Solution with Bit Campus CASE 2
総合学習室アビリティ
日常のリスク管理が非常時に生徒と塾を救う
東日本大震災により、多くの塾が長期休講を余儀なくされた中、福島市の総合学習室アビリティは、いち早く授業を再開した。
緊急事態にいかに対応したのか、佐藤朋幸塾長にお話を伺った。
さらなる活用法を学ぶためセミナーに足を運ぶ
福島市の総合学習室アビリティでは、「人は誰でも、無限の潜在能力(ability)を持っている」という理念を軸に、生徒のメンタル面にはたらきかけ、潜在能力を引き出すことを目指している。初等部、中学部、高校部からなり、一貫教育プログラムにより難関大学への合格までサポート
アビリティでは8年前から「ビットキャンパス」を導入し、メール機能「ビットメール」を中心に活用。社内での情報共有のほか、生徒・保護者とのコミュニケーションにも広く活用してきた。「ビットメールは安全性も高く、電話やファックス以外の連絡手段という点でも、非常に有効だと感じてきました」と、佐藤塾長はビットメールを高く評価している。
ビットキャンパスの機能拡充にともない、さらなる活用法を学ぶため、佐藤塾長は、ティエラコムが主催するセミナーや研修会に頻繁に足を運んでいた。
パンデミック対策事例を震災時の休講対策に応用
2011年3月11日、東日本大震災が東北地方を襲った。授業開始前であったため、幸いにもアビリティの教室に生徒はいなかった。しかし、大きな揺れの影響で、福島市内のライフラインは止まった。停電は3、4日、断水は1週間ほど続いた。固定電話はつながらず、携帯電話もつながりにくい状況の中、佐藤塾長は生徒や保護者に向けて、ビットキャンパスで情報を発信し続けた。
「安否確認、休講情報、お見舞いからライフラインの回復状況まで、ビットキャンパスを使って、こまめにメールを送りました。後日、保護者の方からは有り難かったとお礼を言われました」
しかし、授業再開のメドは立たなかった。原発の影響もあり、街を離れる生徒もいた。生徒に勉強の空白期間を作ってはいけないという使命感、経営面の不安など、さまざまな思いが入り交じった。そのとき、佐藤塾長の脳裏に浮かんだのは、かつて参加したティエラコム主催の「パンデミック対策セミナー」だった。セミナーは、新型インフルエンザ蔓延時の休講対策として、ビットキャンパスの「映像授業配信」機能を使い、授業の映像、プリントを家庭に配信するという内容だった。震災時にも応用できると、佐藤塾長はセミナーの資料を探し出し、すぐに行動に移した。
早期の高品質なサービス再開により退会者ゼロ!
そこから、スタッフ総出の試行錯誤が始まった。ビデオカメラの前で実際に授業を行い、録画した映像を編集し、ビットキャンパスにアップロードする。授業を受けるのに必要なプリント、生徒に向けた学習指示書も配信した。「セミナーで具体的な方法を聞いていたので助かりました。とはいえ、慣れないことばかりで、運用までは本当に苦労しました」
震災から2週間後、映像授業により塾が再始動した。ビットメールで連絡を受けた生徒は、自宅からビットキャンパスにアクセスし、学習指示書にしたがって映像授業で学習を進めた。「こんな非常時に勉強なんて…という生徒や保護者の声があるのではないか」と佐藤塾長は心配したが、実際に届いたのは「支えになった」、「心強かった」という感謝の声だった。その結果、震災後の退会者はゼロ。早期の高品質なサービス提供が、生徒と塾を救った。
震災時に培ったノウハウを活かし、現在では、休んだ生徒の補習や引っ越した先でもアビリティの授業を受けたいという生徒に向けて、授業映像の配信もしている。
最後に、佐藤塾長は今後の抱負を語った。「塾のスタッフの本来の仕事は、生徒と向き合うこと。ビットキャンパスはそのための時間を生み出すツールだと考えています。ビットキャンパスの機能をさらに活用し、事務的な業務の効率化を図っていきたいと思います」