教育資源としての民間教育 第55回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
子どもたちのために、どんな教育環境が必要なのか
塾も芸術もスポーツも民間企業の教室は社会教育です。そして生涯教育のカテゴリーになります。しかし全国の自治体で生涯教育センターの施設を民間教育企業が利用することは実際できていますでしょうか? 営利企業だからダメと断わられるケースはないでしょうか? 実際は非常に多くあると思います。なぜ民間教育機関だけは生涯センターを使えないのでしょうか? 子どもたちを取り巻く教育環境の中に、このような大人の都合による公的な認識不足がある場合、その状況は誰が変えていくのでしょうか?
法があっても、法がそのように運用されていない、つまり民間教育がフェアなスタートラインにさえ立てていないとしたら、それは子どもたちにとっても、この国にとっても、ふさわしくないことなのでしょうか? もし変えていった方がいいのであれば、それはどこに向けてアクションを起こしていけばいいのでしょうか。
民間教育はこれまで通り、国も行政も関係なく規制を受けずに自由に営業していくのだという姿勢はもちろん大切ですが、一方で国も行政も関係ないという点において従来とは変化してきており、国や行政に対してある一定の強い声を持ちつつ、社会資源として、さらに発展していくべき時を迎えています。そうした状況を鑑みたとき、全国学習塾協会の果たす役割は非常に重要なものになってきます。
全国学習塾協会は、この国の教育に力を尽くす塾のため、そして未来を創る子どもたちのための社会教育の環境作りのために存在しています。例として、全国規模の塾団体と包括連携した全国塾コンソーシアム、各種民間教育の全国団体(ピアノ、英会話、スイミング、剣道、検定、スポーツクラブ等々)に声をかけて日本民間教育協議会を設立しました。そして民間教育振興のための国会議員連盟の設立に働きかけ、今あるべき社会教育の環境づくりへの要望を重ねています。
最後に、ぜひ公益社団法人全国学習塾協会の存族と、塾(民間教育)の国に対する影響力のために、そして全国の塾の教室現場と子どもたちの未来のために、全国学習塾協会の活動にご理解いただき、協会未加入の事業者の方はご加盟していただけますよう、毎号にわたり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。