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教育立国推進協議会 第21回総会「志共育について」

2024-04-01

「教育立国推進協議会」第21回総会が2月21日(水)、衆議院第一議員会館(東京都千代田区)で開催された。「教育立国推進協議会」は、超党派の国会議員や先駆的な取り組みを行っている教育関係者などが共同し、日本再建に向けて教育立国を目指すための議会で、2022年1月に衆議院議員で元文部科学大臣の下村博文氏によって設立された。今回の議題は「志共育について」。講師は一般社団法人志教育プロジェクト理事長の出口光氏、同共同代表の佐々木喜一氏、同専務理事の北見俊則氏。
この総会に国会議員、その代理出席者、教育関係者などが出席し、教育に向けた熱い思いを分かち合った。

何のために勉強するのか?

[左] (一社)志教育プロジェクト 佐々木喜一 共同代表 [右] 「教育立国推進協議会」会長 下村博文 衆議院議員

[左] (一社)志教育プロジェクト 佐々木喜一 共同代表
[右] 「教育立国推進協議会」会長 下村博文 衆議院議員

「教育立国推進協議会」事務局長であり、参議院議員を務める横沢高徳氏の司会のもと、まず、会長の下村氏が次のように開会の挨拶を述べた。
「日本や世界の情勢が大きく変わる中で、これまでの延長線上での教育はもう通用しません。このことを今日、この場においでのすべての方々が実感されているはずです。そこで、あるべき教育とは何かについて、今日は志という視点から考えてみたいと思います」
その後、下村氏は政府に提出した「教育立国推進協議会 緊急提言(案)」について解説。教職員の処遇改善と高等学校教育無償化の早期実現に関する提言だ。この提言の継続が参加者から得られたあと、民間の取り組み発表として「志共育について」の講演がスタートした。最初に登壇したのは、学習塾の成基学園などを展開する成基コミュニティグループ会長の佐々木氏。志教育プロジェクトの共同代表の佐々木氏は、志を共に育む「志共育」の「エビデンス」と「成果」について述べた。
佐々木氏は35年前から自塾の生徒に「何のために勉強するの?」と問いかけてきたという。すると10人のうち9人が「将来のため」「志望校に合格するため」と答えるそうだ。「どんな将来?」と聞いても、答えられるのは20人のうち1人か2人。そこで、佐々木氏は将来の夢や志を明確にするセミナーを実施したのだ。そして2014年「志教育プロジェクト」を出口光氏とともに立ち上げる。翌年には一般社団法人化し、実業家で心理学者の出口氏が理事長に、佐々木氏は副理事長に就任した。
「より多くの子どもたちに『志』を広げるためにはメソッドや法則が必要です。そこで2018年から弊社ではマンガを使った志アクティブラーニング教材『夢を叶える方法~志の法則?』を活用した『志共育講座』をスタートさせました」
出口氏が原作を書いたこの教材の原画は「銀河鉄道999」の松本零士氏が、脚本は「ドラゴンボールZ」の小山高生氏が担当。2大巨匠による志マンガテキストとなった。

不登校児の大学進学率が全国トップに

こうした「志共育」の成果として「志入試」を導入した私立足立学園中学・高等学校(東京都足立区)では、導入前の2014年と比較して入学者数が1.8倍となり意欲的な生徒が増加した。
「2014年京都府八幡市教育委員会よりプロポーザルの上で委託され、志共育を主軸にした弊社の授業を八幡スタディサポートで導入していただきました。八幡市は京都府の中でも生活保護家庭が多く、全国中学の学力テストは京都府で最下位でした。が、この授業を受けて卒業した生徒の70.1%が大学に進学しています。しかも、大阪大や神戸大、同志社、立命館などの関西の難関大学に進学した卒業生もいます」
成基コミュニティグループの通信制高校提携校であるゴールフリー高等学院は志共育を導入後、不登校の生徒の大学・専門学校・短大進学率が全国トップクラス91%になった。成基学園の合格達成セミナー合宿でも『夢を叶える方法~志の法則~』を5回以上読んだ生徒の第1志望合格率が83.3%を達成するなど、数々の成果を生み出している。
「成基学園では、小4から高校生まで1万数千人の生徒が全員、この志共育の授業を受けています。そして仲間同士で志を発表し、他の生徒の志を知ることで、切磋琢磨しているのです」

