眠れなくなるほど面白い 図解 数学の定理
教育評論家 小宮山博仁 監修 日本文芸社 刊 990円(税込)
エビデンスという聞き慣れない用語や、推測統計学もとにしたコロナ感染拡大の数字が連日、目や耳に入ってきて今もその状況が続いています。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけにエネルギー価格が上昇し、為替が急激な円安に下振れし、ガソリンや身近な食料品を中心に物価の値上がりが顕著です。これから先の経済に不安を感じる市民も多くなってきたのではないでしょうか。
このような時代で生きていくためには、我々もそれなりの装備が必要になってきます。これからの経済の動きや新型コロナ感染症の現状を正確に知るためには、確かな情報、すなわちエビデンスが必要となってきます。今の感染症拡大予測は、残念ながらほぼその通りになってしまいました。
ウイルスの伝わり方や広まり方の予測は、スーパーコンピュータ富岳などを使っています。ある程度のデータが集まると、推測統計学の手法などで専門家は的確な予測をします。この統計学は確率と微分積分を利用した学問で、ここ10年で急速に発達した分野です。また、エビデンスにもとづいた情報を仕入れ、それをもとにして、自分で考えて行動しなくてはならない危険な状況下であるのが今の日本です。
できるだけリスクを避けるための行動をとるには、ロジカルな発想が役立つことは言うまでもありません。そのロジカル(論理的)な発想のトレーニングは、数学の定理を学ぶのが早道の一つです。手に取って、チャレンジしてみてください。