全国模擬授業大会in 名古屋 教育の力2017
10月29日(日)、野田塾(小川英範塾長、愛知県津島市)主催による「全国模擬授業大会in 名古屋─教育の力2017─」が名古屋中学校・高等学校にて開催された。
北海道から九州まで全国各地より82名の塾講師がエントリーし、塾・教育関係者や生徒・保護者ら約300名の聴衆の前で熱い戦いを繰り広げた。
82名の講師が〝授業力日本一〟を目指す
野田塾主催の模擬授業大会としては7回目を迎える今回の開催にあたり、野田塾の小川英範代表取締役塾長は開会式の挨拶で、「自分が身につけた授業のスキルを、この模擬授業大会の場で全国の塾講師の皆さんに伝え、広げていってほしい」と述べ、「自他共栄の精神で塾業界を盛り上げていこう」とメッセージを送った。
式の最後には洛西進学教室の荻野晃平先生が選手宣誓を行い、戦いの火蓋が切られた。
今回の審査基準は、「指導内容」「わかりやすさ」「板書」「話法・雰囲気」「信頼感・清潔感」の5項目。
まずは部門別の予選が行われ、出場者は15分の持ち時間で渾身の授業を披露した。5教科に加えて設けられた「ルーキー部門」には、平成27年4月以降に新規採用された若手講師15名がエントリー。審査員陣から「相当レベルが高い」と驚きの声が漏れ聞こえてくるほど、クオリティの高い授業が多く見られた。各予選の上位1名とワイルドカード(各予選の2位から選出)1名が部門別チャンピオン決定戦へと進出。各会場には多くの聴衆が集まり、出場者のパフォーマンスにもさらに熱が入った。
模擬授業大会は、終わりではなく始まり
戦いの場をチャペルへと移し、各部門の1位(チャンピオン)から3位までが発表・表彰されると、会場からは大きな歓声が上がった。そしていよいよ、各部門(ルーキーを除く)のチャンピオン5名によるグランドチャンピオン決定戦へ。トップバッターの鈴木亮洋先生(理科・野田塾)は、ドップラー効果についてわかりやすく解説。歌声を披露するシーンもあり、会場が一体になり盛り上がった。
二番手の倉島浩先生(社会・中萬学院)は、ワイルドカードから勝ち上がった強者。電力問題など日本が抱える社会問題について熱く解説した。三番手は戸田有香先生(国語・洛西進学教室)。百人一首について、詠み手や撰者である藤原定家の「心」を深く読み解く授業は、15分とは思えないほど内容の濃いものだった。四番手は、井上淳司先生(英語・野田塾)。つまずく生徒が多い「to不定詞の副詞的用法」を明快な語り口でていねいに解説し、聴衆の心をつかんだ。
そして最後は、山田宗一郎先生(数学・むぎ進学教室)。数学の面白さ、わかる喜びを体感してほしい、という熱意の詰まった授業を披露した。
僅差の戦いを制しグランドチャンピオンに輝いたのは、戸田有香先生。準グランプリは、井上淳司先生が獲得した。結果発表時には会場が大きく湧き、この日のために努力してきた講師たちの思いも最高潮に達した。
表彰式・閉会式では、愛知県私塾協同組合の山田真司理事長が「先生方の授業に感銘を受けた。年々レベルが上がっている」と総評を述べた。一方で、「授業の質は高いが均一化が進み、個性が薄いようにも感じた」とも述べ、最後は戸田先生の快挙や決勝進出者の健闘を讃えた。続いて野田塾・小川英範塾長が登壇し、「この大会は、終わりではなく始まり。それぞれの現場でそれぞれの生徒のためにより良い授業・指導を行い、自分なりの〝かたち〟にしてほしい。そして、来年5月にまた会おう」と呼びかけた。
次回の大会は、来年5月27日(日)に栃木県の白鷗大学足利高等学校にて行われる予定だ(主催・開倫塾)。
若手からベテランまで、多くの塾講師の挑戦が期待される。
模擬授業大会in名古屋(主催・野田塾)
受賞者
- ■グランドチャンピオン
- 戸田有香 先生(洛西進学教室)
- ■準グランドチャンピオン
- 井上淳司 先生(野田塾)
- ■部門別チャンピオン
- 英語 井上淳司 先生(野田塾)
数学 山田宗一郎 先生(むぎ進学教室)
国語 戸田有香 先生(洛西進学教室)
理科 鈴木亮洋 先生(野田塾)
社会 倉島浩 先生(中萬学院) - ■ルーキー部門チャンピオン
- 吉田翔太 先生(練成会グループ)
- ■団体戦
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1位 野田塾
2位 中萬学院
3位 練成会グループ