算数ってなんで勉強するの?詰める力とかわす力
子供の未来を考える小学生の親のための算数バイブル
入吉弘幸 著 論創社 刊 1,980円(税込)
著者の入吉弘倖氏は、株式会社Universal Education Planning 代表取締役。首都圏大手進学塾で28年間教鞭をとり続け、算数・数学講師として私国公立難関中学、高校受験に精通。のべ1,000人を超える児童・生徒を難関中学、高校合格へと導いた実績をもつ。
本書では、算数の学習に興味を持っている人だけではなく、我が子の算数の学習に不安や悩みを感じているお父さんやお母さん方に、著者の経験が少しでも役立ててもらえるように書かれている。算数が嫌いになる原因として、著者は次の3つを挙げる。
① 成功体験による心地よさが得られていない
② 複数の失敗体験によって道をふさぐ経験が繰り返される
③ つながった道に適度な深さがない
もちろんその要因別にどのようにすればいいかのヒントも掲載されている。
第2章は、「詰める力」と「かわす力」。基本の定着を積み上げ、太い道をぐいぐい進んで答えにたどり着く力を「詰める力」と呼ぶ一方で、いくつかの道を目の前にして、先を予測し、このバイパスを使ってより早く正確に課題を解決する力を「かわす力」と著者は言い、詰める力とかわす力の育成によって算数はどんどん面白くなっていくという。
主に保護者向けに書かれたものではあるが、塾の先生方にとっては算数指導のヒントがたくさん得られる1冊だ。