子どもを育てる 魔法の言い換え辞典
江藤真規 著 扶桑社 刊 1,540円(税込)
コロナ禍のなか、子どもと親がともにすごす時間が多くなりました。
それ自体はすばらしいことなのですが、親も在宅勤務だったりしますし、家事も忙しいし、すべての時間を子どもに振り向けるわけにはなかなかいきませんよね。
ところが、子どもはこちらの都合などおかまいなしに行動しますから、親のほうはついイライラさせられてしまい、きびしい言葉で叱っては後悔する、などということも多いのではないでしょうか。
実は、これがつづくのは、大きな問題です。子どもは大好きな親とのあいだに距離を感じ、関係性を見失い、顔色をうかがったり、その結果また親に迷惑をかけたりといったことにもなりかねません。
そこで手に取っていただきたいのが、『子どもを育てる 魔法の言い換え辞典』です。
イライラして言ってしまいがちな親の言葉をシチュエーション別に網羅。それをポジティブな語りかけに変換します。感情的に叱りつけるのではなく、親の気持ちを適格に伝え、なぜいけないのかを考えさせ、自分で問題を解決する方向を示してあげるのです。
たとえば、こんな感じです……
「うるさい!」と叱るのではなく「ちょっと聞いてくれる?」と会話に引きこむ。
「口ごたえしない!」と抑えつけるのではなく「あなたはそう思うのね」と認める。
「間に合わないよ!」と急かすのではなく「○時までにできるかな?」と自主性を促す。
要は、子どもが自主的に動き出せるように導くこと。そうすれば、子どもが育ち、親の側のイライラも減り、よりよい親子関係が築けるでしょう。
子育ては、いつも暗中模索。思ったとおりにならず、悩んでしまう親御さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、子どもを育てるのといっしょに、親もまた育ちます。ネガティブな感情に流されず、前向きな気持ちで子どもと過ごしたいもの。この本は、そんなみなさんの大きな指針になると思います。親子のコミュニケーションを大切に考えてきた著者の知恵が詰まった1冊です。ぜひ本書をひもといて、毎日の子育てをポジティブに変えていきましょう。