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    「DayOne」で“働き方改革と起業家支援”を目指す

「SOCRA&jr.」を運営する(株)キョーリクが
「DayOne」で“働き方改革と起業家支援”を目指す

2022-07-01
(株)キョーリク 原田勲 代表

(株)キョーリク 原田勲 代表

医学部受験や中高一貫校生のための進学塾「SOCRA&jr.(ソクラアンドジュニア)」を運営する、株式会社キョーリク(埼玉県熊谷市、川越市、さいたま市他)。私国立小学校と中学受験の「SOCRA-jr.」、プログラミング教育や子ども英語などのSTEAM教育・21世紀スキルを学ぶ「SOCRA-WONDER」も展開し、埼玉県内に4校舎を構える。そして、2020年にはオンライン個別指導学習塾「SOCRA@HOME」も開校している。
そして今年、新たにコワーキングスペース事業に乗り出した原田勲代表を取材した。学習塾の展望やコワーキングスペースで目指すものを語る。

リカレント教育のすゝめ 新しい学びの探索と深化

コワーキングスペース「DayOne」

コワーキングスペース「DayOne」

現在、原田氏は慶應義塾大学大学院経営管理研究科で、MBAのプログラムを学んでいる。ハードなカリキュラムをこなすフルタイム大学院生であり、今も指導の現場に立つ塾経営者だ。
「A・ニュートンはペストの大流行でケンブリッジ大学が休校になっても、学びを止めずに故郷で学びを継続し、『微分積分』、『万有引力の法則』を発見しました。この年を〝奇跡の年〟と呼んでいるそうです。コロナ禍では営業自粛や学校休校措置などがありましたね。〝#学びを止めない〟というムーブメントもありましたが、今後の塾経営を見据えて、今こそ経営学を体系的に学ぶことを決断しました。
GIGAスクール構想やSTEAM教育などによって、個別最適化、ワクワクを大事にした教育に変わろうとしています。人を成長させるのはマインドセットであり、それを育てる場の提供は学習塾の使命であると思っています。子どもたちの成長や資質に着目したユニークなコミュニティを創りたいと考えています」
進学塾SOCRA&jr.は31年を迎えた。もともと原田氏が通っていた塾の恩師である創業者から事業継承された。そこから、中高一貫校生のための学習塾、医学部・東京大学受験のための個別指導、小学校受験のための幼児教室、そして、算数・数学に強い子を育むための算数オリンピックコースなど、本当に必要な学びができる塾を目指し、組織を1からつくってきた。
「本当に必要な学びを提供できる塾を作るために、優秀な先生の採用と育成を最重要課題とし、生徒にベストな価値提供ができるようにコミュニケーションを活かした対話型指導の確立を目指してきました。塾を経営する者であり、生徒にはセンセイでもありますが、民間教育サービス提供者として、〝塾人〟という言葉が好きですね。塾人として、変わり続ける外部環境に合わせながら、塾では保護者や生徒の期待に応え続けたいです。そのために知らないことを知りたいし、絶えず探索と深化の歩みを止めないようにしています。変わり続けることができる強さが当社の強みであると考えています」

アントレプレナーシップ教育への挑戦
コミュニティ生成と新規事業への思い

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原田氏が目下目指しているのは、アントレプレナーシップ教育だ。
「現在、大学院ではアントレプレナーシップ教育について研究しています。起業を目的としたプログラムではなく、マインドセットを育てるプログラムです。子どもたちの人生の幸福(well-being)につながる〝機会〟となるようにしたいと考えています。今後、レモネードスタンドのワークショップ、起業家へのインタビューによる定性分析、アンケート調査による定量分析、金融教育などのプログラム開発と仮説検証型研究を行う予定です。実証実験結果をもとに仕組み化をして子どもたちのために学びのプログラムを作成し、地域・学校との連携を図る〝共育〟の流れを作りたいと考えています。興味がある先生がいらっしゃいましたら、SNSでメッセージをください」
原田氏は、構想中のプロジェクトを明かす。
「新事業として、算数・数学のコミュニティの生成を考えています。学び合いができるコミュニティと、解法・解説をライブラリーから調べられる辞書のようなサービスです。学びたい人と教えたい人が出会う場所を提供し、算数・数学の楽しさと喜びを知っていただきたいです。また、6月に事業再構築補助金に採択されました。現在、数や図形などの概念を学ぶ知育教育アプリ開発を行っています。年内に試作品ができると思いますので、全国の学習塾の先生方に使っていただきたいと思います」

塾人の両利き経営とは
夢や希望を目指した最初の日とは

昨年の東京オリンピックで原田代表が聖火ランナーを務めたときの聖火リレートーチ

昨年の東京オリンピックで原田代表が聖火ランナーを務めたときの聖火リレートーチ

さらに、原田氏はコロナ禍に求められる新規事業に挑む。
「塾経営で培った〝つながり〟の大切さとしてコミュニティ生成がポイントであると考えています。新規の事業にもその要素を取り入れて、共創できるオープンな場・機会としてのコワーキングスペース事業を提案します」
リモートワークが推奨されたコロナ禍で、コワーキングスペースは一気に認知度が高まった。原田氏が率いるコワーキングスペース「DayOne」は、昨年、熊谷市サテライトオフィス補助事業で採択された。
「コロナ禍がなければ、他業種に踏み出す勇気を持てなかったかもしれません。おかげさまで内覧会や新規会員が少しずつ増えています。会員は、テレワークを推奨されている方、フリーランス、営業の拠点利用者、資格試験の勉強をする方にご利用いただいています。会員様の要望を聞きながら日々改善しています。
場所のみを提供するサテライトオフィスや自習室とは異なり、コワーキングは人と人を結び付け、コラボレーションを促進させる仕組みが肝要です。マッチングやネットワーキングの機会の創出となるようなコミュニティの提供をしたいと考えています。

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進学塾SOCRA&jr . の基本コンセプトでもある〝伴走支援〟の思想はコワーキングスペース事業にもしっかりと活かしています。『DayOne』の由来は、〝夢や希望を目指した最初の日を大切に〟という意味です。その〝最初の日〟を忘れずに提供する場でありたい、という思いが込められています。
ビジネスコミュニティを育むために、具体的にはフェイスブックグループでやりたいことや接点、仲間を見つけ、メンターのような先輩起業家との出会いも設定します。同じ目標や目線で働く人同士をマッチングすれば、もっといいプロダクトや事業が生まれる、そんな役割を伴走者として担っていきたいと考えています」
現在、全国のコワーキングスペース事業のネットワークを目指し、同業の仲間と一緒に協業する仕組み作りをしているという。
「新規事業はアジャイル開発とかっこいいことを言っていますが、試行錯誤の毎日です。塾で培ったBtoCのノウハウを、BtoB事業に活かすべくこれから検証していきます。経営は限られたリソースを活用し、自社の強みをどのように発揮するかが大切であると思います。DXについてもコワーキングスペースで得た知見を、塾のオペレーションに役立たせることで、シナジー効果に一定の成果を感じています。今後もミッションやバリューを共有し、かつ自社リソースを活かせる事業展開に挑戦していきたいと考えています」


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