次世代塾長沼津サミット開催「2020年に向けた学習塾の新たな挑戦!」英進館㈱・筒井俊英社長を囲んで学習塾の未来を語る
10月29日(日)午後3時から(株)メリック(森本一代表、大阪府大阪市)主催の次世代塾長沼津サミットが開催された。
参加者は学習塾次世代塾長及びそれに準じる方で原則50歳未満、ゲストに元栄光ゼミナール代表の北山雅史氏を迎えて10名の定員で行われた。
少子化などの影響で塾業界が厳しい環境に置かれている中、躍進を続けている英進館(株)(福岡県福岡市)の2代目、筒井俊英社長が講師を務め、参加者の質問に筒井社長が答える形でサミットは進められた。
冒頭、主催の(株)メリック・森本一代表は、「少子化など塾業界をめぐる状況が厳しい中、躍進している次世代を担う若き塾長、英進館の筒井俊英社長を招き、2020年の教育大改革をテーマに、それに向けた学習塾の対応策、そして新たなる戦略や挑戦を大いに語り合ってもらうサミットを企画しました」とその趣旨を述べた。
英進館は筒井俊英社長の代になって16年になり、売上げは当時の3倍弱にまで増えたとのことだが、その主な要因は、中学卒業後も高校生部門へ継続して通ってもらうような流れをつくり、高校生の生徒が非常に増えたことが大きいという。
「今中3の生徒は約6000名ですが、10年前も4500名ほどいました。当時も高等部はありましたが、その4500名のほとんどは高等部に通ってはくれませんでした。
高校生になっても英進館に通い続けるという流れをつくることによって、高等部の生徒数が大幅に増加しました。今の中3からの継続率は、東進衛星予備校など高校生部門のある校舎であれば80%近くになっています」
その応用で、私立中学受験をするクラスの小6も、中高一貫校に通いながら将来の大学受験を見据えて英進館に通い続けるという流れをつくり、功を奏している。
「以前は中学受験をするクラスの生徒は中学に合格するとほとんど退塾しましたが、今は約50%が継続してくれています。中学受験をしないクラスは最初から高校受験を目指しているので100%継続して欲しいのですが、80%強の継続率です」
「働き方改革」の質問に答えて、スタッフには休日出勤は絶対にさせず、午後10時15分には退社させるという原則は厳守しているとのこと。
「年間の休日は現在109日です。この5、6年で2日ずつ増やしました。異業種では115日、120日が当たり前ですから、110日くらいでないと社員の採用に非常に苦戦します。
本当は交替で休みをとるようにしたいのですが、現場から『交替制にするとなし崩しになる』と言われ、実行していません。ただ気になるのは、授業が終わったあとの大事な生徒とのコミュニケーションの時間がとれないことです。売上
げは見かけ上問題ありませんが、この1〜2年退塾が増えていると感じています」
そのほか、年に2回の全体会議で全員が集まり、各々の部署やエリアを見える化し、部署やエリアを越えた情報の共有を行っていること、すでにアクティブ・ラーニングを授業に取り入れていること、ICT化の準備を進めていること、学校や教育委員会からの仕事の依頼が増えたことなどについて、筒井社長は惜しげもなく詳細に語ってくれた。