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著作権を考える

第1回教育現場での著作権

『著作権』を考える6回連載のスタートです

みなさんこんにちは。株式会社ブルームーンの阿南です。当社は、塾・予備校で使用する「教材」や大学が出題した「入試問題の2次利用」に関する著作権処理(利用許諾申請の代行及び利用料支払い代行業務)を行っています。年間処理件数は、主に英語を中心として国語、図版など約3,000件を処理しています。

昨今、著作権(知的財産権)に対する世の中の注目度は高まる一方です。著作者(作家)の作品を利用する側は、求められる様々な条件を遵守し、適法に利用しなければなりません。それが、著作権法の精神である「著作権者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する」ことに合致するものであると思います。

そこで、6回にわたり『著作物の利用上の諸注意』という観点から、主に塾・予備校というフィールドで、今、何が行われ、今後どのようなことが予想されるかを一緒に考えて行きたいと思います。

第1回目は『著作権とは何か』について、小説を補助教材として利用することを想定し、著作物を塾・予備校で利用する場合には、事前にどのような手続きを講じなければならないのかを見て行きましょう。

《対応①》の問題点

作品のたて書き・よこ書きや、旧字体・新字体など著作者は強い「こだわり」を持っているかもしれません。そのような作品を著作者に無断で「たて書き」を「よこ書き」に、「旧字体」を「新字体」に変え補助教材として使用してしまったことを著作者が知った場合、著作者は著作権法上認められている著作者人格権(著作者が死ぬまで専属的に著作者に帰属)に基づき、抗議を申し立てる可能性があります。つまり、著作者の「意に反する」改変が行われた、と著作者が主観的に認識するのです。著作者人格権については次回、解説したいと思います。

適正な対応は……、もちろん《対応③》です。

著作者(または著作権継承者)や書籍の出版元である出版社に対して、その作品をいつ、どのような方法・形式で、何人に配布するのか、料金は徴収するのか等々について申請し、その利用許諾を事前に得なければなりません。中学、高校そして大学の入試過去問題を利用しようとする場合は、上記《対応③》で明記した許諾申請先の他に、各中学、高校そして大学にも利用許諾の申請を行う必要があります。なぜなら、入試問題は出題した中学、高校そして大学の著作物でもあるからです。

《対応②》の問題点

補助教材として書籍の一部をコピー( 複写)し生徒に配布した場合に、著作権法上保護されている著作者の複製権と譲渡権を侵害している可能性が出てきます。配布する生徒の人数の多寡は関係ありません。たとえ一人であっても、無断で著作物を複製する行為が問題となるのです。

今回は、第1回ということもあり極めて概括的な話をしました。いかがで しょうか。著作者人格権、複製権や譲渡権など耳慣れない用語もあったかと思います。

次回は、『著作権者に与えられる諸権利』と題して、著作権者にはどのような権利が与えられているのかを紹介します。

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電話番号:03-6447-4040
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