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2024年「すららネット」秋季セミナー
超少子化時代の学習塾経営

2024-12-02

どうすればいい?超少子化時代の学習塾経営

少子化が加速する中、学習塾経営が大きな転換期を迎えようとしている。AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材の開発・提供を行う株式会社すららネット(湯野川孝彦代表取締役、東京都千代田区)は、2024年「すららネット」秋季セミナー「どうすればいい?超少子化時代の学習塾経営」を10月5日(土)、12日(土)、19日(土)、26日(土)にオンラインで開催した。
4週連続で取り上げられたテーマの中から2つをピックアップ。ICT教材の効果的な活用法や新たな収益源となる事業展開の先進事例を紹介する。

ICT活用成功のための集団塾の組織作り
「~リード進学塾の7年の軌跡~ICT教材の活用で『結果を出す』組織は何が違うのか?」
プロジェクトリーズ 株式会社執行役員  西部 敏行 氏
「すらら」責任者 音羽校舎校舎長     古里 直嗣 氏

2024年夏季講習では過去最高の集客を実現!

弊社は岐阜県を中心に愛知県までを含め60以上の教場を展開する総合進学塾です。指導理念である「地域密着主義」「めんどう見主義」「合格請負主義」の下、幼児から高3まで幅広いニーズに対応。多種多様なコースを設定し、私教育だからこそできる場の提供、各地域の教育水準の向上と社会貢献を目指しています。
2010年頃から本格的に校舎展開し、2017年に「すらら」を導入。2020年、愛知県にも校舎展開5教場。先日の夏期講習では過去最高の集客を実現しました。(西部氏)

「すらら」を導入し、「反転授業」でコンパクトな授業が実現

(*1)「すらら」のレクチャー機能とは、「読み解く」だけの教材とは異なり、「見て」「聞いて」学べるのが大きな特長。キャラクターがプロの声優の聞き取りやすい声でアニメーションを使ったわかりやすい講義を行う。

(*1)「すらら」のレクチャー機能とは、「読み解く」だけの教材とは異なり、「見て」「聞いて」学べるのが大きな特長。キャラクターがプロの声優の聞き取りやすい声でアニメーションを使ったわかりやすい講義を行う。

弊塾での「すらら」活用成果と課題についてお話しします。
「すらら」導入前の1週間のスケジュールは、月曜日に授業、月曜日の宿題を火曜日に行い、水曜日に授業、その宿題を木曜日に実施し、自宅学習、金曜日に授業を行い、自宅学習を土曜日、日曜日は自由学習。時間割に詰め込むだけ詰め込んでいました。火曜と木曜はクラブ活動のため宿題が進まず、スケジュールの制約が生徒と講師双方に影響を及ぼしていました。成績を伸ばす上で重要な復習・反復練習が宿題のみに。さらに各講師の授業力や管理力による校舎格差も生まれるようになりましたが、講師への指導が難しい状況でした。
「すらら」導入後のカリキュラムは、「すらら」のレクチャー機能(*1)で、翌週の授業の予習をし(タイミングは生徒個人のスケジュールに合わせて調整可)今週はこういうことをやるんだと理解。教科書や塾の先生の解説は「すらら」に任せることで、授業がコンパクトになりました。水曜日に授業の復習をして個別学習、最後に確認テスト。講師の時間的余裕も生まれ、個々の生徒への対応や保護者への連絡、学力を上げるための個別最適化につながりました。(以下解説は古里氏)

■すらら導入後の変化

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①生徒の学習の変化
●「すらら」のレクチャーによる課題を1週間単位で出すことで、宿題を実施する時間を各個人のスケジュールに合わせることができ、自由な学習が可能になりました。
●「すらら」による導入→集団授業での復習①→演習・確認テストでの復習②という流れで一つの単元の授業・復習を最低4回、繰り返すため、知識・学習の安定した定着を図ることができるようになりました。

