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(一社)日本青少年育成協会
「教育コミュニケーションフォーラム2022」

2022-12-01

VUCAの時代を見据えて非認知スキルをどう育むか

日本青少年育成協会 増澤空 会長

日本青少年育成協会 増澤空 会長

一般社団法人日本青少年育成協会(増澤空会長)は、去る10月23日(日)、「教育コミュニケーションフォーラム2022」をアルカディア市ヶ谷で開催、約130名の教育者が集い、満足度98.9%という濃厚な学びの時間を過ごした。
主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニング(AL)の研修としては、規模・質ともに日本最高峰と称されるようになったこのイベントは、今回で8回目の開催となった。
コロナ禍で、この2年はオンライン開催をしてきた当フォーラム。今年は、感染対策をしながら人数も制限し、3年ぶりのLIVEでの集合研修として実施した。また、名称も「アクティブラーニング実践フォーラム」から「教育コミュニケーションフォーラム」へとバージョンアップし、より広い視野で教育について考え、学び合う機会とした。

【基調講演】
「グローバル人材の本質とは?」
~世界を舞台に活躍する人材に求められる意識と行動~
横山 匡 氏(株式会社アゴス・ジャパン 代表取締役)

アゴス・ジャパン 横山匡 代表

アゴス・ジャパン 横山匡 代表

第一部は(一社)日本青少年育成協会会長 増澤空氏(株式会社ティエラコム代表)の挨拶で開会。「今日は思い切りインプットする1日にしましょう」という言葉が届けられた。そして、最初のプログラムは横山匡氏による講演だ。
横山氏は、中学時代をイタリア、高校・大学をアメリカで過ごし、UCLA 在学中には日本人初のNCAA バスケットボールチームヘッドマネージャーとして各地に遠征した経験を持つ人物。卒業後に帰国し、語学指導、留学指導に携わり続け、教育と人物交流を通して、世界を舞台に活躍したい人々を応援している。そんな横山氏だからこその視点で、「世界の中の日本に生きる個人」という意識を高めることの必要性、そして、これからの時代に求められる人材像について語られた。

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横山氏によると「グローバル人財」の定義とは、どこでも、誰とでも、〝そこそこ〟自分らしく振舞える人財とのこと。そして、国際社会で活躍する人材への5本柱は、①自己理解力、②好奇心、③コミュニケーションスキル、④多様性への対応力、⑤思いを動かす行動力・違いを生む発想と行動、として、なぜそれが必要なのか、どのように育むことができるのかを具体的に示していった。数々のフレーズが印象に残り、参加者の誰もが納得し、深く考えさせられる時間となった。

【パネルディスカッション】
「〝対話〟から生まれる無限の学び」
サーシャ氏(株式会社COTEN 事業推進担当)

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

続いてのプログラムはパネルディスカッション。ご自身のことを「オポチュニティメイカー」と称するサーシャ氏。国内外での企業コンサルタント、新体操チームコーチやオリンピック広報マネジメントなどを手掛け、世界中を移動しながらマルチに活躍する、まさにグローバル人財である。当フォーラム実行委員長の小山英樹氏がコーディネーター、日本青少年育成協会の中西歩美氏がフロア代表としてマイクを持ち、サーシャ氏の思考や行動を生み出すルーツ、生き様、そして見据える未来などを引き出していった。主体性を引き出すカギとなるのが〝対話〟。他者との対話でも自身との対話でも「Why」を持って問いかけ続けること、一緒に考え探究する姿勢を持つこと、そして合意形成を大切にすること、そういう〝対話〟が生み出す無限の力と可能性を感じた。

【プレミアム分科会】
時代の先端情報から学び考える

4つに分かれての分科会は、時代の先端情報をインプットしたうえでの、主体的・対話的な学びの機会。参加者にとってはまさにプレミアムな時間であった。

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[第1分科会]
「OECD Education 2030プロジェクトが描く教育の未来」
白井俊氏(文部科学省 国際統括官付国際戦略企画官)

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[第2分科会]
「こんな学校があってもいいよね」
松山さとみ氏
(星槎国際高等学校教頭・帯広学習センター長)

