AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報第11回
「全国学習塾協同組合IT導入補助金コンソーシアム」を立ち上げる
昭和40年代の後半から、学習塾が急激に増えだした。そして昭和50年代、乱塾という言葉が飛び交ったように、塾ブームが全国に広がった。
それから40年経った。塾は集団指導から個別指導が中心になり、第2次ベビーブームの子どもたちも社会の中堅を担うようになり、今や急激な少子化の時代に突入しかかっている。
あちらでもこちらでも生徒減と講師不足で慌てている。生徒減は出生数が少なくなりつつある現状から予測した塾経営者も多かったようだが、講師不足が深刻化し始めるとは思ってもみなかったようだ。
他の業種でも求人難で打開策がないと頭を抱えているところも多い。政府は先日外国人労働者の受け入れを、技術職だけでなく、肉体労働などにも大きく広げる施策を打ち出した。
その一方で、生産性向上のために、経済産業省が中心となって「IT導入補助金」を学習塾にも拡大、500億円規模で募集を開始した。人手不足をITツールを活用して今まで以上に経営効率を上げる狙いがある。
当組合でも企業に呼びかけて、「全国学習塾協同組合IT導入補助金コンソーシアム」を立ち上げ、多くの学習塾の方々に利用してもらいたいと、現在準備中だ。塾で利用できるITソフトを集めて、補助金を利用して価格の2分の1で購入できるチャンスだと考えている。支援事業者にも呼びかけ、学習塾にもITを導入した事業計画を立てて、ソフトを半額で購入できることを広く周知していく。
関西支部を4月24日に立ち上げた後、6月19日に引き続き経営に役立つセミナーを実施した。これからの塾経営にプラスになる企画を次々に打ち出していく予定だ。
6月12日に米朝首脳会談がシンガポールで行われた。画期的なことだ。
南北朝鮮半島の緊張感が薄れることで、次は米軍の縮小、撤退の動きや、南北の統一の話題が出てくることだろう。世の中の変化は予測を大きく越える。まさかベルリンの壁があんなにもろく壊れるとは、まさかソ連がロシアといくつかの国に簡単に分断するとは。
韓国で英語に次いで学ぶ外国語が、日本語を抜いて中国語になった。アジアの中で中国の影響がもっと大きくなってくるのだろうか。
日本語を学んでいる学生の数は、中国が一番で、二番目がインドネシアだそうだ。
アメリカが広い太平洋の彼方に少しずつ撤退していくようだと、日本の立ち位置はどうなっていくのか。そして日本の子どもたちの教育は未来を見据えてどのようにしていけばいいのか。
これからが正念場だ。
世界経済はアメリカのブロック経済のごり押しで大揺れだが、教育の世界も言語の学習も、あらゆるものが混とんとした動きを始めかけている。新しい秩序がどの方向に向いていくのかしっかり見極めて、間違いのない対応をしていきたい。