(株)サインウェーブが
東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)を徹底分析
「ELST®」利用データから見る2023年度への対策とは?
東京都の都立高等学校入学者選抜では、2022年度から「中学校英語スピーキングテスト「ESAT-J(English Speakin gAchievement Test forJunior High SchoolStudents)」が始まった。全国の学習塾と私学にAIテクノロジーを活用した英語4技能対策アプリ「ELST®」シリーズや一般ユーザー向けのペン型スキャナー辞書「NazoritAI Pro(ナゾリタイプロ)」を提供する株式会社サインウェーブ(赤池雅光代表取締役社長、東京都千代田区)は、2022年度より「ESAT-J」の対策用コンテンツを「ELST®」で提供中。
今回、2022年度に実施された「ESAT-J」の問題内容を分析し、2023年度へ向けた対策法や活用法などの解説を行うオンラインセミナーを2023年7月18日(火)に開催した。2023年5月に開催し大好評だったセミナーをパワーアップしての再登場である。
英語4技能対策アプリで英語教育を牽引するサインウェーブ
「弊社は、2010年4月、音の波長を表すサイン波(SINE WAVE)を社名の由来として『音』にこだわりを持って設立されました。2016年には、AI/音声技術を強みとして教育事業に参入。2018年にはAIがスピーキングを自動採点する英語4技能対策アプリ『ELST®』の提供を開始しました。小学生向け英語学習アプリ『ELST®Elementary』は、Listening&Speakingの学習において、授業前・授業中・授業後の様々な場面で活用でき、また、社会人・大学生向け英語学習アプリ『ELST®Biz』はAI自動採点でTOEICRListening&ReadingTEST対策と英語4技能の学習が可能です。2021年にはペン型スキャナー辞書『NazoritAI Pro(ナゾリタイプロ)』、『NazoritAI for School』の販売を開始。多くの私学、塾で採用いただいています」と鈴木愛海氏は話す。
『ESAT-J』では“話すこと”の学習到達度を6段階で評価、都立高校入試に活用
続いて澤井亮平氏が話す。「ご存知の通り、東京都教育委員会は実施に向けて2019年から『中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)』のプレテストを行い、2022年11月27日(日)、都内公立中学校3学年生徒を対象に本実施の運びとなりました。『ESAT-J』では、『話すこと』の学習到達度がGradeA~Fの6段階で評価され(*1)、その結果は2023年度都立高校入試の合否判定に活用される仕組みになっています。2021年のプレテストが53点、2022年の本実施では平均スコアが60点。C以上が増え、D以下が減っており対策の結果が表れていると思います(*2)」
2022年度『ESAT-J』の出題内容と生徒の声
「『ESAT-J』の問題は4つのPartで構成され、3つの評価の観点のもと評価・採点されます(*3)。2022年11月に実施された『ESAT-J』の問題とアンケートによる生徒の声を見てみましょう」
◆Part A 基本的にプレテストと同じ内容でした。一部で中学校では習ってない助動詞+過去分詞についての指摘もありましたが、生徒の感想では習ってない単語はなかったので難しいという声はなく、対策すればできる、英検3級を受けて入れば大丈夫とのことでした。
◆Part B 3と4で資金集めをして課外活動をしましょうという、日本ではあまりないシチュエーションに戸惑ったかなと。生徒の感想では、対策していればできるという声が多かった。質問に対して単語1個でも答えたら評価されるので考えすぎず解答を書きましょう。
◆Part C 電車に乗ったら鳥が帽子の上にとまったという、なかなか面白いストーリーで読む力が問われます。それぞれの絵でどの動詞を使うかがポイント。難しかったという生徒の声が多かった。
◆Part D 聞き取れないと答えられない問題。給食がいいかそうでない方がいいか。聞きとれなかったという声が多かった。
「ESAT-J」対策コンテンツについて
「『ELST®』は、もともと英検の面接練習ができるスピーキングアプリでしたが、コンテンツも増えて4技能すべてできるようになりました。コンテンツもたくさんあり教科書にも準拠しているので、いろいろな使い方をしていただいています。また、『ELST®』の試験対策コースに『ESAT-J』対策コンテンツを追加。以下がコンテンツの内容です」
【introduction】どういう問題なのか、また、採点基準などについて説明。
【Training】各パートに取り組む前段としての基礎的なトレーニング。発音練習や頻出の表現・構文の理解ができます。頻出表現を見た上で、まずは英語を聞きましょう、なんて言っているか確認しましょう、なんて答えたらいいのかを言えるようにしましょうなど、着実に力をつけられる構成になっています。
【Practice&Test】字幕表示の切り替えや解答例など、各種ヒントが有効になっている状態で取り組めます。また、試験の流れに沿った本番に近い環境で模擬試験を実施することが可能。これらの問題は先生の管理画面で宿題配信ができるようになっており、それぞれの生徒さんの状況もリアルタイムで把握でき、指導に生かせます。
『ESAT-J』対策コンテンツ活用事例
【集団塾Aの場合】
集団塾Aでは、授業には組み込まず、宿題配信機能を使って、スピーキングを家庭学習で活用。スピーキングは慣れることが肝心なので『宿題に取り組んでたくさん英語を喋ってね』というスタンス。教室の授業ではリーディング・文法対策をし、家庭学習でスピ―キング対策を徹底しています。
【個別指導塾Bの場合】
英語力別でレベルを分け、『ELST®』を授業内で活用。夏期講習・秋期講習で『ESAT-J』対策を実施しています。授業では、教室のタブレットを用いて生徒が『ELST®』を進め、結果画面を講師と一緒に確認。講師がアドバイスしながら実力の定着を図ります。
「ELST®」ユーザーデータ分析
「『ELST®』を使っている生徒と使っていない生徒の、『ESAT-J』A~D問題での評価の割合を示したグラフを見ると、『ELST®』を使っている生徒は『ESAT-J』で点がとれています(表1)また、GradeAをとった生徒の内申点を見てみると、『ELST®』を使った生徒は3.96、使わなかった生徒の平均が4.20。内申4以上の生徒でも対策しないと点数がとれないことがわかります(表2)。GradeAをとった生徒は発話時間61分。『ELST®』での練習回数と『ESAT-J』のGradeは相関しています(表3)。『ELST®』を活用することで『ESAT-J』のGradeを上げつつ、リスニング&リーディングの対策ができるのです」
2023年度『ESAT-J』に向けて
「2023年度の本試験日は11月26日(日)。『ESAT-J』の点数で、志望校が1段階変わり得ます。遅くても夏から対策を始めるのがベストです。以下が対策のポイントです」
1. 宿題配信
・今まで通りの授業+家庭学習で『ELST®』を5~10分/日
・レベル別にクラス分けをして配信
・7月から『ESAT-J』コンテンツの開始
2. 対策授業
・1学期の期末試験が終わったタイミングで『ESAT-J』コンテンツの利用開始
・夏期講習のカリキュラムに『ESAT-J』対策を組み込む(5~10コマ)
・必要に応じて10月に追加対策授業を実施