教育資源としての民間教育 第53回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
社会と密接につながっている塾の現場
先日、衆議院第2 議員会館にて開催された「民間教育推進のための自民党国会議員連盟」に、全国学習塾協会、全国塾コンソーシアム協議会、および声をかけさせていただいた民間教育団体の方々にて出席してまいりました。この議員連盟は、下村博文元文部科学大臣が会長となり、当日は文部科学省、厚生労働省、経済産業省等の各省庁も出席しているものです。
学習塾をはじめとする民間教育側から、大きく3点の提言をしました。①教育への投資( 貧困家庭への助成、教育バウチャー制度の積極的活用)、②不登校児童生徒への対応( 教育機会確保法の遵守)、③民間教育振興法( 民間教育を社会教育に含まれることの明文化) の立法提案、という内容です。
これまでの日本の教育は、公教育と民間教育とが両輪となり支えてきたのは周知の事実ですが、より多様性への対応が声高に叫ばれている現在、「誰一人として取り残されない教育」を実現していくためには、多種多様な専門性を有している民間教育がこれからより一層、この国の教育シーンの中で必要不可欠となってきます。このように近年、様々な時代や環境の変化から、業界が世の中をどう支えていくかのやり取りが増えてきています。と同時に全国各地の塾現場を守るための省庁や政治家との折衝や交渉や要望の場面も今後さらに増えていくことでしょう。
公益社団法人全国学習塾協会は、こうした大切な要望や情報等を国、各省庁へ発信し続けています。それは全国の塾の教室現場と子どもたちの未来を守るためでもあります。
当協会からの発信内容は塾業界の隅から隅まで、届きにくいのかもしれません。しかし、協会会員をはじめとして多くの方々にこれからも発信に努めてまいります。塾の現場も社会と密接につながっているわけですから塾にとって業界団体も国も関係ないといったわけではないと思っています。
ぜひこれからの時代における「塾」のためにも、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のためにも、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号に渡り恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。