②講師の業務の変化

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●授業以外の業務時間を確保。個別指導、学習指導、生徒との対話ができるようになりました。
●提出・正答率・単元理解度の一覧化により、管理している資料等を保護者にすぐに見せることができます。課題はどれくらいできているか、どれが間違っているか、1問にかける時間もわかるため、生徒のモチベーションがわかり課題を話すことができます。
●生徒の理解度に合わせた授業計画を立てつつ、講師に余裕があれば個別に声をかけられるようになり、サービスを高水準で保てるようになりました。

DXを推進するための運営課題と解決策

「すらら」導入後から3年間の活用率をグラフにしたものです。すらら活用率で校舎間の格差が生まれ、成績格差にもつながりました。それをどう解決していったかを解説します。

■現場の意識改革と改善状況

校舎間の課題を全校舎で共有し、活用率の悪い校舎には呼びかけをし、講師・校舎の意識改革を図り課題達成立の改善に努めました。7年目4月に全体平均80%を達成しました。

●運営課題に対する解決策

・解決策① 課題達成率の確認・検証と情報共有
「すらら」運営会議(毎月1回)を実施。すららネット担当者1名、運営責任者1名、教科担当者2~3名で分析を行い、校舎ごとに問題点を吸い出し、問題解決方法の検討、スタッフ教育の有無検討や教育スケジュールを決定。各校舎でデータ・問題点の共有と業務改善の指導を行い、年1回全体会議で発表。
★大きな問題のある校舎には、個別に業務改善への指導および校舎視察等を実施(視察後の改善率は100%)。スタッフにはコンテンツ理解のための講習を実施。

・解決策② 対応能力が高い人を責任者として抜擢します
生徒・保護者が質問や不明点を確認し相談できるように、運営責任者を立てて質問先を明確化。わからないままにしないことを徹底。ICTが苦手な生徒・保護者・スタッフには不快感や苦手意識を感じさせない対応を心がけます。

・解決策③ トップが旗振りを続ける
どんなに力を入れてICT導入を行っても停滞期は必ず訪れます。なぜ停滞したのかを分析し次の機会に活かすことが大事。最も重要なことは導入教材の強みの共有、目的意識の共有、アップデートの共有が重要。トップ・運営メンバーが導入教材の強さを把握し、組織全体・保護者へ根気よく伝え続ける発信力が欠かせません。

■効果的な活用法について

●導入2年目のアップデート
検定取得の先取学習が可能に。無学年型の体系学習、好きな分野から伸ばしていけるため多様な使い道があります。

●導入3年目のアップデート
弊社では休校期間を設けており、長期休校期間中の家庭学習の進捗確認は休校明けに実施→改修・確認・添削作業等の手間で講師の時間が奪われます。また、生徒が学習を怠っている場合、学力低下を招く可能性があります。「すらら」導入後は、長期休校期間中の家庭学習に「すらら」を活用。実施時間・課題進捗をひと目で確認できるため、進捗状況が悪い場合に即座に警鐘を鳴らすことができます。

●導入4・5・6年目のアップデート
Eteエディター機能(*2)を活用することで、テストのDX化が実現。業務の削減とデータの収集が可能になり、CX(カスタマー・エクスペリエンス)の足がかりができました。Eteエディター×「すらら」による月1実施の塾内テストの様々な業務が簡単になりました。さらに、ICT化することにより学習登録ができるようになりました。

(*2) Ete エディター機能により、教師がオリジナルの問題を出題でき、紙を利用したテストの電子化や、採点の手間の削減、成績のクラウド上での管理ができる。

●すららでオリジナル単元テストのDX化に成功!
テスト後の振り返り学習の強化が容易に。各校舎の状況が可視化され問題点の早期発見が可能になりました。講師の役割がスリム化(各教場テスト運営→採点→集計→面談→復習管理)から、(一括課題登録→休校日の宿題/自宅学習日→面談)へ。自宅でテストできるので準備もなければ採点もなく面談が可能に。復習管理も「すらら」がやってくれるので、個々の生徒とのコミュニケーション向上に大きく役立っています。

