革本部長を務める品田健教諭が講演。管理職にとって最も重要なことは「ICT機器の導入の目的を明確にすること」と力説。そしてビジョンを決めたからには覚悟も決めること、そのビジョンを教員や保護者に自信を持って語れること、研修に積極的に参加することが求められると述べ、最後に「ICTはこれからの授業に絶対に必要」と力を込めて語った。
来場者は膨大な数の公開授業や密度の濃いセミナーを通して、教育現場におけるICT機器の重要性と可能性を肌で感じたことだろう。


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