書いて心を整える『論語』
<生き方編><感謝編>
西口正監修 主婦の友社刊 各1,100円(税込)
新学フォーラム・西口正代表が監修。
7月31日に発売。
とかく論語は、敷居が高くて難しいとのイメージがあるが、この本は中高生から大人まで、誰にでもとっつきやすいように、わかりやすく簡潔な言葉で解説されている。
論語の言葉を、意味を考えながら、1日1ページずつ声に出して読むと、知らず知らずのうちに頭に残る。声に出して読んだあと、お手本を見ながら何度も書く形式になっている。鉛筆やペンで何度も心を込めて書くことで、次第に美しい字が書けることを目指しているという。
「生き方編」は、人が生きていく上で、大切なことがよくわかり、考える力を付ける本で、「感謝編」は、人生のいろいろな局面で進むべき道を示し、心の支えになる本。
この本で学んだことは、人生の節目節目で自らの生き方を支え、勇気を与えてくれる。
そして、心の糧として「より良い人生の道しるべ」となってくれるだろう。
「十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲するところに従えども、矩を越えず。」は、『論語』の中でもあまりにも有名な名言だが、孔子自身が自らの人生を振り返って述べた言葉だ。
これを読んで意味を深く理解できれば、高校受験を迎える中3生は、自らの意志で勉強をしようと決意するかもしれないし、迷ってばかりいる20代、30代の塾講師は「孔子様でさえ40歳で迷わなくなったのだから、自分が迷うのは当然」と思えるかもしれないし、自分は人間ができてないなと思う人も、「孔子様でさえ70 歳で人格が完成されたのだから、自分はまだまだ…」と思えるかもしれない。
「民はこれによしらむべし。これを知らしむべからず。」(為政者を信じついていこうと民に思わせることが肝要だ。政策を理解させる必要はない)、「後世畏るべし。」(若い者を侮ってはならない)、「過ちて改めず、これを過ちという。」(過ちを犯したのに改めない。
これを本当の過ちというのだ)など、含蓄ある名言が満載の『論語』。
『論語』を通して大きな勇気を与えてくれる本書は、教育関係者には特にお勧めだ。