より「個」に寄り添った展開を目指して

反転学習、理社の学習教科、さかのぼり学習へと進化してきましたが、今までの形ではカバーできなかった生徒層への対応が少しずつ現実味を帯びてきましたので、来年はそこに力を入れていきたいと考えています。弊社は、進学個別指導塾ですので、学校の授業よりも先の学習や自宅学習がある程度できる生徒対象のコース設計を主にしていました。今後は、「今まで学習塾を考えてなかったが、学力を向上させたい層の生徒たち」に、自立学習や学力に合わせたコース案内ができるように設計し、より「個」に寄り添った展開を推進してまいります。

フリースクールの新設
「~多くの子供達をハッピーに!~塾経営だけではもったいない!フリースクール併設で経営の安定化を」
株式会社 未来 代表  安部 映樹 氏
聞き手/株式会社すららネット マーケティンググループ 永田 加奈 氏

株式会社 未来 代表 安部映樹氏のご紹介

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2018年、長野県川中島で個別指導塾「学び舎かなえ」を開校。1 年目で100人ほど集まった。2019年に高校生校舎「かなえPLUS」と大人のカルチャースクールを開校。「すらら」を利用した出席扱い制度にも早くから着手。長野市民新聞にて「市内初!フリースクール内での定期テストの実施が認定された」として取り上げられるなど、地域のハブとなる取り組みにも従事している。2020年、中3専用の学習塾「かなえMiRAI」を開校。2021年、コロナ禍により不登校が激増(1.5倍)になり、一助になるよう通信制高校の「川中島高等学園」を開校。
中3生のその先をサポートすることができたが、義務教育の途中の子の手助けをしたいとの思いから2022年「フリースクール未来」を開校。2024年現在4校舎、進化し続けている(以下、敬称略)。
永田 「すらら」導入の決め手を教えてください。
安部 決め手は「すらら」の自由度の高さです。看板も屋号も自由、やりたいことができる教材だからです。
永田 エリア内の不登校生徒児童の当時の状況を教えてください。
安部 当時中1女子がクラス替えをきっかけに学校へ行けなくなりました。でも塾には喜んで来る。そういう子たちを救ってあげたいとフリースクールをつくりました。

多角化経営と売り上げ推移について

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安部 塾開校当時から、全国的な少子化で塾だけでは売り上げは右下がりになることが分かっていました。2021年、コロナの影響で集客が思ったほど伸びず、一方で不登校の子が増えたので4年目に通信制を始めました。塾の部門を見てもらうと1000万、2000万、2300万、ちょっと減っているでしょ。どんなに頑張ってもパイは減るので、通信制高校とフリースクールを重ねたことでトータルで売り上げを伸ばすことができました。売り上げがどうこうじゃなく、やっぱり子どものことが第一ですけどね。
永田 塾部門が横ばいでありつつ、通信制高校やフリースクールが新たな学びの選択肢になってきていると思います。複数校舎を何名の講師で回していらっしゃいますか。
安部 フリースクールは、川中島には3校舎あります。昼間は2名、夕方各校舎1名、最大でも3人で回しています。

フリースクールの開校から運営について
永田 フリースクール開校にあたって、何か許可が必要なのでしょうか。
安部 何もいりません。「やります」といえばOK。学習塾となんらかわりなく開校していただけます。
★補助金の一例 長野県「信州型認証制度」
今年の7月から、フリースクールを認証する制度が長野県で始まりました。東京都やその他自治体でも続々と認証制度、補助金制度がスタートしつつあります。長野県では、1年以上の活動実績があることが問われますので、これからやろうと思う方は、早く看板を掲げてください。実態があることが大事です。居場所型支援、学び型支援、いろいろあります。各自治体で認証制度が進んでいますので、早めに自治体にお問い合わせください。

塾とフリースクールの二毛作は相性がいい!

