GDW 興国論幸福度世界一の国へ
下村博文 著 飛鳥新社 刊 1,540円(税込)
著者の下村博文氏は、学習塾経営の経験がある衆議院議員で、元文部科学大臣。
現在は自民党政務調査会長を務めている。9歳で交通遺児となり、苦学の末政治家になった下村氏が書き下ろした初の日本論が本書だ。
「あとがき」で下村氏はこう述べる。
「GDPの成長という従来の政治目的化された価値観は、これからのコロナ時代にはもはや通用しない概念となる公算が大きい。GDP復活には何年かかるか分からないし、そもそも、GDPだけで人は幸せに生きていけるのだろうか。そう考えた時に、GDWと「啓育(けいいく)」という視点からの経済政策、つまり、能力を啓くことによって、自ら付加価値を生み出すような人材を育成し、労働生産性を高めていくことが必要になる。人材育成への投資拡大の動きは、各国で見られる。最も遅れているのは日本で、日本企業が世界で最も人材育成にお金をかけていない。人材投資を拡大しなければ、労働生産性を高める働き方改革を進めることは難しい。」タイトルにある「GDW 興国論」とはこのような意味を持つ。
「コロナ時代をどう生きるか」「ポスト・コロナの日本と政治」「我が経済成長戦略」「私の幸福論、そして教育論」「世界の中の日本」「自由民主党という政党」「憲法改正の必要性」「安倍晋三内閣総理大臣と大いに語る」と、その内容は多岐にわたっているが、今後の日本と世界のことを考えると、どうしたって大きな課題が山積していることに気づかされる。
今後の子どもたちの教育、そして塾運営にもヒントになることが満載されている。