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(一社)グローバル教育人材交流協会
在住外国人と地域住民とのコミュニケーション手段 やさしい日本語

2022-11-01

マレーシアとの交流から始まった(一社)グローバル教育人材交流協会

日本語教室

日本語教室

(一社)グローバル教育人材交流協会は、学習塾(開進スクール 河野優代表 愛媛県)が2014年に設立した一般社団法人。学習塾も社団法人も拠点としているのは人口3万5456人、高齢化率43・9%(2022年9月2日現在)の愛媛県西予市だ。設立当初は、育った環境も得られる経験も画一的になりがちな地方の生徒たちが、多様な価値観に触れ、広い視野がもてるような経験を提供することを活動の主としていた。自塾生が参加しやすいように、費用や安全面、時差等を考慮して、国をマレーシアに限定し、中高生のマレーシア短期英語研修、大学生を対象とした現地国立大学に滞在するプログラム、また愛媛県内での英語キャンプ等を実施してきた。

日本語教室のイベント

日本語教室のイベント

マレーシアとの行き来が頻回になるにつれ、マレーシア人の日本語教師、日本で学位を取得した現地の大学教授等から日本や日本語について質問される機会が格段に増えていった。一方で地域においては、技能実習生を中心に外国人が近年増加しており、地域住民とのコミュニケーションの問題や、外国人が日本語を学ぶ機会が持てないという課題を愛媛県内の関係機関の方々から耳にするようになっていた。
そこで、守備範囲を広げるために、2017年に日本語教育能力検定試験を受検し、地域の外国人を対象とした日本語教育にも携わり始めた。現在は、地元2市(西予市・八幡浜市)の地域の日本語教室の運営と指導、および地元企業や福祉法人での技能実習生を対象とした日本語指導、またEPA(経済連携協定)介護福祉候補者の国家試験対策等を行っている。

一から人間関係をつくる必要がなく、塾の指導方法をそのまま使えるのが強み

学習塾の人間が、日本語教育に関わる強みとして自覚している点は、2点ある。 
第一に、現在依頼のある事業所や自治体の関係者の中に、ほぼ100%塾生や卒塾生の保護者がいる点である。塾生の保護者から直接依頼を受ける場合もあれば、出向いた先の施設長が〇〇くんのお父様だった、ということもある。どちらの場合であれ、一から人間関係をつくる必要がないということは、業務を進めるうえで大きな利点になっている。さらに、卒塾生が就職して実習生と一緒に働いている、というケースもあり、日本語指導に際して必要な情報収集がより細かくできたりもする。保護者やOB・OGの方々には、感謝してもしきれない。

(一社)グローバル教育人材交流協会  仲村智映 理事

(一社)グローバル教育人材交流協会 仲村智映 理事

第二に、学習塾で用いる指導方法は、そのまま、日本語教育にもスライドできる点である。事業所の要望で最も多いのは、日本語能力試験や介護福祉士の国家試験の対策である。学習者の現在のレベルを把握して、合格点までのギャップを埋めるために、出題傾向を分析したうえで学習を支援するというプロセスは、塾での入試対策と変わらない。ギリギリのラインで、本命の国立大1校のみを受験し、合格最低点で滑り込む、といったような、胃の痛くなる経験を幾度となくさせてくれた塾のOB・OGに、ここでもお礼を言いたい気持ちになる。 
また、特に地域の日本語教室については、小林弘典先生(P・Sコンサルティングシステム)が事あるごと触れる『面談での雑談力』が非常に役立っている。国内で日本語を指導する際には、直接法(英語等の媒介語を用いず、日本語で日本語を教える方法)が基本となる。その際に、いかに学習者がイメージしやすい例文を提示できるかが、学習者の理解度に直結する。そのためには、学習者がどのようなことに関心を持っているか、どんな生活環境かなどを、普段の『雑談』の際にさりげなく集めておくことが必須だ。また、相手が話したくなるような話題や質問をどれだけ投げかけられるかということも、特に地域の日本語教室においては大切な要素である。どちらも、『面談での雑談力』を応用している。

約5年間日本語教育に関わり、辿り着いたやさしい日本語

[左] やさしい日本語ツーリズム研究会吉開章 代表 [右] (一社)グローバル教育人材交流協会 仲村智映 理事

[左] やさしい日本語ツーリズム研究会吉開章 代表
[右] (一社)グローバル教育人材交流協会 仲村智映 理事

2017年から5年ほど日本語教育に関わってきたが、地域で日本語教師として活動すればするほど、大きな課題であると考えるようになったことがある。それは、学習者の日本語指導に携わるだけでは、日本人と学習者のコミュニケーションの問題は、解決できないということだ。大多数の日本人側に働きかけなければ、日本語教師として役立っていないのではないかという考えが強くなっていった。

今年9月18日に西予市で開催されたイベントで講師を務めた、やさしい日本語ツーリズム研究会 吉開章 代表

今年9月18日に西予市で開催されたイベントで講師を務めた、やさしい日本語ツーリズム研究会 吉開章 代表

そこで、現在注力しているのが、やさしい日本語の普及活動である。やさしい日本語とは、外国人にとってもわかりやすく配慮された日本語のことである。1995年の阪神・淡路大震災で、情報が理解できなかった多数の外国人が犠牲になったことから、研究が進められてきた。現在では、災害時等の命に関わる場面における情報発信の有効な手段としてはもとより、在住外国人と地域住民とのコミュニケーションの手段として注目されている。
やさしい日本語の普及活動としての最初の試みとなるイベントを、9月18日(日)に地元の西予市で開催した。
やさしい日本語の第一人者である吉開章先生(やさしい日本語ツーリズム研究会代表)を講師に招き、外国人にとって日本語のどのようなところが難しいのか、やさしい日本語で話すコツ、またやさしい日本語が外国人だけでなく、コミュニケーションに困難を抱えている高齢者や障害者にとっても有効であることなどをお話しいただいた。

9月18日(日)のイベント

9月18日(日)のイベント

当日は、自治体職員や外国人を雇用している事業主の方々、特別支援学校の先生や高校生(塾生)など、50人近くに参加していただいた。参加者からは、「外国の方とお話しする際、英語で会話しなければならないわけではないことが分かった」「外国人の立場になって日本語について考えることができた」「やさしい日本語のことをもっといろいろな人に知ってもらいたい」「ぜひ小中高校でもやさしい日本語について知る機会をつくってほしい」「『第三者返答』(※)は共生社会をつくるためには、やさしい日本語と合わせて理解したい」などの感想が寄せられた。
日常的に外国人と関わる機会は、特に地方では少ない。そのことが誤解や偏見にもつながっている。そしてただでさえ小さなまちが、さらに小さく日本人・外国人という枠のなかで窮屈に暮らしている。やさしい日本語が断絶しがちな双方が一緒になれる強力な武器になることを参加者の声を聞いて確信している。
学習塾からマレーシア、そこから日本語教育を経てやさしい日本語に辿り着いているが、全て目の前の塾生が発端になっていると改めて感じている。何も制約のない自由な立場である学習塾に携わる者の一人として、できることを模索し続けたい。

※例えば車椅子利用者とその友人が一緒にいた場合、第三者が、当事者である車椅子利用者ではなく、健常者である友人側に返答する、といったことを指す。障害者、外国人、性別によってなど、様々な場面で見られる。
詳細は下記QRコード参照(やさしい日本語ツーリズム研究会・「第三者返答」)

社団QRコード

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三者返答QRコード

三者返答QRコード

■お問い合わせ
当協会の詳細は、上記QRコード、またはhttps://gleea.jp/よりお問合せください。


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