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家庭学習推進協会 第3回イベント
主体性を育む「家庭学習」のポイント

2023-05-01

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公教育・民間教育・家庭教育が連携することで、子育て中の保護者様とともに「子育ち」を考える場作りができるのではないか。この理念に基づいて設立された家庭学習推進協会が主催するオンラインセミナーが4月1日(土)に開催された。3回目となる今回のセミナーは進級や進学を迎える新年度という時期に合わせ、「家庭学習」のコツやポイントがテーマになっている。
第一部は、(公社)全国学習塾協会(東京都豊島区)会長の安藤大作氏による講演「主体性を育む『家庭学習』」。第二部は、安藤氏と元東大寺学園数学科教員の布村浩二氏による対談「家庭における具体的取り組みの模索のポイント」で、(株)サイタコーディネーション代表の江藤真規氏がファシリテーターを務めた。

実効性の高い教育情報を皆様に

「家庭学習をどのように最適化すればよいのか。この問いは古今東西、お子さんの未来を真剣に考える保護者の皆様を悩ませ続けている永遠のテーマなのではないでしょうか。そこで私たち家庭学習推進協会は、ご家庭と学校、民間教育がそれぞれ連動・連携を図りながら、様々な角度から実効性の高い教育情報を皆様にお届けしたいと考え、このセミナーを企画しました」
同協会の一員であり、(株)城南進学研究社取締役専務執行役員COOを務める千島克哉氏は冒頭の挨拶でこのように述べた。
同じく同協会の一員である、民間教育連盟の桝本吉郎氏が挨拶。
「2024年から小学校の教科書が大幅に変わります。教科書がデジタル化になり、英語の授業がより一層増え、プログラミングの授業も強化されます。しかし、日常で話すことのない英語の力を学校の授業だけで身につけられるのでしょうか。塾の力を借りることも必要です。今日のセミナーではこうした課題について皆様ととともに考えていきたいと思います」

■第一部 主体性を育む「家庭教育」のポイント■
(公社)全国学習塾協会 安藤大作 会長

安藤氏による第一部の講演が幕を開けた。なお、安藤氏は元日本PTA全国協議会副会長を務めたり、政府の有識者会議に招かれたりするなど、教育というフィールドで学習塾の代表として活躍している。
「新年度は期待と不安にあふれています。この時期にテンションが上がれば、お子さんは自ら動き出そうとします。しかし、心に不安や心配を抱えていていれば、主体性からどんどん離れていきます。この不安は保護者の皆様の側にもあります。『うちの子が新学期に勉強についていけるかしら』という不安や心配です。すると『あなたはこうするべき』という『べき論』や『なぜこれができないの?』という『減点論』をお子さんの前で繰り返してしまうのです。
こうした不安から生まれる言葉の嵐は『支配のマネジメント』を呼び起こしがちです。さらには『あなたが困らないために私は言っているのよ』とお子さんに緩やかな脅しをかけるリスクもあります。
お子さんにとって新年度は、心を許せる友だちが多くありません。そんな時期に家で家族から自分を信じてもらえず『こうしなさい』『ああしなさい』と言われ続けると孤独を感じてしまいます。また、『私の言うことを聞いておけばいい』という言葉は『私のロボットになりなさい』と言っているようなもので、お子さんの主体性は育ちません。お子さんを大切に思う気持ちがあるからこその言葉ですが、意識をしないと言い過ぎてしまい、『支配・恐怖・孤独』の『SKK』のマネジメントに陥ってしまう傾向にあるのです。
だからといって私は『心配をなくしましょう』と言っているわけではありません。心のあり方を整えてほしいとお願いしているのです。お子さんは『新年度に新しい学校やクラスになじめなかったらどうしよう』と不安になっています。ですから、笑顔でお子さんの話を聞いてあげてください。お子さんが『まわりのみんなは頭がよさそう。私は自信がない。勉強についていけるかな?』と不安を口にしたら、お子さんが安心して学校に通えるように『大丈夫だよ』と笑顔で受け止め、お子さんを信じてあげましょう。お子さんの体は食べ物で育ちますが、心はご家族の言葉で育ちます。テンションもご家族の言葉で上がり下がりします。主体性を高めるには『支配・恐怖・孤独』の『SKK』ではなく、『Smile・安心・Believe』の『SAB』が重要なのです。
『新しい学校生活で、右も左も分からない。だけど僕には家族という強い味方がいる』。この安心感が新しい環境でも頑張ろうとする力や、困難を乗り越えて回復する力であるレジリエンスをお子さんに生み出すのです」

■第二部 家庭における具体的取り組みの模索■
民間教育の現場から  安藤大作 会長
学校教育の現場から  布村浩二 先生
ファシリテーター 家庭教育の現場から 江藤真規 代表 

