ブロードバンド予備校 主催 新課程大学入試セミナー
ブロードバンド予備校主催の新課程大学入試セミナーが2023年1月から全国20会場で開催された。ここでは各地で実施されたテーマについての記事を記載する。
ブロードバンド予備校は、大学受験に精通した実力派講師陣60名による質の高い映像授業を、インターネットを通して日本全国の予備校・学習塾に配信するサービスを提供。運営するのは、(株)ライブロード(畠山耕一代表、大阪府大阪市)。全科目に対応する292講座を揃え、全国1900教室以上の導入実績を持つ。
第3回大学入学共通テストの分析
第一部のテーマは「【速報】第3回大学入学共通テストを分析」。同社で配信しているブロードバンド予備校屈指の講師陣による大学入学共通テストの分析をテーマに講演した。
「今回の共通テストでは、『生物』の平均点が大きく下がり『物理』との得点調整が行われました。他の科目を見ても難化した科目もありますが、そもそも共通テストは平均点が5割になるように設定されているので、今回の平均点はそれよりもやや高いと言えるでしょう。新高3生の生徒・保護者の皆さまには第4回の共通テストは難化することが想定できるので、ぜひ万全な準備を行ったうえで受験に向かうように伝えていただければと思います」
また、近年の共通テストの傾向を大きく分けて3つ紹介した。①文章・図表・資料の増加、②教科・分野横断型の出題、③初見資料・日常生活との関わりを題材とした出題の3点だ。
「特に年々どの科目においても文章量が増加しており共通テストを解くためには時間配分や問題文を正しく読み取ることが重要となっています。つまり、文章を読み解く力が必要になっていることは明白です。高校1年生から現代文の授業を勧め、文章を読み解く力を早くから養成することが大学入試にとって重要なポイントとなるでしょう」
新課程大学入試に関する最新情報
セミナーの後半では、新課程大学入試に関する最新情報をテーマに講演した。
2022年の11月に大学入試センターから発表された共通テストの試作問題や、新たに発表されている情報を取りまとめて伝えた。
「新たな科目として『歴史総合』『地理総合』『公共』『情報Ⅰ』が共通テストに追加されるため、共通テストの様相は大きく変わります。例えば、今まで『世界史B』で受験できていましたが、『歴史総合/世界史探究』といったように、旧課程の生徒に比べ科目負担がかなり重くなります。『情報Ⅰ』についてもセンターからの発表で、試験2日目に実施される時間割(予定)が発表されています。受験生としてはかなりの負担増になるでしょう」
「『国語』については現代文の問題が1問増加し、配点も現代文をやや重視した比率になりました。現在でも試験時間が足りないと生徒から悲鳴が上がる科目ですが、より試験は厳しくなることが予想されます。数学②については「数学ⅡB」が「数学ⅡBC」となります。その影響で選択問題の大問数が増加するため、試験時間も10分増加しています。より文章量や情報量が増加するため重要になるのは問題を読み解く力になるでしょう」と説明し、ここでも現代文の指導、ひいては問題を読み解く力が重要であることを改めて伝えた。
新課程大学入試における大学の対応状況
次に各大学における新課程入試への対応について講演した。
「共通テストの『情報Ⅰ』については、国立大学では国立大学協会より共通テスト利用必須であることが既に決められています。しかし、いくつかの大学では点数化しないことが発表(2023年3月現在)され、広島大学や金沢大学でも一部の入試方式では必須化しないことを発表しています。公立大学では必須化は各大学の裁量に任せられていますが、東京都立大学や大阪公立大学のような難関大学は必須化の動きをとっています。他の公立大学や私立大学でも『情報Ⅰ』を利用するケースもあり、また、他科目と選択で『情報Ⅰ』を活用するケースも多く見られます。『情報Ⅰ』の対策をとっていると受験を有利に進められる可能性は十分にあるため、国立大学以外を受験する生徒さんでも対策は行ってください」と『情報Ⅰ』に関する対策の重要性を説いた。
学習塾の新課程大学入試への対応と今後の展望
最後に今までに説明した学習塾に必要な対応を改めて説明し、映像コンテンツの活用について言及した。映像コンテンツを選ぶ際に重要なポイントとしては「カリキュラム」が設定されている、つまり体系立てて学ぶことができることだと説明する。
「共通テストをはじめ、近年の大学入試の出題傾向は『思考力・判断力・表現力』を問う問題が多く、『知識・技能』だけを習得しただけでは、点数につながりません。つまり、『知識・技能』に寄った教材だけでは対応できません。新課程大学入試に対応する映像コンテンツの選定基準は、合格までの逆算スケジュールからカリキュラムが組めるかどうか、そのカリキュラムを体系立てて学べるものかどうかだとお考えください」
その後、ブロードバンド予備校での新課程への対応や特色のある学習システム、生徒個人へ向けた講座カリキュラムの作成システムについて説明し、セミナーは終了した。