都心のベッドタウンとして発展してきた埼玉県東部に位置する春日部市は、SDGsの未来都市にも選定されている。「春日部アカデミー」は、この春日部市で2011年に開校。塾業界で生徒の指導に携わり、30年以上のキャリアを誇る福地貴代志塾長が、数多くの経験を通して見つめ続けてきたのは生徒の心と保護者の思い、そして未来だ。生徒一人ひとりに寄り添うきめ細やかな指導により「学ばせる」受動性学習ではなく「やる気になる」能動的学習を推し進めている。
学びの基本は、5教科における苦手科目の徹底克服だが、中でも「英語学習アドバイザー（認定資格）」を取得している福地塾長のプロとしての英語指導は定評がある。今回は、使用教材である（株）スタディラボのオンライン英会話OLECOの活用方法を中心に、知識だけではない「英語力の伸ばし方」について福地塾長にお話を伺った。

基礎力を徹底的に身に付ける学びを実践

春日部アカデミー　福地貴代志 塾長

「春日部アカデミー」では生徒1～3人に先生1人の個別指導により、小学生から高校生までが学ぶ。「一生使える英語」を手に入れる【オリジナル英語コース】、苦手教科を克服する【個別指導コース（全教科）】、学力の土台作りを育む【計算Do│Jo（道場）〈英単語・基礎計算〉】、【オンライン英会話（オレコ）】など、多彩なコースにより成績アップと第一志望校合格をサポートしている。

「一番大切にしているのは、基礎力を徹底的に身に付けるということです。生徒たちをみていると、基礎をきちんとやっている子は放っておいても伸びていきます。例えば、掛け算九九の答えは考えなくても反射的に出てくるものですが、その次元に至るまで基礎を身体に染み込ませています。解説を読みながら生徒自身が問題を進めていくときに、解説を読んでわからない部分があることで基礎に抜けがあることが把握できます。また、解説を読み「理解したつもり」を防ぐためにミスの原因をしっかりとらえ、必ずもう一度問題を解くことを徹底しています。テストなどを控えていない通常期は、学校の授業を先取り学習することで、学校の授業が復習となり理解が深まります。わかると楽しくなり自信もついてくるという好サイクルを重視しています」と福地塾長は話す。
生徒自身が学びに向かう主体的な学習姿勢を培うきめ細やかな指導により、4年連続で第1志望校合格率100％を達成。他の進学塾から転塾してくる生徒も増えているという。

OLECOで可能になった外国人講師による「話す指導」

英語学習アドバイザー（認定資格）でもある福地塾長が運営する「春日部アカデミー」は、英語コースが充実していることでも知られる。小4～小6を対象とした英語学習（ピコ）では、最も基本的な読みと書きを重視。音読を多く行って「スピーキング力」の土台を固め、正しく丁寧に書くことで記憶の定着を確実にする。中学生は、一般的な個別指導コースに加え、一歩上の英語力の習得を目指す英語特化クラス（ステラ）、高校生は大学進学に向けた自立学習方式（コスモ）というラインナップである。

「国際化が進む新時代に対応するために、10年ほど前から日本の英語教育改革が進み、新しい学習指導要領に基づき、小中高の授業内容が大きく変わってきました。英語能力の向上については、いろいろな課題があり、その解決法は塾の数だけ正解があると思います。弊塾では今までも『英語を使いこなせる子どもたちを育てる』ことを念頭に置いて指導してきました。単語や文法の指導はもちろんのこと『読む・聞く・書く・話す』の指導にも力を入れています。ここに外国人講師による指導を加えて、さらに内容の濃い授業を行いたいというのが長年の思いでした。そして出会ったのがOLECOです。OLECOでは外国人講師と直接英語で会話ができるため、これで本当の意味で英語を使いこなせる子どもたちを育てることができるようになったのです。

現在、月2回、小中高生がOLECOを受講。OLECOのレッスンは1回25分という集中力が途切れないちょうどいい時間で、生徒たちは外国人の先生との会話を楽しんでいます。OLECOのカリキュラムは学習指導要領をベースに作られているため、レッスンが組みやすいのもメリットのひとつ。レッスン終了後には必ず確認テストを行い、レッスン中に出てきた単語や英文をきちんと書かせます。私が採点するので、文法のミスなどがあれば修正しながら生徒と対話ができるのもOLECOの良さだと思います」

英文法の基礎と英単語学習、音読、OLECOで英語力の土台作りは万全

「英会話授業の効果は『話す力が身につく』だけではなく、普段の学習の中で学んだ文法知識や新しい単語、熟語表現を実際に会話の中で使ってみることで、より確実に覚えることができ、英語が身体に染みついていくことです。技能的な効果はその場ですぐに出るものではありませんが、やり続けることによって生徒の気持ちが変化し、英語に対する障壁がなくなり、積極的に取り組めるようになります。
小学生の間は、英語のサンプルをたくさんためる時期です。小学生は音声付きデジタル教材「CORE English」なども小5～6で使っていますが文法には触れません。『こういう言い方があるよ』というサンプルを貯めるときにスピーキングは最適。見て、聞いて、読んで、話してサンプルを貯めていく。ある程度サンプルが積みあがったところで、小6の3学期から『これはこういうことだよ』と文法という軸でまとめて文法学習をしていきます。
一般的にガチガチに文法を教える先生もいますが、私は最初に規則から入っていくと英語の視野が狭まると思っています。英語はシンプルなんです。サンプルをたくさん用意すれば、文法の勉強はスムーズです。基礎を徹底的にやらせると中3の文法もすごく楽なのです。
また、弊塾では、英語の音読をとても重要視しています。1回5～10分で週1回の指導ですが、音読力は確実に上がっています。話すこと、声に出すことにより英語の理解度は深まり、リスニングの問題にも役立ちます。
東京都の都立高等学校入学者選抜では、2022年度から「中学校英語スピーキングテスト「ESAT-J」が始まりました。埼玉県の入試には、スピーキングテストはまだ導入されていませんが、今後導入されても対応できるように土台作りを行っています。それは英文法の基礎と英単語を徹底的に鍛えることと毎週欠かさずに行う音読の練習。さらにOLECOや基礎英語コース、英検の二次試験（スピーキング）対策で培ってきたノウハウもあります。

今まで3000人以上の生徒たちと接してきましたが、勉強ができない子はいません。自分ができないと思い込み、自分を低く見積もることで逃げの口実にして、やるべきことをきちんとやれていないだけなんです。
『誰がなんと言おうと君はできるんだからね』と生徒の力を信じて、生徒自身が自分で走れるようにエンジンを回してあげたい。先生だけが走りすぎないように気をつけています」