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創造的な思考力を育成するロボット・プログラミング学習キット 「KOOV(クーブ)」

2018-11-01

株式会社 ソニー・グローバルエデュケーション
(東京都品川区)
礒津 政明 代表取締役社長

礒津政明 代表

礒津政明 代表

「2016年、文科省から小学校段階のプログラミング教育の方針が学習指導要領で示されたとき、学校や塾の教育現場は相当混乱したのではないでしょうか。しかし、実際には、コーディングなどの技能や科目としてのコンピューティングは見送られ、代わりに「プログラミング的思考」が採用されたことで、現場の先生の負担が大きく増える心配はなくなりました。指導時間が不足しがちな日本において、既存科目を拡張する形で緩やかにプログラミング教育を導入でき、理想的な形といえます」。
こう語るのは、文科省のプログラミング教育における有識者会議でも委員を務め、「プログラミング的思考」を提唱した(株)ソニー・グローバルエデュケーションの礒津政明社長。プログラミング教育について詳細を伺った。

「プログラミング的思考」とは何か

─「プログラミング教育」と「プログラミング的思考」は何が違うのでしょうか。

プログラミング教育の意味するところは非常に広く、解釈は様々です。あえて定義するとすれば、プログラミング言語の習得ということになります。プログラミング言語には多くの方言がありますが、共通しているのは、曖昧性を排除した極めて論理的な言語である、ということです。つまり、プログラミング教育は論理的な言語の教育であるわけです。
国語や英語などの「自然言語」は、とても曖昧です。豊かな表現力があると同時に、解釈の余地が大いにあります。
一方で、算数・数学は厳格にモデル化された論理的な言語です。物事を抽象的な断面で切り取り、記述した内容は一意に解釈できる性質があります。プログラミング言語は、「自然言語」に対して、「形式言語」と呼ばれるように、数学的な内容も含めて物事のモデル化を得意としています。自然言語の柔軟性と論理的な言語の厳格さを合わせ持つ万能な言語がプログラミング言語で、その考え方がプログラミング的思考です。

─「プログラミング教育」というと「論理的思考力」というキーワードが目に付きます。教科学習の中でもこれまで十分に語られてきたはずなのに、プログラミングで培われる独自の能力があるのでしょうか。

繰り返しますが、プログラミング教育の本質は、より正しい言語教育への回帰です。論理的な考え方は国語や算数・数学という基本的な教科において十分に育成されるものです。一方の「プログラミング的思考」では、やり直しの効くアプローチを習得することが特長的な部分です。失敗しても良い、というマインドセットは、プログラミング的思考により特に培われる創造性の一つであると考えます。

創造的な思考力を育成するロボット・プログラミング学習キット「KOOV」

KOOVで楽しく学ぶ子どもたち

KOOVで楽しく学ぶ子どもたち

─ソニー・グローバルエデュケーションは、2017年にロボット・プログラミング学習キット〝KOOV(クーブ)〟を一般向けに販売開始し、今年から〝KOOV for Enterprise〟を学校・学習塾市場向けに展開していますが。

KOOVは、一般の方がイメージするような画面上だけで完結するプログラミングではなく、実際にロボットを動かしてプログラミングを行います。小学生の段階では画面に閉じ込められた世界では想像力を働かせるのが難しいですが、手にとって動かして結果を確認できるのは理解がしやすく、また周囲から見てもひと目で学習内容を把握できます。さらに中学・高校生になると、電気やメカの学習にも発展させることができます。より現実的な世界と結びつけた形でプログラミング学習をでき、創造的な思考力を養うことができるのが、ロボットを使う大きなメリットです。

─先行導入している文京区立湯島小学校では、プログラミングは全く未経験の道徳の先生が、わずか1カ月の準備期間でプログラミングの授業を受け持つことができています。

指導者へのトレーニング時間が圧倒的に少なくて済むのはKOOVの大きな特長です。公立小学校の先生方の限られた準備時間でも問題なく授業は進められますし、学習塾でも素早く全国一斉展開できた事例があります。指導者も生徒も直感的に扱うことができるという教材の特性をよく表していると思います。
プログラミング教育においては、従来の教師の役割が根本的に変わってしまうことを理解する必要があります。

─具体的にはどのように教師の役割が変わるのでしょうか。

現代的な教育のあり方として、生徒が自発的に学ぶアクティブラーニングが注目されています。これはプログラミング教育に限らずに通用するもので、授業の中で一つの目的を遂行するプロジェクトベースの学び方になります。プロジェクトベースの授業になって先生が戸惑うポイントは、〝予測不能〟であることです。授業が進行すると、アイデアや作業が発散した状態になり、慣れない生徒は混乱します。そこを、あたかも予定調和の授業のように、ファシリテータとして収束させるのが先生の本当の役割です。KOOVでご提供している教材は、個別指導でも、大規模一斉授業でも使えるように工夫しています。さらにアプリ上で独学できる60時間分の学習コースは、予測不能な授業に飛び込む前の準備体操として、また授業では物足りない生徒のフォローアップ学習として、機能しています。

幅広く多様性を表現できる教材選定を

プレゼンテーションをする子ども

プレゼンテーションをする子ども

─ロボット・プログラミングは、受講した子どもたちの満足度が高い反面、楽しかっただけで終わってしまう危惧が保護者にあるのも事実です。学習効果の側面からプログラミング教育をどう捉えるべきでしょうか。

まず、勉強はつらいものである、という考え方は捨てたほうがいいです(笑)。
来たるべくAI時代には、つらいことはどんどんコンピュータが助けてくれるので、人間はより創造的な活動に時間を費やすことができます。経験して楽しい、というのは子どもがその活動にのめり込みそうというシグナルです。のめり込むことができるのは、ある種の才能なので、効果測定の前にすでに結果が出ていると言っても過言ではないです。とはいえ、一般的には何らかの形で評価できないと教育現場も保護者も納得させることはできません。
一つのわかりやすい方向性は、生徒が生み出した創作物のポートフォリオです。創作物には、アイデアが生まれ、形になる経緯や試行錯誤の過程がすべて詰まっています。このため、機械的に○と×で評価できるものでなく、十分な時間をかけて、時にはプレゼンテーションで思いを確認しながら複数の評価軸から評価することになります。
授業も変わり、評価の方法も大きく変わるのが、プログラミング教育です。だからこそ、教材選定で心がけていただきたいのは、多様性がどこまで表現できるか、です。
生徒が一生懸命取り組んだ結果、ロボットを左右に動かして同じゴールに辿り着く、といった授業では目も当てられません。創造的な教育では、答えは誰一人として同じではない、多様な考え方を具現化するものでなければいけません。日本の大学入試も大きく変わろうとしていて、良い点数を取った人が入れるという時代から、生徒が個性を発揮してその人にしかないような能力を大学としても評価し、獲得する方向に向かっていくと考えます。

─最後に、今後のプログラミング教育において、民間の学習塾の立場から取り組むことがあれば教えてください。

日本は安定的に学習塾ビジネスが展開される世界でも珍しい国ですが、グローバルなIT企業はかつてないほど権力を持っているため、国と民間が協力して人材を育成する新たなフェーズに移行する必要があります。そのときの民間の強みはスピードです。
グローバル人材を育成するための創造的な教育は、まず民間からスタートすべきなのは明らかです。公教育に先行して世界基準のプログラミング教育を取り入れることで、ゆっくりですが確実に結果が出て、保護者の満足度も上がっていくと思います。


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