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(株)スタディラボ 主催 NEW ONEPASS SUMMIT「AIに心は宿るのか」

2024-01-05

株式会社スタディラボ(地福武史代表取締役、東京都文京区)主催の「NEW ONEPASS SUMMIT」が11月26日(日)、ステーションコンファレンス東京で開催された。ワンパスサミットは、「ワンパス」と連携している教育コンテンツを利用する教育関係者を招いたセミナーだ。同社がこれまで行ってきた「オレコサミット」と明確に分けて継続的に実施するため、タイトルに「ニュー」を冠することになった。今回は、人工知能研究の第一人者である、東京大学次世代知能科学研究センター教授の松原仁氏によるプレミアム特別講演を用意。同社の顧問でもある松原氏が「AIに心は宿るのか」をテーマに語った後、教育とAIに関する様々な質問に答えた。

■教育サービスの現状と未来 ワンパスが築く新しい学習のカタチ■
(株)スタディラボ 代表取締役 地福武史氏

AIの研究は人間とは何かを知ることにつながる

(株)スタディラボ 地福武史 代表取締役

(株)スタディラボ
地福武史 代表取締役

まず、同社代表取締役の地福氏が代表講演を行った。テーマは「教育サービスの現状と未来―ワンパスが築く新しい学習塾のカタチ―」である。
地福氏は上場している学習塾17社のM&A動向などや市場環境予測について解説し、次のように語った。
「ますます少子化が進み、競争が激化する中、2030年までには大学、学習塾・予備校、民間教育におけるデジタル化が進んでいくと思われます。そこで、学習塾の皆様がすべきことは、労働生産性、経済合理性、学習生産性の3つを向上させることだと考えられます。その実現に、すべてのITコンテンツの入口となる弊社のワンパスが大きく貢献するはずです」
例えば、労働生産性に関しては、ワンパスの活用によって、宿題などの提出部分や授業が合理化でき、教師数や教師の勤務日を削減できる。学習生産性に関しては、家庭学習などの領域を可視化でき、成績と合格力を圧倒的に高めることができるのだ。
「学習塾が最新のテクノロジーを取り入れていくために、重要な役割を果たすのが、ChatGPTをはじめとするAI(人工知能)です。そこで、弊社創業当時から顧問を務めてくださっている松原教授にこれから講演をしていただきます」
松原氏は1959年に東京で生まれ、小5の秋から四谷大塚に通学。武蔵高等学校中学校を経て、東京大学理学部情報科学科を卒業した後、同大学院校工学系研究科情報工学専攻博士過程を修了した。現在、同大次世代知能科学研究センターと同大学院情報理工学系研究科附属情報理工学教育研究センターの教授を務め、同研究科電子情報学専攻を担当している。2018年にはプロ棋士の羽生善治との対談も掲載した「AIに心は宿るのか」を上梓。今回の講演で松原氏は、同書の題名をテーマにしてAIと教育との関係について語った。
松原氏は「AIの研究は、人間とは何かを知ることにつながる」と述べた上で、その歴史について触れた。1940年代にコンピュータが誕生し、1950年代から1960年代にかけてAIの研究が始まったという。
「今ではAIがスマートフォンで音声の対話をしてくれたり、ネットで買い物をしていると『こういうものを買ったらどうですか』と提案してくれたりします。また、電車の乗り換え案内や、自動車の運転支援をしてくれます。そして、将棋や囲碁のプロよりも強くなりました。これは、将棋や囲碁のようにルールが明確で範囲が限定されている状況では、AIの方が人間よりも答えを速く求めることが得意であることを示しています。反対に『この生徒をどのように伸ばしたらよいのか』といったルールが不明確で範囲が非限定の状況では、人間の方がはるかに得意です。また、AIは『なぜ、その答えに至ったのか』という説明に関しては苦手です」

■AIに心は宿るのか■
東京大学次世代知能科学研究センター 教授 松原仁 氏

東京大学次世代知能科学研究センター 松原仁 教授

東京大学次世代知能科学研究センター 松原仁 教授

AIは論理的に推論しているわけではない

松原氏は2012年からコンピュータに小説を書かせる「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」を実施。人間とコンピュータが共同で創作した小説を2015年、第3回星新一賞に応募して一次審査を通過させた。また、手塚治虫氏の作品「ブラックジャック」の新作を、AIを用いて作成する「TEZUKA2023プロジェクト」に参加。その作品は2023年11月に発売された「少年チャンピオン」に掲載された。
そんな松原氏が言語生成AIについて解説。言語生成AIは2022年の終わりに発表され、その代表格がChatGPTだ。2006年にイギリスのジェフリー・ヒントン博士が提唱したディープラーニングの手法を活用した技術だという。

