教育資源としての民間教育 第62回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
学習塾業界を代表して、国へ提言することの大切さ
先日、衆議院第2議員会館にて開催された「民間教育推進のための自民党国会議員連盟」に、全国学習塾協会、全国塾コンソーシアム協議会、日本民間教育協議会および声をかけさせていただいた民間教育団体の方々にて出席してまいりました。この議員連盟は、下村博文元文部科学大臣が会長となり、当日は文部科学省、厚生労働省、経済産業省等の各省庁も出席しているものです。
民間教育側から、「教育バウチャー制度促進に向けた提案」という内容で提言させていただきました。いま現在行われている教育バウチャー制度の実例を挙げ、福岡市のこども習い事応援事業、大阪市の塾代助成事業を紹介し、大阪市のバウチャー制度は所得制限限度額が設定されているものの月額1万円を上限として1円単位で利用でき、利用先は大阪市塾代助成事業参画事業者として登録されている学習塾や家庭教師、文化・スポーツ教室等です。
アンケート結果も紹介させていただき、「新たに通塾ができ、冬期講習等に参加した、受講科目を増やせた」生徒が1,142 人(42. 0%)。交付前は学習塾に通っていなかった生徒は370人(20.2%)となり、バウチャー制度が教育の機会提供を行なっていると、当日は述べさせていただきました。
学習塾以外の習い事などの業界についても説明させていただき、水泳教室では学校水泳を民間委託することにより「泳力格差の解消」「高度な水泳指導」「教員にかかる負担の軽減」「水泳授業の安全性の確保」、そして「学校プールの老朽化」といった課題が一挙に解決に結びつく。だからこそバウチャー制度の活用も選択肢の一つとして捉えられるという。また、英会話教室や音楽教室(ピアノ)にも触れ学校外教育の重要性を述べました。
公益社団法人全国学習塾協会は、こうした大切な要望や情報等を国、各省庁へ発信し続けていくわけです。それは全国の塾の教室現場と子どもたちの未来を守るためでもあります。またこのような情報が、塾業界の隅から隅まで、当協会からの発信内容は届きにくいのかもしれません。しかし、協会会員をはじめとして多くの方々に、これからも発信を努めてまいります。ここまでの通り、塾の現場も社会と密接につながっているわけです。「全国学習塾協会、国は関係ない」といった時代ではもうありません。
最後に、ぜひ公益社団法人全国学習塾協会の存続と、塾の国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号にわたり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。