第7回 OLECO SUMMIT 民間教育のパラダイムシフトが一気に加速!
2020年11月15日(日)、学習塾向けオンライン英会話「OLECO」の販売を手掛ける株式会社スタディラボ(地福武史代表取締役、東京都豊島区)主催、第7回OLECO SUMMIT がウェブセミナー形式で開催された。オレコサミットは、多くの教材会社様、ベンダー企業様の協力により、激変する学習塾業界において遠隔でチャレンジできる新しいビジネスモデルを生み出すための商品を紹介する情報共有の場として開催されている。
オンライン英会話のニューノーマルは、自宅でも塾でも選べるスタイルへ
地福代表が開会の辞を述べ、「学習塾を取り巻くオンライン英会話教育と市場の変化」と題し、2020年を概観しコロナ禍における民間教育に求められる動きを解説した。「今回のコロナショックは、後から振り返ると世界にとっても日本にとっても大きなパラダイムの転換のきっかけ、新しい時代の幕開けとして振り返られる可能性は高い」と語る地福氏。パラダイム転換後の新しい通常、いわゆるニューノーマルについても言及した。
学習塾モデルは「小集団」+「個別」+「遠隔」というニューハイブリッドが台頭。オンライン英会話のニューノーマルとして、自宅でも塾でも選べる受講スタイルへの動きが加速中だ。「一番大切なことは子どもたちが多くの外国人と接して英語を好きになること」という思いを基本に、スタディラボが提供するマンツーマンオンライン英会話「GeT(ゲット)」、学習塾を丸ごとアップデートできる統合型LMS「ミルクラス」や「eトレ」、「スタディコンパス」などを紹介。未曽有の事態を迎え、民間教育のパラダイムシフトが10年分加速すると言われる中、学びを止めずに〝個別最適性〟を追求する民間教育こそが教育多様性時代のパイオニアになれると強調した。
ICT、オンライン、EdTechで市場の変化に立ち向かう
続いて(株)スタディラボ 取締役・横田保美氏が、〝WATCH TFETIDE FROM SMALL WAVES〟と題して「人口動態統計」(厚労省)と「特定サービス産業実態統計」(経産省)を読み解きながら解説。2017年から出生数は急降下、2028年からは塾のマーケットがシュリンクしていくと予想される。一方、2012年から2017年における1 事業所当たりの年間売上高をみると、従業員の規模別年間売上高において、4人以下の従業員が在籍する事業所は売上が減少しているが、5~9人の従業員が在籍する事業所では売上が増加。様々な変化を指摘した。大学入試改革、新学習指導要領の実施、英語の4技能化などが教育サービスの多様化を後押しする追い風になっていることも見逃せない。こうした新しい教育の風が、学習塾のあり方を探るヒントになるのではないか。GIGAスクール構想やコロナ禍を背景に、学校教育におけるICT利用は着実に進み、すべての学習塾でICT、オンライン授業、EdTechを活用する時代が到来した。これからの課題は、市場の変化・縮小へどう立ち向かうか。コロナショックというagainstの風を受けながらも「半歩先の戦術から二歩先の戦略」が求められている。
進化し続ける「ミルクラス」が、塾の遠隔運営を一新!
(株)スタディラボ 執行役員・峰嶋聡子氏から、学習塾遠隔運営システム「ミルクラス」の紹介が行われた。ミルクラスは、学習塾などの教育サービス向けにカスタマイズされた「LMS」(ラーニング・マネージメントシステム)。学習したい人と学習を提供したい人を結びつけるコンテンツの提供・管理をするシステムである。使いやすいメリットとして、複雑な階層設計が可能なこと、塾・生徒・保護者をつなぐプラットフォームがつくれること、生徒用ID一人分の利用料で保護者IDも発行できるなど導入しやすい料金体系であることが挙げられる。
導入事例として、「学習時間を1・5倍にする」ことを目標に、予習・復習動画の提供や復習テストの実施、学習時間の報告をミルクラスで行っている塾や、保護者への情報提供やコミュニケーション活発化のために動画を提供している塾を紹介。「あらかじめコンテンツの入ったものはないか」という問い合わせも多いため、教育開発出版教材「eトレ」を搭載したバージョンの開発やスタディコンパスとのシングルサインオンの実現、英会話以外の授業の予約・受講および入退室管理システム搭載など、現在開発準備中である。
高まるオンラインコンテンツ利用のニーズ、オンライン授業必修化への期待
(株)スタディラボ 執行役員・杉山拓央氏が「OLECO」の近況と今後の展望について述べた。2021年4月、現地のメイン拠点である「BridgeCulture」を600坪へ増床しブース拡大。日本国内におけるOLECOの利用回数の増加、必修化の傾向、選択講座の増加へ対応する体制を整備中だ。コロナ禍において、通学・通塾ができないという制限が加わる中で、オンラインコンテンツを利用した「学力伸長」のニーズは高まっている。中でもオンライン英会話は、海外につながり英語を好きになる、学べるという親和性の高さと、学習する場所を選ばないため、在宅受講の新規利用や追加利用が広がっている。こうした需要を受け、通常授業にオンライン授業を組み込む『必修化』と選択講座の設定により、「遠隔コ―ス」として売上・利益増につなげることが可能だ。
「今回、オレコサミットはオンライン開催という初の試みでした。ZOOMやウェビナ―が当たり前の昨今、保護者様への説明会などもオンラインで実施、「GeT」などのプレゼンを行い、ご興味のある保護者様を教室へ誘導できます」と杉山氏は話す。
「私どもは〝広く多くの子どもたち、日本全国の子どもたちに英語を話す機会を作ってあげたい〟。この想いにご賛同いただいております(株)学書、(株)好学出版、教育開発出版(株)、(株)V-Growth、学研グループからは(株)文理も参加。共にコンテンツを制作し、オンライン英会話の市場拡大に取り組んでおります」。品質管理の向上を目指し、カスタマーサポートセンタ―の開設、アンケート機能についても紹介した。
協賛として(株)SRJ 代表取締役・堀川直人氏 が、「オンラインによって様々な教育課題が解消する一方で、コロナ禍によるパラダイムシフトを危機ととらえるか、転機となるか好機なのか、ニューノーマルをどこまで追求していけるか、オレコサミットが貢献していきたい」と話した。