会場の様子

会場の様子

「ChatGPTは膨大なネット上の新聞記事やブログの記事の中から、関連する情報を探して文章を生成します。例えば『日本の総理大臣は』と入れると、ある確率から『岸田文雄』とつなげ、『日本の総理大臣は岸田文雄』と入れると、ある確率から『である』とつなげて『日本の総理大臣は岸田文雄である』という文章を生成します。岸田文雄が正解であるとわかって答えているのではなく、統計上、次の単語を予測して答えているのです。論理的に推論して答えを導き出しているわけではありません。極端にいうと『1+1は?』と聞かれた場合、計算して『2』と答えるのではなく、『1+1は2』という情報を探して答えているだけなのです。
ChatGPTの改良版であるGTP─4』は、アメリカの司法試験や医師国家試験に合格できました。ネットには、これらの過去問とそれに対する正解が情報として蓄積されているため、問題に解答できるのです。このようにAIはインターネットの発明に匹敵するほど社会に大きな影響を与えます。しかし、まだ発展途上の技術であることを認識すべきです」

AIの進化によって教育の重要性が高まる

(株)市進ホールディングス 下屋俊裕 代表取締役会長

(株)市進ホールディングス 下屋俊裕 代表取締役会長

そして松原氏はAI時代の教育について次のように述べた。
「これからは大抵の仕事はAIがしてくれるようになります。そこで、大所高所からの判断が人間に期待されます。その能力を身に付けるためにも、教育の重要性はこれまで以上に高まるでしょう」
最後に「AIに心は宿るのか」という問いに対してこのように語った。
「人間には心があると誰もが思っていますが、実際にはわかりません。相手の頭の中までは覗くことができないからです。しかし、相手にも自分のように心があると思った方が付き合いやすいでしょう。相手の行動が予測しやすいためです。みなさんが子どもの頃、お小遣いをお母さんにねだる際『今日はお母さん、機嫌がよさそうだ』と思ってねだったと思います。このように心があるかどうかは受け手の認知の問題なので、AIに心が宿っていると思った方が使いやすいと感じる人にとっては心が宿っていると言えるでしょう。」

教育関係者である皆様の叡智を結集したワンパス

(株)スタディラボ峰嶋聡子 上席執行役員

(株)スタディラボ
峰嶋聡子 上席執行役員

講演のあと、質疑応答へ。ファシリテーターは同社上席執行役員の峰嶋聡子氏が務めた。寄せられた質問は「バックオフィス機能はどこまでできるようになりますか?」「AIと会話していると気づかないほど、感情的な対応ができるようになりますか?」「気温や湿度、相手の好みなどによって作業をわずかに変えるといったような『職人の技』つまり言語化できない技術もAI自身の経験により習得していけるようになるのでしょうか?」などである。
例えば「保護者や生徒とのコミュニケーションがどこまでできるようになりますか?」という質問に対して松原氏は次のように答えた。
「AIは生徒さんからの質問や保護者の方からの要望や苦情など膨大なデータを学べるので、きちんと対応できるはずです。しかし、生徒さんの性格は一人ひとり違うので『この生徒にはこうした方がよい』というきめ細かなアドバイスは現在のAIでは難しく、これは人間の先生には適わないと思います」

(株)スタディラボ 橋本智佳子氏

(株)スタディラボ
橋本智佳子氏

質技応答終了後は、峰嶋氏と同社の橋本智佳子氏によるワンパス&スタディワンの紹介へ。生徒の学習をサポートし、教師の負担を減らす機能の解説や、今後の機能リリース予定を発表した。
また、ワンパスからシングルサインオンができるコンテンツを提供(予定含む)している教育開発出版株式会社、株式会社SRJ、株式会社学書、株式会社エドベック、スタディプラス株式会社から連携しているコンテンツを紹介した。様々なICTツールの活用が進む学習塾において、ワンパスからスムーズにログインできるコンテンツのラインナップやその内容を知る機会となった。
次に(株)市進ホールディングス代表取締役会長の下屋俊裕氏が次のように挨拶。
「今後、AI先生が学習相談や進路相談を担当するようになるでしょう。こうして人手不足は解消されていくと思います。私たち塾関係者は、進化するAIと共存しながら、人間にしかできない教育で、子どもたちに人間にしかできない力を身に付けさせていきたいと考えています」
閉会の挨拶で地福氏はこう述べた。
「2050年のワールドカップで、二足歩行ロボットと人間との試合を実現するため、世界中でロボット大会が行われています。松原教授はその発起人のお一人です。このようにテクノロジーは加速度的に進化していきます。教育もAIとともに進化していくべきです。そこで、弊社では教育関係者である皆様の叡智を結集したワンパスを開発しました。今後も新しい機能を開発してまいりますので、ぜひともご支援いただきたいと思います」


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