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    言語生成AIが外国語学習に与える影響
    ~今後求められる指導とは~

(株)ウィザスグループ オンラインセミナー
言語生成AIが外国語学習に与える影響
~今後求められる指導とは~

2024-01-05

ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に進化している中、外国語学習の指導は転換期を迎えている。株式会社ウィザスグループ(生駒富男代表取締役社長、大阪府大阪市)にて、能力開発・キャリア支援事業に携わる、株式会社SRJ(東京都中央区)・株式会社レビックグローバル(東京都港区)・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京都港区)は、2023年12月1日(木)京都大学 准教授 金丸敏幸氏をお招きし、学校や学習塾などの教育関係者を対象にオンラインセミナー「言語生成AIが外国語学習に与える影響~今後求められる指導とは~」を開催。
言語生成AIが具体的にどのような影響を与え、今後どのような指導が求められるのか最新の研究と情報の観点からポイントを共有した。

■特別講演 京都大学国際高等教育院 准教授 金丸 敏幸(カナマル トシユキ)氏

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2001年京都大学総合人間学部卒業、2003年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了、2006年同博士後期課程単位取得認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。現在は京都大学の全学共通科目で英語を担当。
2014年京都大学の新入生全員が利用する英語e-Learningシステム「GORILLA」を開発、運用に携わる。『京大・学術語彙データベース基本英単語1110』(研究社:共著)、『TOEFL ITPRテスト 公式テスト問題&学習ガイド』(研究社:共著)など著作多数。

■ChatGPTの原理と教育■

どういうシステムなのか

言語生成AIが外国語学習に与える影響ということで、オープンAI社のChatGPTを中心に話を進めていきます。単純に説明しますと、次にどういう単語が出てくるかを予測するシステムです。予測するシステムのもとになっているのが大量の言語データをもとに学習を行った大規模言語モデルというものです。大規模言語モデルはLLM(ラージランゲージモデル)と呼ばれています。オープンAI社はたくさんの質問によってシステムのトレーニングを行っており、それがChatGPTの大きな特徴です。

どういう質問でトレーニングされているのか

皆さんご存知のように、生成AIに与える質問のことをプロンプトと呼んでいます。プロンプトを使うと様々なことをAIに行わせることができます。例えば「日本の首都は東京です」というテンプレートを与えてから「フランスの首都はどこですか?」と質問すると「フランスの首都はパリです」とうまく文章を使って解答させることができます。
ChatGPTは、知識のデータベースを使って解答したり、インターネットの情報をどこかから探し出して解答したりするのではありません。様々なプロンプトでトレーニングしたシステムなのです。そのため「翻訳をしてください」「要約をしてください」という要望に応じて反応を変えます。上手に使うためには、こちらが求める回答のパターンをうまく提示し、いろいろな条件を質問文に追加することが大切です。この手法をプロンプト・エンジニアリングと呼び、この1年で知見が深まってきています。

なぜ教育でChatGPTが問題になるのか

平成30年度の学習指導要領改訂で、主体的・対話的姿勢・表現力が学校教育の中で重要視されています。こういった部分とChatGPTは相性が良く、マッチするところが教育にインパクトをもたらしています。ただしコンピュータが学習者よりも上手に文章を書いたり表現ができたりということになれば、実力以上の解答が得られてしまうため、評価の根幹を揺るがすことになってしまいます。
英語能力は日本人大学生の最上位クラス相当の能力を持っています。弱点は、細かい箇所の修正が難しい、出力結果が安定しない(一定でない)などが挙げられます。国(文部科学省)の対応を見ますと、ChatGPTの登場から約半年ほどで初等中等教育向けのガイドラインと、大学・高専向けのガイドラインがそれぞれ発表されました。取り扱いについては、禁止や制限をかけるのではなく、積極的に活用していくという内容になっています。

■生成AI利用の留意点■

英語教育への応用

情報の正確性・信頼性の判断は使う側に求められています。同じ入力でも出力が異なることがあり、授業や課題への安易な導入は、学生や生徒が間違った情報を得たり理解することもあるため、情報源(一時資料)の確認と(英語の情報なら)原文での理解を基本に、内容を見極める必要があります。VOA(Voice of America)などの英語ニュース記事の要約や記事からの問題作成を活用し、英語理解を深めていく活用方法をお勧めしています。
学習者の思考力と英語力にはギャップがあります。この溝を埋めるためにChatGPTに身近な例を挙げてもらうこともできます。「より具体的なものにしてください」と指示することで「こういう書き方ができるよ」と、たくさん例を作ってもらって活用します。先生が確認する必要性がありますが、ChatGPTを一人ひとりのトレーニングパートナー的に使います。

生成AI教育のパラドックス

ChatGPTとのやり取りは、リンク(共有)機能を活用すれば、課題やレポートでどのように文章を作成したかあとで確認することが可能です。共有リンクは「チャットを共有する」からリンクを取得できます。参考文献の引用やリテラシーの観点からも重要です。
現在は、プロンプトの共有が中心となり「このように入力すると学習効果が得られます」という解説が増えています。けれども毎回同じものが出力されるわけではないため、何をどう学ぶのか、使いこなすためには知識が必要で、その知識をどう身につけるのかが重要です。生成AIにより、みんなが同じことができてしまうため、サービスを提供する教育機関の間での差別化をどう図るが課題です。
教科書の問題を解説するのか、要約するのか、場面を想定しなければ教育的効果をあげられません。また、AIを使いこなせる生徒、使えない生徒の間で大きな差が出るため、使いこなすための指導が重要です。AI活用を前提とした内容・活動には、新しい情報リテラシーが求められ、他の科目と連携させるアカデミックスキルズの指導がより重要になってきます。

■AAALに向けて■

人間とAIとの共同学習

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AIを使って自律的学習できる学習者を育てていくことの重要性を、AAAL(AI-Assisted Autonomous learning)と呼んでいます。1人ではできないが外部の助けがあれば実現できる領域のことをZPD(Zone of Proximal Development)と言います。この領域での学習が効果的な成長・発達を促すので、これを実現することが重要です。
生成AIや他者とどのようなコミュニケーションをするのか、質問や指示の仕方はどうするのか。人間とAIと共同学習をすることで、自分に足りないものを学習者自身が見つけ、身につけることが肝心です。

AIがもたらす教育の変化

ChatGPTの登場で教育は次の時代へ。これから何を学ぶのか、自分で学ぶことがどんな意味を持っているのかを改めて考えることが必要です。教育の目的は、学び続けることで可能性を拡げることにあります。AI時代に先生が伝えていくことは、“こんなことがわかり、こんなことができる”を実感できる教育です。「AIで学び、AIと学び、AIに学ぶ自律的学習者の育成」が求められています。


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