教育資源としての民間教育 第56回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
学習塾の社会的役割と全国学習塾協会の存在
長きにわたり、教育というフィールドは「公と民は別物であり、営利と非営利は別物である」という風潮が強く存在していました。しかし、それでは教育環境として立ち行かないばかりでなく、公共資産の有効活用、あるいは企業の固定費を圧縮して、より一層のサービス向上や経営の健全性などを実現するためにも、大きな構造改革に踏み込む必要性に迫られているのが現状といえるでしょう。
この連載コラムでも何度も申し上げていることですが、この国の未来は、公教育と民間教育の健全な協力体制にかかっているように思えてなりません。とりわけ、私たち学習塾の業界は、自塾の生徒を増やすという目標と同時に、学習塾業界の社会的役割の変化にも力を注ぐべき時にあるように思えます。時代とともに変化していく社会的役割、社会貢献あっての自塾生の増加であるように思うわけです。
このように、民間教育がなくてはならない存在であると自負する中で、僭越ながら、私たち公益社団法人全国学習塾協会として、これまで何度も自民党PT等にて、各種提言をしてまいりました。
昨年、教師わいせつ防止法案において、参議院文教委員会の取りまとめでは、民間教育においても教師のわいせつ懲戒処分履歴を照会できる仕組みにも力点を置く付則を明記していただきました。これは自民党PTにて当協会が主張したことが反映されています。このように学習塾業界ひいては、民間教育業界の社会的フィールドが損なわれることのないよう、活動しています。
ただこのような提言をしていくためには、特商法や適正な広告表示等を遵守していくことが前提になってきます。そのためにも会員、非会員を問わず学習塾業界を健全に守っていくためにも、どうか適正な運営をしていただければ幸いです。
最後に、ぜひ公益社団法人全国学習塾協会の存続と、塾(民間教育)の国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号にわたり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。