オンライン英会話サービス『OLECO』を導入し、東北で次世代型教育の実践を目指す
次世代の教育プラットホームカンパニーを目指す総合学習室アビリティ。初等部マリン、中学部フォレスト、高校部サファリと各年代別にコンセプチュアルな教室環境を設けた幼小中高一環教育を実践し、着実に生徒数を伸ばしている。
「福島から全国に通用する学力の子どもを育てたい」と語る、佐藤朋幸塾長をインタビューした。
メンタルトレーニングで
子どもたちは想像以上の自分になれる
佐藤塾長は福島大学在学中、全日本学生選手権出場を目指してテニスに没頭したというスポーツマンだ。教育学部体育科を専攻し、メンタルトレーニングで著名な白石豊教授に師事したことが、教育業界を志すきっかけとなった。
「もっと早くメンタルトレーニングと出合っていたら、スポーツに取り組む姿勢が変わって、満足のいく結果が出ていたかもしれないと身をもって感じました。やがて、スポーツだけではなく、勉強面でも自分を伸ばす方法論の大切さを子どもたちに伝えたい、そんな塾があっても面白いじゃないか、とおぼろげながら考えるようになりました」
卒業後、メンタルトレーニングプログラムの販売職に就いたが、そこでの経験から教育への想いはよりいっそう強いものになった。
「今にして思えば、経営者を相手に『成功のためのプログラムを買いませんか』とセールストークを繰り広げるのは無謀でしたが、非常に鍛えられました。
成功した経営者たちの共通項は〝自分の好きと仕事が一致している〟という気づきを得たことで、自分は果たして何が好きだろうかと考え、教える仕事しかないと一念発起したのです」
こうして20年ほど前に「総合学習室アビリティ」を創業した佐藤塾長。塾名には、勉強を通して子どもたちが自らの豊かなアビリティ(=能力・可能性)に気づき、それを発揮する方法を総合的に学ぶ場でありたいという想いが込められている。
「志を持ち、限界をつくらなければ、〝自分の想像以上にできる存在になれる〟ことを、勉強を通して証明しようじゃないか、と子どもたちに伝えることが使命だと思っています」
〝教えない〟英才個別指導で生徒数を伸ばす
アビリティでは一生役立つ思考力の基礎を幼児期に育てるために、4歳児から6歳児までを対象として、東北地方唯一の「ピグマリオン教育研究所提携幼児教室」を開講している。4歳から6歳までは、親子同室で楽しく賢く学ぶ時間を提供し、小1〜小3は、専門の先生1人に対して生徒2名の指導形態にて、学年も習熟度も異なる英才個別指導を実践中だ。
「勉強とは、子どもが世界を切り取って自ら頭の中に構築していくものである、というピグマリオンの思想に強く共感しています。教えたと思うのは先生だけで、教えれば教えるほど子どもは学ぶことはないのです。自ら考える思考力の育成講座『実感算数』は、基本的に〝教えない教室〟です。メンタルトレーニングと併せて成績上位者を輩出し始め、これに比例して約10年で生徒数の伸びも加速してきました」
現在、初等部(小学生)には約350名が在籍する。初等部専門教室「マナビのマキバ」も仙台市で6年目を迎えた。
「優秀な子どもほどメンタルトレーニングは響くものですし、成績も伸びていきます。子どもの成長段階で、できるだけ早い時期に通塾してもらえるように仕組みづくりをしたことがターニングポイントになりました」
学びの地域格差を埋める画期的な英会話サービス
『OLECO』が好評
2018年1月、オンライン英会話サービス『OLECO』の導入に踏み切った佐藤塾長だが、もともと英語の早期教育には疑心暗鬼だった、と本音を語る。
「英語ができる子どもは、初めはアドバンテージがあっても、なかなか成績の伸びにつながらないと感じていました。そのため、『ここでは英語は教えないけれど、英語〝も〟できる賢い頭を作りましょう』と宣言していました」
しかし、「さすがに無視できない流れになってきた」と感じる中で、地域差や環境の差を埋めるべく、オンラインのレッスンを活用すべきだと考えたという。そして、英会話教材を活用している全国の塾の現場を視察し、『OLECO』の導入を決めた。
『OLECO』を選んだ理由は、「マンツーマンでしかも安価。何より、学習指導要領に準拠した優れた教材だから」と分析する。アビリティでは『OLECO』の学習後にライティングなどの独自カリキュラムをプラスして、合計1時間の枠づけ野中で学びの成果を"見える化"している。
また、塾の現場で使いやすいオペレーションも魅力だという。
「運営側の力量に左右されず、担当講師は生徒のサポートに徹することができます。予約システムも現場にマッチしており、カスタマイズも可能です。例えば、初等部は生徒の希望によって、通常授業の前後どちらでも『OLECO』を組むことができます」
現在、初等部の生徒の約3割が『OLECO』で学ぶ。当初は小学4年生からの対象年齢を、さらに下の学年にも広げた。今後は高校1年生にも『OLECO』の活用を促し、英語力アップにつなげることが課題だという。
「英語の4技能については、ますます地域的な〝英語力格差〟が決定的になるのではないかと危惧しています。しかしながら、『OLECO』のように優れたコンテンツを活用して、地方から英才教育を可能にするべく挑んでいきたいと考えています」
最後に、キャリア教育にも力を入れたいと佐藤塾長は展望を語った。
「例えば、飛び級で高校の学習を早い段階で効率的にマスターし、自らのキャリアについて考えさせるプログラムなどを編み出していきたいと思います。地域を啓蒙しながら、公教育では成し得ない教育を提言し、21世紀を生きる子どもたちの育成に携わることが我々学習塾の強みだと考えています」