続いて第二部の対談がスタート。安藤氏が塾教育の現場から、布村氏が学校教育の現場から、江藤氏が家庭教育の現場からそれぞれ語った(敬称略)。
江藤 家庭の中で私たち保護者が子どもを頑張らせようと力を入れ過ぎると、安藤先生が第一部の講演の中で述べられていたように主体性を損ねてしまうことがあります。非常に難しいことですね。
安藤 かといって、保護者の皆様が何も実行しなければ、主体性は生まれません。海に連れて行かずに、いきなり子どもが「海で泳ぎたい」と言い出すことはめったにないでしょう。しかし、海で泳ぐことの気持ちよさを親が見せてあげれば、「僕も泳ぎたい」という気持ちになるのではないでしょうか。つまり、海に連れて行っても、無理やりお子さんの顔を水には漬けてはいけないということです。
江藤 ありがとうございます。非常にわかりやすいお話です。
今、学校では探究学習が盛んに行われています。海で気持ちよく泳ぐように、自分が好きなこと、興味のあることを追究できる探究学習は多くのお子さんにとって楽しいものだと思います。探究学習は、四則計算をしたり、漢字や英単語を覚えたりする基礎学力によって支えられています。こうした勉強を嫌がるお子さんも多いはずです。布村先生、こうしたお子さんに主体的に勉強をさせるために、学校はどのような役割を果たしているのでしょうか?
布村 お子さんたちは学校で最も長い時間を、同じ年代の子どもたちと過ごします。この学校生活の中で、他の生徒から受ける刺激も、主体性の育成に大きく貢献しています。「友だちに頑張っている姿を見せたい」「かっこ悪いところをみんなに見せたくない」といった単純な理由ですが、つらいと感じても我慢して勉強しようとする環境が学校にはあると思うのです。こうして友だちや先生に認めてもらおうと努力するお子さんはたくさんいます。
また、社会には理不尽なことが数多く存在します。こうした理不尽さも学校で学べます。努力を積み重ねたり、友だちと協力したりして理不尽さを乗り越えたりできるところも学校の良さだと考えています。
安藤 私は集団の中で主体性が育まれるには、3つの段階があると思っています。まわりの友だちが頑張っているのに、頑張れない段階がCです。一方、布村先生が述べられたように、まわりが勉強を頑張っているから、自分も頑張れることがあります。この段階がBです。しかし、まわりに関係なく頑張れるという主体性にあふれた状態もあります。この段階がAです。学校でも塾でも先生方がお子さんの心に響くように勉強する意義を伝えられれば、BからAにバージョンアップできると思います。
布村 安藤先生がいわれるBからAの移行には、数多くの成功体験を積ませることも重要だと思います。

子どもたちに溺愛と共感を

安藤 成功体験とともに、もうひとつ重要な要素が目的だと考えています。目的がある以上は粘り強く主体性を持って勉強しますが、曖昧であるとお子さんが息切れしてしまいます。一方、塾で教えていると、「人の役に立ちたい」「誰かの喜びのためになりたい」というお子さんたちが増えていることを実感できます。今の日本はかつてのように右肩上がりではありませんが、多くのお子さんが素晴らしい夢や希望を持っているのです。勉強が未来にどうつながるのかを、こうしたお子さんたちに学校でも塾でも家庭でも教えることができるはずです。
世の中には様々な物差しがあります。そのひとつが偏差値ですが、それを物差しにしていない塾もあります。「子どもたちにこんなふうに育ってほしい」という保護者の皆様の価値観に合った物差しを大切にしている塾も数多くあります。自分に合った塾を選んでいただきたいと思います。
江藤 塾選びも家庭の重要な役割のひとつですね。では、最後に家庭に「こうしてほしい」という要望をお聞かせください。
安藤 第一部でお話したように、保護者の皆様が笑顔でいることです。笑顔は、植物でいえば日光と同じくらい成長に必要な要素です。
布村 溺愛し、共感してほしいと思います。保護者の皆様にとってお子さんはかけがえのない存在です。溺愛して当然です。しかも、溺愛する保護者の皆様には愛情と同じく、あふれるばかりの元気をお持ちです。元気であれば、安藤先生が言われたように、いつも笑顔でいられます。その笑顔でお子さんを絶えず見守り、健やかに成長させてくれる塾や学校を選んで通わせていただきたいと思います。
江藤 前回のセミナーでも布村先生にご講演いただき、その中で「溺愛していい」というお言葉をいただきました。これを聞いた保護者の皆様から「この言葉が心に強く刻まれました」という感想をたくさんいただきました。お子さんを大切にしすぎることは、お子さんの成長のためにならない。そんな不安を感じている皆様は今日のセミナーを聞いて安心されたと思います。
セミナーをお聞きの皆様、そして布村先生、安藤先生、本日はどうもありがとうございました。


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