持続可能な社会を考えるための66冊 教育から今の社会を読み解こう
小宮山博仁 著 明石書店 刊 2,240円(税抜)
今また教育改革のことが話題になっている。2020年から小学校にプログラミングが導入され、英語も本格的に学ぶことになった。
大学入学共通テストの英語民間試験と国語・数学の記述式問題が頓挫したが、論理的思考能力・問題解決能力・コミュニケーション力・非認知能力を意識した教育は実行されていくであろう。なぜなら、OECDを始めとした世界の多くの国は、PISAが考えている能力や教育政策に共感しているからである。
今回の日本の教育改革は、OECDのPISAの影響を強く受けていることを忘れてはならないだろう。日本だけの教育改革ではないところが、今までとは違っていることは明白である。5年ほどの幅はあるかも知れないが、多くの国ではOECDの教育提言を参考にして、教育制度や政策を見直してくると思われる。
グローバルなレベルでの教育改革が始まろうとしているが、なぜこのようになってきたのかを理解するキーワードは「持続可能な社会」と「SDGs」である。教育とこれら2つのキーワードの関係を、時系列にロジカルに教育から光を当てて考えてみた本である。
書評を集めただけの本ではない。これからの社会のこと、教育のことを知るための入門書である。道案内をする本と考えてもよいだろう。
さらに興味を持たれた方は、紹介した本をぜひ手にとってみてほしい(原則として書店で手に入る本を選んでいる)。