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“ビリギャル”著者が語る「生徒のヤル気を圧倒的に引き出す方法」とは?!

2020-11-02
リアル・パートナーズの安多秀司 代表

リアル・パートナーズの安多秀司 代表

去る9月26日、個別指導塾専門のコンサルティングを手がける「リアル・パートナーズ」(安多秀司代表、兵庫県宝塚市)は設立10周年を記念して、教育関係者を対象に無料オンライン講演会を開催した。ミリオンセラー“ ビリギャル” 著者として知られ、心理学のエキスパートでもあり、現在は吉本興業の社外取締役も務める、坪田塾代表の坪田信貴氏が講師として招かれ、生徒のヤル気を引き出すための秘策について語った。

〝才能論〟は封印せよ。入塾面談で伝えるべきこと

坪田塾は大学受験をメインとして、全国に12の直営校舎を構えている。社会現象となった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(2013年)を上梓する以前から、各学校・各学年の〝ビリ〟が集まる塾だったと坪田氏は明かす。
「当時は、入塾者のおよそ15%が、いわゆる〝ビリ〟の生徒たちでした。彼らにとって最大のハードルは、入塾のタイミングです。面談時、彼らは家庭学習時間は限りなくゼロで、向上心も志望校も夢もない状況です。学習進度の遅れにもかかわらず、ほぼ全員が『塾なんて絶対に通いたくない』と嘆きます」
では、坪田塾ではどんな切り札で入塾を促すのだろうか。
「『自分は才能があると思うか』と問うと、『あるわけない!』と返ってきます。でもそれは、中学受験の失敗体験や定期テストでいつも赤点ばかりなど、過去の理由にとらわれているに過ぎません。とかく大人も子どもも安易に〝才能論〟を唱えがちですが、結局のところ結果でしか判断していないのです。そこで、『あなたがいま、才能がないと判断するのは過去や現在の結果だ。それよりも、未来の自分がどうありたいか、それがすべて。そのためにいま何をすべきかを一緒に考えよう!』と語りかけます」
坪田氏の手にかかると、入塾時には勉強に消極的だった生徒たちも、平均在塾期間1年2~3カ月を経て、センター試験5教科の平均点が8割を超えるまでに飛躍したというから驚きだ。何かトリックがあるのではないか、と誰しもが勘繰りたくなってしまう。
「属人的なカリスマ性やトリッキーな指導で、実績が出ているわけではありません。体系的に講師研修のプログラムを組み、膨大な研修費や時間をかけて講師を育てています。経験の有無に左右されないように、科学的な根拠と情熱を掛け合わせた指導の再現性をめざしています」

「ヤル気」は実体がない!学習成果の可視化が重要

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坪田氏は、指導の根底に据える心理学や行動学をもとに次のように分析する。
「心理学で『ヤル気』というワードは存在しません。心理学的な言葉に置き換えるなら、ニュートラルな『動機づけ』です。しかし、大人が望む行動をやろうとする子どもを『ヤル気がある』と見なし、実際にその子の『動機づけ』がどこにあるのか見極めようとしないことが問題なのです。勉強は本人の頑張り次第でもなければ、特別な人との出会いやきっかけで瞬間的に目的意識を抱くようになるわけではありません。勉強は何よりも〝トレーニング〟がすべてです」
ゲーム好きな子どもはハイスコアを出したい一心で、それが動機づけとなっていわば繰り返しのトレーニングに熱中する。ゲームは自身のスキルアップを実感できるが、勉強は成長実感のモニタリングができないからやりたくないのだ、と坪田氏は強調する。
「たとえ成長意欲があっても、あるいはどれだけ勉強しても、フィードバックがなされなければ成長実感を持つことはできません。そもそも勉強嫌いな子どもは多いですが、自分の成長を嫌がる子どもは一人もいないのです。指導側が勉強による成長実感を可視化して、的確にフィードバックすることが大切だと思います」

生徒の認識とのズレが前提中立的なフィードバックを

“ ビリギャル” 著者として知られる、坪田塾の坪田信貴 代表

“ ビリギャル” 著者として知られる、坪田塾の坪田信貴 代表

フィードバックにおいては、そもそも指導者と生徒の認識は同じではないことを大前提に据えるべきだと坪田氏は指摘する。
「指導とは、本質的に悪感情を芽生えさせるものです。生徒のためになると信じて選んだ言葉でも、受け取る側とのギャップが必ずあります。指導側の主観による褒め言葉は最初は生徒に響きますが、続けると属人的な〝洗脳〟になりがちです。そうではなく、あくまでも主観を挟まない〝中立的なフィードバック〟が求められていると認識しなければなりません」
そして、次のような具体的なシーンを例に挙げた。
「例えば、『今日はたくさん勉強したね』と声をかけるのではなく、『昨日は2時間、今日は3時間勉強したんだね』『はい。頑張りました!』『頑張ったと思っているんだね』と、鏡のように即時的に返します。つまり、良い悪いの価値判断を押し付けるのではなく、客観的にモニターした事実を伝えることが大切です。あるいは、模擬試験の結果を携えて来るときの生徒の心理を想像してみてください。プロのアドバイスを期待しながらも、どんな評価をされるのか不安でいっぱいです。そこで、『模試の結果を持ってきたね。どう思った?』と語りかけ、生徒の声に耳を傾けます。すると、『学校の先生に褒められた』『友だちよりも成績が良かった』など、心の中で重要視している部分を明かしてくれます。スタート地点で大切なのは、こうして生徒に心を開いてもらって、それを受け止めて共感することで、『この先生は理解してくれる』と信頼を得ながら関係性を築いていくことです」
指導側は知識や経験を伝授・教授するのではなく、生徒と同じ目線で〝少し先輩〟や〝伴走者〟の立ち位置に徹する。それが、坪田塾流のヤル気を引き出す秘策だ。
熱のこもった坪田氏のオンライン講演会は、参加者から多数の感想やコメントが寄せられて幕を閉じた。


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