「志共育入門講座」を開講

[左] (一社)志教育プロジェクト 北見俊則 専務理事 [右] (一社)志教育プロジェクト 出口光 理事長

[左] (一社)志教育プロジェクト 北見俊則 専務理事
[右] (一社)志教育プロジェクト 出口光 理事長

次に登壇したのは、元横浜市立上永谷中学校校長の北見氏だ。専務理事の北見氏は「志共育」の「行動」や「やり方」について語った。
「私が校長を務めていた上永谷中学校では、2クラスの担任が精神的なストレスで教壇に立てなくなるなどの問題を抱えていました。そこで私は志共育を導入したのです。3年後には各担任が自分のクラスで志共育ができるようになりました。志共育では全校生徒が志を立て、発表して、共有します。これにより、与えられた学びから、意志ある学びへと変化していきました。
その結果、この中学校は横浜市教育委員会から『優秀教育実践校』として表彰されたのです。志共育の素晴らしさを実感した私は、これを体系化して教員向けの『志共育入門講座』を開講しました。生徒に向けた50分授業×3時間の指導案です。例えば、1時間目は生徒に夢と志の違いを知ってもらいます。『金メダルを獲ることが私の夢です。金メダルを獲ることで、世界中の人たちを元気づけることが私の志です』というように『夢は自分のため、志は世のため、人のため、未来のため』と定義づけて教えるのです」
そして志によって良い世の中をつくるには、自分一人ではなく、役割分担が必要だと生徒に知らせる。そのため、人には「勇」「親」「愛」「智」の「四つの窓」があること、また「勇」なら「挑戦する」、「親」なら「和をつくる」、「愛」なら「癒す」などの「志動詞」があること、さらには「志方程式」があることを教えるのだ。
「志方程式」は「目的」「手段」「対象」「動詞」で構成されている。たとえば、「みんなが幸せになるために」「親身になって話をよく聞き」「困っている子どもたちを」「元気づける」というように志を立てさせるのだ。志共育では「四つの窓」「志動詞」「志方程式」の3つのテクノロジーによって生徒の志を導き出していく。
3時間の「志共育入門講座」を受講すれば、生徒に志共育の授業ができるようになる。さらに公認講師資格試験に合格すれば、出張授業や入門講座などが開けるようになるのだ。
「佐賀県の公認講師の方は1年7カ月で、35校を訪問し、計50回もの出張授業をしました。みなさんもぜひ、『志共育』を日本や世界に広げていただきたいと思っています」

日本の文化や伝統を知る

最後に理事長の出口氏が「志共育」の「メソッド」と「あり方」について解説した。
「志は人生の原動力です。吉田松陰は『志を立てて、以って万事の源と成す』と、教育家の森信三は『志を立てて初めて、人の真値が現れる』と、企業家の松下幸之助は『志あるところ、必ず道は開ける』と述べています。今から2400年も前に孟子も『志は気の帥すいなり』と語っていました。志はエネルギーであるというのです」
出口氏はこうして志の普遍性や重要性を説いたあと、アメリカの大学院に留学していた時のことを振り返った。
「中高時代にアメリカや中国が世界で一番偉大な国だと信じていた私は『日本が遅れているからアメリカに学びに来た』と大学院の指導教授に話しました。すると教授は『あなたが真の国際人になりたいのなら、日本を大切にしなさい』とおっしゃったのです」
そう語ると、出口氏は「日本学ユニバーシティ調査2023」によるアンケート結果を紹介。「世界で通用するために、日本の文化や伝統を知っていることが重要だと思うか?」の質問に対して「思う」と答えた人が89%、「『強い精神性や志を育てる教育』を学校でもっとすべきか?」の質問に対して「思う」と答えたのが78%であると述べた。
「日本人が世界で通用するためには、志とともに日本を愛し、日本を素晴らしい国だと思える教育が必要だと思います。これから日本独自の教育の柱を立てていきたいと考えています」
出口氏の講演のあと、質疑応答。続いて「教育立国推進協議会」幹事長で衆議院議員の笠浩史氏が事務連絡をし、下村氏が閉会の辞を述べて、総会は終了した。


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