教育資源としての民間教育 第67回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
日本版DBS(子どもを対象にした性犯罪歴がない証明を発行する組織)
制度の民間適用を目指して
今月号は、連日のようにネットニュース等にて報道されている日本版DBSについて、全国学習塾協会の活動も含め、ご紹介させていただきます。
日本版DBS制度とは何か?
DBSとは、英国内務省が所管するDisclosure and BarringServiceの略称で、こどもを対象にした性犯罪歴がない証明を発行する組織のことです。
主に2023年4月より創設されたこども家庭庁内において、日本版DBSの創設と運用の議論が開始されるにあたり、全国学習塾協会は学校教育(公教育)現場のみならず、民間教育業界への利活用権限等を要望していましたが、各省庁等の見解として、憲法の解釈上、個人情報保護の観点からDBS制度を民間に適用するとなると性犯罪前科者の「職業選択権利の自由を侵害することにつながる」等も議論しなくてはならないとのこと。よって民間適用は難しいだろうとの返答がありましたが、昨年、菅義偉前総理を訪問し、日本版DBS制度が民間にも適用されることも含め、検討いただきたいことをお伝えしています。
有識者会議に招集され、民間教育業界を代表してプレゼン
2023年8月1日(火)、こども家庭庁に日本民間教育協議会と全国学習塾協会、両団体の会長として、民間教育業界を代表する立場でプレゼンを行いました。DBS制度がどのように学習塾に関わるか、一旦の結論はまだ見えておりませんが、経済産業省、こども家庭庁ともに、日本版DBS制度に学習塾をどのような形であれ関連させていくことに、前向きになっていただいている状況でございます。
引き続き、子どもたちを守る観点と学習塾産業を守る観点の2軸を忘れずに、各省庁と連携をとってまいります。
以上が簡単な基調講演の内容です。国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために動いている団体が全国学習塾協会です。活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号に渡り恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。