[左] ココキッズクラブ担当　伊達博子 氏
[右] （株）Wiship 副社長　武田星子 氏

株式会社WiShip（岡田有司代表取締役、京都府京都市）は、京都市・宇治市・枚方市で個別指導「個個塾」と小学生の習い事スクール「ココキッズクラブ」を展開する。習い事のコンテンツの1つとして、2017年にオンライン英会話「OLECO」を導入し、客単価アップだけではない付加価値や相乗効果を生み出している。運用面の工夫や差別化のポイント、学習効果などについて同社取締役副社長 武田星子氏と「ココキッズクラブ」担当 伊達博子氏を取材した。

オンライン英会話が低学年獲得の起爆剤に

（株）WiShipの塾部門は創業20年目を迎え、現在は個別指導「個個塾」を山科区に4教室、宇治市に2教室、2021年には大阪に進出を果たし、枚方市に2教室の計8教室を展開している。
武田氏はオンライン英会話教材「OLECO」導入の狙いを次のように話す。
「ココキッズクラブは個個塾の6教室で併設し、各教室で速読やプログラミングなどのコンテンツとともに『OLECO』をラインナップしています。できる限り早い段階から英語に触れてほしいとの想いで導入に踏み切りました。『OLECO』は現場の要望をヒアリングして改善してくださる対応力に信頼感を持ちました」
小学校低学年の獲得が教室運営の安定度を左右するため、中学受験をしない比較的ライトなターゲット層に対して、オンライン英会話は差別化の一役を担うと判断したのだという。
「決め手となった最大のポイントは、小学生が楽しいと思えるコンテンツであることです。弊社は塾部門も習い事も〝楽しい〟を軸に据えています。初めて英会話を習う初学者にとって、まずは何よりも楽しくなければ継続してもらうことは難しいと考えました」（武田氏）
ココキッズクラブでは「OLECO」のレッスンは1回50分、月3回で年間36回のコースとなっている。オンラインが25分、残りは単語テストやプリントで学習する、ここに英検対策を追加すると1回80分のレッスンだ。
「OLECO」を継続して受講することで、生徒の発音が驚くほど良くなると伊達氏は語る。
「オンラインの先生方は緊張気味の生徒にもチャレンジ精神を褒めてくれるので、焦らずに楽しみながら話せる環境です。保護者にも体験見学の機会を設けて、生徒一人ひとりの発音を聞いてもらいます。話す時間が短い集団レッスンと違い、マンツーマンのレッスンに価値を見出していただいています。
また、『ふとした時の英語の発音が上手になった』とか、保護者の発音を『それは違う！』とお子さんに指摘されるという話もよく耳にします」

ポイント制で学習意欲喚起
中学生対象の英検対策も

英語全体レッスン

武田氏は「英語でつまずいてほしくない」という保護者のニーズの高さを実感するという。
「この1～2年、保護者は『小学生のうちに英語に触れさせておかないと、中学1年生で大きな差がついて英語が嫌いになってしまうかもしれない』という認識を確実に抱いています。
そこで、〝弊社か他塾〟かではなく、弊社の中で〝オンライン英会話か個別指導塾の英語学習〟かという選択肢を提供できることが非常に大きなメリットだと感じています」

英語少人数レッスン

ココキッズクラブでは、実際に低学年の体験学習参加者は増加し、今春は幼稚園年長さんも体験学習に参加した。
また、OLECOのレッスンにポイント制度を採用し、積極的に取り組んだ姿勢を評価して明確に見える化することが狙いだ。
「出席で1ポイント、挨拶で5ポイント、レッスン終了後には先生がS評価に5ポイントを付与します。ポイント制度が生徒のモチベーションアップに非常に有効です」（伊達氏）
一方、中学生を対象にOLECOを活用した英検対策もラインナップしている。
「長く続ける中で英検に興味を持ち、挑戦したいという新たな目標ができます。保護者からも『英検受検にはどのくらい頑張ればいいか』と相談されるケースも多くなっています」（伊達氏）
現在、問い合わせが絶えない状況だと武田氏は明かした。
「将来的に英検取得を視野に入れている保護者にとって安心材料となるように、教室の玄関口に生徒が取得した英検の級を貼り出すなど、成果の見える化を意識して運営しています。また、ポスティングや折込広告、SNS、門配など一定期間集中的に実施し、レッスンのインスタは毎日講師が発信し続けています」（武田氏）

多面的なラインナップが集客面で大きな効力を発揮

英語個人レッスン

現在、武田氏は講師が積極的に運営のサポートをするスクールづくりに着手している。
「マンパワーで英検対策を行っている現状から、しっかりとノウハウを固めることが課題です。このモデルの構築によって、将来的に習い事のみの展開にも期待しています」
夏期や冬期に短期習い事スクールを受講し、そこから継続する生徒も少なくない。ニーズを丁寧にヒアリングしてオンライン英会話を提案することで、さらなる相乗効果が見込まれる。
「最近リリースされたゲームレッスンの体験授業も有効で、退会予備軍にも活用できます。また、今後に向けて英検対策の短期講座も検討中です。外部生の英検2次対策や全教室で楽しめるイベントも企画したいと思っています」（伊達氏）
英語教室を設計する上でOLECOの導入を検討する学習塾に対して、武田氏は次のようにアドバイスを述べた。
「もともと弊社は中学生がメインで、小中高の比率は3対5対2や2対6対2でした。いまは4対4対2の比率です。十数年前から小学生の集客に注力したことが功を奏しています。しかし、どんなに優れたコンテンツを導入しても、それだけで一気通貫できることはありません。習い事部門はかけ持ちで併用するケースも多いため、多面的なラインナップが集客面で大きな効力を発揮すると思います」