できちゃいました! フツーの学校
富士晴英とゆかいな仲間たち 著 岩波ジュニア新書 946円(税込)
著者の富士晴英氏は、宝仙学園中学校・高等学校の校長先生。学校に勤務する前は学習塾の講師をしていたという。生徒の自己肯定感を高め、一人ひとりが主体的に学ぶことができる場はどうすればできるのだろう? 教員たちと生徒たちみんなの創意工夫でこんな学校ができたと紹介するのが本書だ。
本のタイトルにある「フツーの学校」とはどんな学校か? ひとことで言うと、特別な生徒や教員がいるわけではない学校だ。例えば、東大や京大に毎年何人も進学する超進学校でもなく、エスカレーター式に有名大学に進める付属校でもない。スポーツ伝統校でもない。12 歳から18 歳までの多感な年齢の生徒たちのちょっと複雑な、フツーの成長過程を見守ってやろうかという教員と、そういう教員の思いを受け入れてみようかという生徒たちのストーリーが、日々展開されている学校、つまり、全国どこにでもある学校だ。
校長先生からのメッセージは、「しくじりOK!さあ、やってみようよ!」「偏差値より学習歴!」「自己ベストの更新を目指そう!」。
教育関係者のみならず、子どもたちにも読んでもらいたい1冊だ。