第48回青木経営フォーラムin兵庫三田 特進館学院で開催
エース教育総合研究所(青木清理事長)主催の青木フォーラムin 兵庫三田が11月12、13日の両日、特進館学院(北村昌弘代表)で開催された。年に2回、業績が伸びている学習塾を訪問して行われるこの勉強会は今回で48回目を迎える。会場となった特進館学院は総面積1200平方メートルと地域でも最大級の広さを誇り、うち65%を自習空間に充てるという大胆な造りで参加者らを圧倒させた。青木理事長は「この素晴らしい教室はプロの設計者やデザイナーの知恵をいっさい借りず、全て北村代表のアイデアでつくりあげたもの。北村代表が考える新しい塾経営のあり方をぜひとも学んで帰ってください」と挨拶した。
新教室のコンセプトと新しい塾経営のあり方
特進館学院・北村昌弘 代表
■新教室のコンセプト
この教室の設計は全て私一人で行いました。コンセプトは「生徒を集める塾」ではなくて「生徒が集まる塾」。とにかく他塾とは徹底して差別化しています。
まずは駐車場完備の広大な敷地。敷地は4500坪、建物だけでも1600坪あります。弊社だけでは大きすぎるので、100円ショップとスーパーマーケット、そして弊社の3社でシェアしています。内装にも徹底的にこだわりました。生徒がゆったりとくつろげる広いホールや多彩な自習ブース、図書コーナーやカフェテリアなど、快適な学習空間となっています。
「『特進館でないと自習できない!』という子をつくる!」という意気込みでフリースペースはわざと広めにとっています。フリースペースの一角にあるパズルや学習系の玩具を置いたTOYコーナーやボルダリングウォールは授業の合間や自習の休憩時の気分転換として利用されています。
チラシなどに利用する教室内の見取り図は「ワクワク感」が出るよう遊園地のマップを意識して作りました。
「授業さえよければ!」という塾もあるでしょうが、それは時代遅れです。
授業が良いのは当たり前。レストランやカフェも雰囲気や食器がイマイチなら料理の味も半減してしまうように、視覚に訴えることは非常に重要です。
実際、見学に来られた方の多くがその場で入塾を決めてくださいます。
ただし、即決される方には「ぜひ他の塾もご覧ください。見学や体験授業を経て、他塾と比較された上で決めてください」と一度は帰っていただきます。
入塾後、「やはり他の塾の方が良かったのでは?」と思われるくらいなら先に比較してもらう方が良いとの考えからです。それでも9割超が入塾へつながりますし退塾者はありません。
「マネしたいけど、そこまでお金をかけられない」という塾も多いでしょう。それなら塾内をピカピカにするだけでもずいぶんと変わります。当塾では毎日生徒が帰った後、机とテーブルをアルコール消毒しています。トイレも裸足で入れるほど掃除は徹底しています。
■新しい塾経営のあり方
私が「大手」だと考える塾はM&Aの対象案件として扱われる、生徒数3000名以上、年商10億円以上、営業利益1億円以上のいずれかの要件を満たす塾です。これら大手塾はブランド力、カリキュラム力、システム力、学校とのパイプなどの強みをさらに強くアピールし、弱みを強みに見せることです。例えば講師の力量差は授業の見せ方を工夫、多人数指導によるコミュニケーション不足には自習室を充実させ多角的に生徒と接触を図るようにします。若い講師は生徒や保護者から不安に思われるケースもありますが、スーツではなく白衣を着ると貫禄を醸し出し効果的です。また、塾経営においては1人の社長の目が行き届くのは社員20名まで、1人の専任講師は生徒50人まで、1人の社員に対する売上は2000万円、利益は売上の1割というのが私の考える目安です。これを超えていると、どこかに無理が生じているはずです。そして1割の利益確保が企業存続の最低条件だと思っています。
一方、中小塾では中小塾だからこそできる戦略があります。中小塾の強みは塾長の教務力、少人数指導、地域密着度、専門性の明示、相対的低価格などです。大手塾の強みは中小塾にとって全てが「弱み」になりますが、これを強みに変えることは非常に難しいため、弱みを認知した上で「大手にはできないこと」「中小塾の強み」だけをひたすら訴えましょう。
今や個別塾・集団塾という区別はなくなりました。あるのは「良い塾」と「そうでない塾」だけです。選ばれる塾になるため、自塾のブランティングをしっかりとやっていきましょう。
地域に根ざした塾のあり方
特進館学院・ 野垣勝彦 塾長
高校入試は地域差が非常に大きな入試です。当塾周辺の公立高校では上位2校と3位の偏差値の差が10以上あり、国公立大学の合格者数も10倍の開きがあります。そのため「なんとか上位2校に!」という生徒や保護者の思いも強く、当塾では開塾当初から上位2校への合格に特化した戦略をとってきました。
公立高校入試では内申点として通知表の成績が大きく影響します。通知表は定期考査の点数で決まると考えるでしょうが、実はそれだけではありません。
例えば日頃の提出物は丁寧な字で誰よりも早く提出すること、授業でわからないことは勇気を出して質問すること、ノート写しに専念するのではなく顔を上げてしっかり授業を聞くこと、などです。学校の先生は「頑張っている生徒」を高く評価する傾向があります。テストの点数が多少低くても「この子は普段頑張っている」と思えば一段階上の評価がもらえることもあるのです。
また、兵庫県においては内申点に占める割合が主要5教科より副教科の方が高く設定されています。「受験には関係ないから」といい加減な態度ではなく、課題作品やマラソン大会なども手を抜かず全力で取り組むよう指導しています。
電子ボードが授業を変える
当塾では全教室に電子ボードを採用しています。子どもたちにとっては当たり前のことで特に戸惑いはないようです。対応するテキストも多くあり、問題文を映し出すだけでなく、文章の一部を虫食いにしたり、ネイティブ英語の発音を確認したりすることもできます。板書時間の短縮により授業のスピードが上がっただけでなく、非常にテンポよく進められています。ノートを取るための時間は別に設けております。また、時には「Kahoot!」という4択早押しクイズができるWebサービスを利用した小テストも実施しています。ゲーム感覚でできると生徒たちには大変好評です。早く回答すればするほど得られるポイントが高くなり、1問ごとにリアルタイムで1〜5位までの順位が表示されるため盛り上がります。ご参考になれば幸いです。
青木経営フォーラムin 兵庫三田
全講演収録ビデオ& 資料電子データ
セミナー当日の臨場感あふれるビデオと当日配布資料の
電子データをご提供します。価格は税込27,000 円
お申し込みは、塾と教育社☎︎ 03-6265-6855(加藤)