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[第3分科会]
「生き方・あり方を探究する脱成長時代のキャリア教育」
鈴木建生氏(ユマニテク短期大学学長)

[第4分科会]
「『木村塾の奇跡』の先に見据える私教育の使命と可能性」
木村吉宏氏(株式会社ヒューマレッジ代表取締役)

木村塾(ヒューマレッジ) 木村吉宏 代表

木村塾(ヒューマレッジ) 木村吉宏 代表

民間教育事業者の注目を集めたのが、兵庫県を中心に展開する学習塾「木村塾」の代表、木村吉宏氏による第4分科会。参加者からは「木村塾で実際に行われていることや起きたことを聞くことができ、信憑性があった」「不可能と思ってしまう実践を紹介いただき、利他の精神や使命にコミットする重要性を目の当たりにした」など、心を揺さぶられ実践への意欲が湧いたという感想が数多く寄せられた。

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【ワークショップ】
「『わからせる』から『わかった!』へ、そして『つかんだ』へ」
小山 英樹氏(一般社団法人日本教育メソッド研究機構 代表理事)

日本教育メソッド研究機構 小山英樹 代表理事

日本教育メソッド研究機構 小山英樹 代表理事

午後の2つ目のプログラムは、1日の学びの統合となるワークショップ。まず、当フォーラムの実行委員長でもある小山氏より、学習者が「わかった、つかんだ」となる支援をすることが授業者の役割であり、それが学習者主体の学びを実現することになると述べられた。そして、「明日から今日の学びをどう活かしていくか?」と参加者に問いかけ、非認知スキルを育むために、日常の中にAAR サイクルを組み込む必要性を、参加者が再確認していた。
そこから、他者の学びに貢献するという意図を持ち、「つかむ」姿勢で学び合う、対話による深い学びとなった。グループに分かれ、第1分科会から順に、自身が参加した分科会での学びや気づきをグループの仲間にシェアしていった。参加していない他の3つの分科会の学びや気づきに聞き入る参加者の姿は真剣そのもの。そして、質問による対話で会場の温度がどんどん高まっていく時間となった。

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ワークショップのあとはリフレクションタイム。そして、(一社)日本青少年育成協会副会長の木村吉宏氏による閉会挨拶となった。「かつてはスパルタ教育が良い塾だったが、この何十年かでガラッと変わって子どもたちが自分たちでできるような仕組みづくりに変わってきた。時代は変わるもので、あと10 年20 年したら、もしかしたら生徒が前で授業しているかもしれない。この国の教育は、生徒主体の明るい方向に変わっている時代がどんどん来ているので、みなさんと力を合わせて明るい方に行けるように頑張っていきましょう」と締めくくった。

終了後、当フォーラムを主催した日本青少年育成協会の本田恵三事務局長、福本佳之運営委員長に聞いた。
本田 こういう対話的な学びを多くの人が欲しているのではないでしょうか。人とつながる、世界とつながる、つながるからこそ生み出されるものがあるということを、子どもたちにもどんどん知ってほしいと思います。いや、大人も知ってほしいですね。日青協の理念にもある「架橋力(橋渡しする力)」をどんどん発揮していってこそ、世界の平和にもつながると確信した1日でした。
福本 今回のフォーラムは、未来の教育を考える場にもなったのではないかと思っています。そして、「非認知スキル」を育んでいくために、「対話の質」を高めていくことも大きなカギとなることを実感しました。異文化の中に飛び込み、異質な人と対話することから学ぶということを、私たち自身が絶えず行っていくことも大切ですね。そうすることで、子どもたちの未来を見据えた教育を提供できる塾として、地域からの信頼を得られると考えています。

なお、日本青少年育成協会では、教育者・授業者の学びを支援する以下のような講座を主催・後援している。

【後援講座】
●教育力強化プログラム
・教育コミュニケーション講座
・アクティブラーニング 実践講座

■お問い合わせ先■
TEL:075-707-2170
Mail:info@jemro.jp
URL:https://jemro.jp/
日本教育メソッド研究機構

【主催講座】
●教育コーチ養成講座Ectp

■お問い合わせ先■
TEL:075-256-8828
Mail:info@jyda.jp
URL:https://www.jyda.jp/
日本青少年育成協会
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