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永田 フリースクールの料金はどのように決められましたか?
安部 心配だったので3校くらい見学し、話を聞いてきましたが、弊塾が経営していた中3通い放題コースと同じ金額にしました。
永田 生徒は何時から来るのでしょうか。
安部 午前10時半から午後2時半、塾は午後4時から午後9時まで。途中、1時間半の休憩も。ただ、あくまでも表面的な時間です。塾もフリースクールもやることは同じなので、夕方から来る子もいます。フレキシブルに対応しています。

★不登校の対応:出席扱い制度とは
令和元年、文部科学省は「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」を出しました。この制度をご存知の方は増えてきたと思います。出席扱いの要件(7項目)を満たすと「出席日数」となります。「すらら」は延べ1700名以上の出席扱い制度に関わってきました。お力になれることがあるかもしれません。お気軽にお問い合わせください。

★出席扱い制度の活用について
永田 「出席扱いの」活用をどのような形で始めたらいいのか、また、採択率のお話をお聞かせください。
安部 保護者が担任の先生に、「フリースクールに通い、『すらら』を使っています」という旨を話します。最後は校長先生の判断であり、中には難しい先生もいましたが、今ではうちの生徒さんが通っている学校(全部で10校くらいありますが、)で認めない学校はゼロです。
永田 2024年8月29日、文部科学省が「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」を出しました。通達が出たことにより、成績評価をしましょうね、しないとダメなんですという形になり、学習塾においても家庭学習においてフォローして成績につなげることになりました。学習や進路について不安を抱える保護者はとても多い。ノウハウがある塾がフリースクールに併設することで学習や進路のフォローができることは大変な強みです。安部先生のところでご相談は多いですか?
安部 中学生はそれが一番ですよね。義務教育が終わるという焦りのある保護者は多い。弊塾は模試会場にもなっているので、保護者からの信頼も厚いです。進路も相談していただけますし、塾の機能そのものを活かせます。

★実際のすらら活用について
永田 先生のところでは、様々な工夫をされています。
安部 無学年式で学べる『すらら』は本当に相性がいいと思います。どこまでできているかを生徒さんと一緒にヒアリングして、学習開始箇所を決めることもありますし、生徒さん自身が「学びたい」と思うところを学習してもらうこともあります。その他、生徒さんがいつでも自ら学びたいときに学べるように、生徒一人ひとりに名前を書いたファイルを用意。「すらら」はまとめプリントがあり、手書きをするので、今日学んだ単元をまとめ、ファイリングできるようにしてあります。また、IDとパスワードのカードを2枚作成。塾用と家庭用で、いつでもどこでもどの端末からでもできるようにしてあります。
永田 空間づくりや、その他の取り組みについて教えてください。
安部 各校舎に大画面テレビを配置。保護者と生徒がパブリックビューイングでスポーツを観るなど、自由にくつろげる空間を基調にしています。1階には併設のカフェもあり、各部屋にピアノやドラム、ギターなどの楽器類もあり、居心地のいい空間が自慢です。

★未来創りチケット
この取り組みは、未来を担う子どもたちの健やかな成長を願う大人とのつながりをつくるものです。この趣旨に賛同した大人が食事チケット(1枚200円)を購入。1階にある「カフェ和」の店内に掲示。うちに通ってくる生徒さんたちはそのチケットを使って無料でおにぎりとみそ汁を味わうことができます。志望校に合格した子がバイトをして、最初のバイト代で1万円分もチケットを買ってくれたという素敵なエピソードもあります。
永田 普段、生徒および保護者と接するときに意識されていることはどのようなことでしょうか。
安部 一緒に夢を見つけ、語り合うことです。
永田 今後取り組んでいきたいと思っていること、目標を教えてください。
安部 あらゆる子どもたちがハッピーになれる居場所をつくりたいです。現在、放課後デイサービスを準備中。進学塾、フリースクール、通信制高校、放課後デイサービスの4部門を活かし、複合的な施設をあちこちにつくるのが目標です。

■お問い合わせ
株式会社 すららネット
マーケティンググループ 塾チーム
jyuku@surala.jp 担当:永田


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