市原青年矯正センターに「すらら」導入
2023-12-01
5科目基礎の学び直しで受刑者の更生や円滑な社会復帰を支援
AIを活用したアダプティブな対話式 ICT教材の開発と提供を行う株式会社すららネット(湯野川孝彦代表取締役社長、東京都千代田区)が提供する「すらら」が、知的障害・発達障害などがある若年受刑者を対象として設置された全国初の刑務所、市原青年矯正センター(千葉県市原市)で導入される。受刑者、被告人、被疑者などを収容する刑事施設において、クラウド型のICT教材が導入されるのは全国でも珍しい取り組みだという。受刑者に対する「矯正処遇」の中の「教科指導」のツールとして活用され、社会復帰に向けた支援の一助を担う。
市原青年矯正センターは、入所時におおむね26歳未満の障害特性を持った若年受刑者を集めて処遇を行う。通常の講義形式の授業に馴染まず、その特性によって学力の幅も大きいことを踏まえ、個々の学力と学習進度に合わせて、小学校から高校までの学習内容を学べる「すらら」がマッチするとのことから導入に至った。なかでも「すらら」のレクチャー機能においては、キャラクターが動きや音声で解説し、視覚・聴覚情報豊富である点も、センターの受刑者の特性に適していると評価されたという。
センターでは今回のICT教材導入によって、個々の受刑者に合わせた学習内容を瞬時に提供できること、受刑者が自力で学習に取り組める助けとなることを狙いとしている。そして、これまで学校等の通常の学習についていけず、社会から取り残された面もある受刑者たちが、自己のペースで学び直し、学力を高めていくことで、出所後の選択肢が増え、円滑に社会復帰して1件でも多くの再犯が減ることを目指している。