eisu group 学びのDXの成功は、生徒・家庭に対する塾の強力なリーダーシップにかかっている
DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を迎えて、子供たちの学びのあり方、塾経営のあり方が大きく変わっている。サービス業として生産性を高めていくため、そして何より子供たちの学びの効率を最大化していくため、急激に選択肢を増やしていくデジタルツールをどのように取捨選択していくかが塾にとって喫緊の課題になっているのだ。しかし目新しいデジタルツールを導入すれば自然と生徒が集まるほど塾経営は甘くない。今回、オンライン学習の開発・導入に先進的に取り組み、多くの知見を集積しているeisu group に、学びのDX を進める上で看過してはならないポイントについて伺った。
学校教育がDXに邁進する時代、塾の使命は何か
GIGAスクール構想のもと、学校教育は高速通信ネットワークや「1人1台端末」環境下での学びが事実上のスタンダードになる。そこに様々なデジタル教材が供給されれば、子供一人ひとりに最適化した学びのできる環境が、少なくとも形としては整うことになる。まずこの状況についてどう見るか、eisu総本部で㈱エイスウのマネージャーを務める岩倉淳氏に聞いた。
「学校教育は、先生・子供双方にとって激しい『淘汰』が作用する場所になります。この環境を好ましいものと受け止め、積極的に適応して成果を出していく実例は、先生サイド・生徒サイドともに既に生まれていますし、その数は今後も増えていくことでしょう。そもそもアクティブ・ラーニングのコンセプトは、先生も生徒もデジタル環境にうまく適応できるということを暗黙の前提にしています。塾としても、そうした先進的な成功例を自塾で確保するのが重要な運営課題の一つとなります。
しかし、残念ながらそうしたケースは全体を見れば少数派で、大多数の先生・生徒にとって、この環境に適応して学習成果を挙げることは容易ではなさそうです。たとえ便利な道具があってもユーザーがそれを使いこなせなければ何の益もありません。それどころか、デジタル環境が学びにもたらす負の影響は、アンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』( 新潮新書) はじめ様々な研究が指摘するところです。私たち学習塾は、デジタル環境に進んで適応できる子供たちばかりではなく、潜在能力はあってもデジタルに適応し切れる訳ではない多くの子供たちの受け皿となり、子供たちを主体的な学びに導くことが使命になってくると思います」
必修体制でやり切ってこそ本当の武器になる
もしそうなら、学習塾は、DXに受け身で巻き込まれるのではなく、確固とした指導理念をもって状況をコントロールする必要があるだろう。eisuでは現代のデジタル教材の先駆けとなるeドリルを2009年から、セイン英語ジムを2013年から開発導入しており、その経験から得た独自の知見を持っている。
「新しいデジタル教材が導入されると『このツールさえあれば自ずと成功する』という幻想が生まれます。あとは当事者の任意に任せれば大丈夫だ、自ら主体的に勉強してくれるはずだ、と。しかしそれが間違いの元だということを、私たちはこれまでの実践の中で痛感しました。
たとえばどんなに良い教材でも、先生も生徒も『使うも使わないも任意』という曖昧な枠組みのもとで用いていては、そのツールに適性を示すごく一部の者が成果を出すだけで、全体としては成果が上がりません。教材を導入する限り、これは必須のものであり全員が使いこなさないといけない、これで成果が出るまで継続的にやり切らないといけないという、ある意味強い拘束力、もしくはコミットメントが発揮される環境を用意することが大切になります。私たちはこのことに気づき、今年度、eisuの年間講座では全学年・全コースについてオンライン家庭学習eドリル/セイン英語ジムを必修化しました」
えいすう総研を通じて、全国の塾様とリソースを共有
学びのDXが成功するには、人が人を対面でモチベートする環境が必須ということのようだ。
「その成果は着実に現れています。定期テストで満点をとったり、英語資格試験に合格したりなど、eドリル・セイン英語ジムによる家庭学習で成果をあげる事例が豊富に集まって来ています(次ページでそのごく一部をご紹介します)。私たちを頼りにしてくださる保護者様に、お子様が家で熱心に勉強している姿をお見せできるのは、私たちにとって最高の喜びです。本当に世に望まれる先生とは、単に教室で上手い授業をする先生では ありません。子供が教室を離れ家庭にいても自ら勉強を始める、そんなふうに子供をモチベートできる先生です。私たちはこのことを肝に銘じ、地に足の着いた学びのDXを追求します」23人が人を導く力とオンラインコンテンツの利便性との融合。その方法論は他塾にも活かせるのだろうか?「ご採用くださった場合には、eisuの実践例に基づいたコンサルティングはもとより、新聞・紙媒体・WEB広告などのフォーマットや素材、 現場で対生徒サービスに利用できるツール類やノウハウなど、販促や運営に役だつ様々なリソースを、えいすう総研を通じて他塾様と共有致します。ぜひお気軽にえいすう総研にご相談ください」
家庭で子供たちが主体的な学びに向かうよう、塾が強いリーダーシップを発揮する
eisu group山本千秋代表は、このテーマを総括して力強く語る。
「eisuのオンライン家庭学習は、それ単体で学びを完結させるものではありません。塾の先生が、学校・家庭・塾の3者全体を見渡しながら、塾以外の場所、特に家庭で子供たちが主体的な学びに向かうよう強いリーダーシップを発揮していくこと、これが前提になってはじめて生きるコンテンツなのです。私たちは『オンライン家庭学習』という言葉に、この前提を含めて考えています。日本の教育を私たち塾がリードできるよう、この大きな課題に一緒に取り組んでいきましょう」
次のページで、eisuのオンライン家庭学習コンテンツと、その実践例について改めてご案内する。ご登場いただくのはeisu(nice)桜校(三重県四日市市)・eisu六番町ヒルズ(東京都千代田区)・eisu松阪駅前校(三重県松阪市)でオンライン家庭学習の活用に取り組む先生と生徒である。人が人をモチベートし合う、塾の生きた指導現場との結びつきをイメージしてご覧いただければ幸いである。