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AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第72回

2023-08-01

中小塾の経営を支援する「パロス夢広場」

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今小1の壁とか小4の壁という言葉があちこちで言われている。一人親世帯や共稼ぎ世帯で、子どもを保育園に預けて仕事に出ていた者が、子どもが小学校に入ると預ける先が学童保育しかなく、希望する生徒をすべて受け入れてくれる状態になっていないため、低学年の子どもの居場所問題が大きな課題になり始めている。学童保育は児童館や各小学校の教室を使って、すべての小学校区に一つ以上は作られているものの、はるかに足りないところも多い。
低学年の生徒が1時過ぎに誰もいない自宅に帰って夕刻まで一人で過ごすようなことはとてもさせられないということから生まれた小1の壁。子どもの居場所づくりが緊急の課題になっている地域も少なくない。
一方でコロナウイルス感染症も3年目を迎え、ほぼ社会生活も正常化しつつある状態になってきたものの、不安に感じている家庭も多い。学習塾の今年度の募集状況は感染前の状態に戻ったとは言えない状況だ。
中小塾の生徒募集が思うように回復しない中で、一方、子どもを安心して預ける先がない家庭の悩みも解消したいと考えて、今回の「パロス夢広場」の構想がスタートした。夕方小学校高学年の生徒たちが集まり始める5時過ぎまでは空いている、あるいは生徒数が減っているために使っていない教室があれば有効活用ができる。
「パロス夢広場」のポイントは大きく三つある。一つは安心して子どもを預けられる居場所づくり。1年前からキッズドクターと提携して病院の診療時間外の突然の体調不良にも対応できる体制ができた。当組合員が加入できるAJC総合補償制度は、1名1億円1事故20億円までの事故に対応している。東日本大震災の罹災塾のアドバイスで10年前に防災箱を作った。そして大震災に対応するシステムも繰り返し周知させ、災害伝言ダイヤルの活用なども数年前から指導してきた。親が帰宅難民になってもあの塾なら安心して子どもを預けておけるという体制作りができている。
二つ目は生徒を扱い慣れている講師が、指導を開始する前の時間を有効活用できるという点だ。そして規模の小さい塾では10坪未満のような規模なら、10人前後の生徒を預かることで、丁寧に目が行き届くという面ではむしろプラスになる場合もある。
そして三つ目は今回最大の特徴である才能開発プログラムの構築だ。子どもたちが一番頭脳の発達が進むとき。宿題などをみる程度ではなく、好奇心を持って考える、自分から進んで行動する、文章読解力をつけるなど高学年になったときに大きく羽ばたける指導を付け加えている。組合員を対象としたこのコースは、塾経営に大きなプラスをもたらすものと確信している。
主な内容としては、読書・算数パズル・囲碁など。それに加えてそれぞれの塾がメインにしている内容を加える。英語塾ならばネイティブの講師の指導、理科が得意な先生なら理科実験。その他プログラミングやそろばん、国語など塾によって様々だ。
費用は実費のみ。年内は希望する塾で先行し、来年度からは積極的に中小塾の一つの柱として実施していきたい。組合員対象の新しいコース。詳しく知りたい方は事務局に問い合わせられたい。


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