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    日本での教育バウチャー制度促進に向けての提案

民間教育推進のための自民党国会議員連盟 第8回総会
日本での教育バウチャー制度促進に向けての提案

2023-04-03

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2月20日(月)、衆議院第2議員会館1階「多目的会議室」において、民間教育推進のための自民党国会議員連盟 第8回総会が開催された。議題は「日本での教育バウチャー制度促進に向けての提案」。公益社団法人全国学習塾協会会長、全国塾コンソーシアム協議会幹事長、日本民間教育協議会会長の安藤大作氏が提案し、質疑応答などが行われた。
省庁では、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の各担当者が出席した。

すべての子どもたちに、教育の機会・可能性をどのようにつくるか

[左] 文部科学大臣・衆議院議員 下村博文 氏 [右] (公社)全国学習塾協会会長 全国塾コンソーシアム協議会幹事長 日本民間教育協議会会長 安藤大作 氏

[左] 文部科学大臣・衆議院議員
下村博文 氏
[右] (公社)全国学習塾協会会長
全国塾コンソーシアム協議会幹事長
日本民間教育協議会会長 安藤大作 氏

冒頭、議員連盟会長で元文部科学大臣の下村博文衆議院議員が挨拶。今年4月から設置されるこども家庭庁について説明した。
「一つは児童手当の対象を18歳まで拡大し、所得制限をなくします。子ども手当ての額を増やし、第2子、第3子についてもさらに増やすなどの議論が行われているところです。2つ目は、父親も育児休暇をきちんととれるようにし、保育士等のさらなる処遇改善を図ること等が中心的議論となっております」と述べ、さらに、結婚できるような環境をつくっていくことも重要だと語った。
「今子どもたちを育てている親世代だけでなく、これからの世代に我々がしなければいけないと思っているのは、教育の充実です。せっかく結婚して子どもを生んでも、2人目、3人目となると、あまりにも教育費が高くて躊躇してしまう。保育園・幼稚園から大学まですべて公立だったとしても、大抵1人に1000万円以上かかる。全部私立だと2000万円以上かかります。これらの現状を全体的に改善していかなければ、本当の少子化対策にはならないと思います」
また、子どもたちの不登校や自殺についても言及。
「小中学校で24万人の子が不登校で、いじめの件数は年間で61万件を超えています。子どもたちの自殺も増えています。そしてそのフォローアップを民間の方々が行っています。特に地方自治体では教育バウチャー制度によって経済的な理由で習い事等ができない子どもたちにその機会と可能性を提供しています。お金持ちの子どもだけがチャンス・可能性を得るのではなく、すべての子どもたちにチャンス・可能性をどのようにつくっていくかが、教育における大きな課題となっております」

日本スイミングクラブ協会・全日本ピアノ指導者協会・全国外国語教育振興会の提案

全国学習塾協同組合理事長 森貞孝 氏

全国学習塾協同組合理事長
森貞孝 氏

その後、全国学習塾協同組合理事長の森貞孝氏が挨拶の言葉を述べると、安藤大作氏が「日本での教育バウチャー制度促進に向けての提案」を行った。
安藤氏は、民間教育の現場はレジリエンス(予想外なことに対しての防衛力や回復力)を持ち合わせたセーフティーネットとしての役割にもなり得るし、多様な知見に触れることは、自らの能力の拡張にもつながるという見解を述べた。 
教育バウチャー制度を促進する理由としては、「年収300万円未満のご家庭の子どもたちは、学校外での学びの機会が少なく、さらに昨今の物価高騰によっていっそう、学校外の学びの機会が失われてしまいました。すべての子どもたちに機会・可能性をつくるには、教育バウチャー制度が一番適していると思います」と安藤氏は述べる。
日本スイミングクラブ協会は欠席のため、安藤氏が代わりに水泳教室の自治体連携の事例を説明。
千葉県佐倉市では、2014年から一部の小学校で学校水泳授業を民間のスイミングクラブに委託し好評を得ている。全国の自治体からの視察が相次ぎ、「1校1プール」が原則だった公立学校のプールを見直し、水泳授業をスイミングクラブに委託したり、数校で拠点プールを設けたりする自治体が相次いでいる。佐倉市では現在、さらに考え方を一歩進めて、市内の全小中学校のプールについて全廃の可能性を調査している。
「学校水泳を民間委託することによって、泳力格差の解消、より高度な水泳指導、教員にかかる負担の軽減、水泳授業の安全性の確保、そして学校プールの老築化問題が一挙に解決に結びつきます。だからこそバウチャー制度も活用の選択肢の一つとして捉えることができるのです」
全日本ピアノ指導者協会の福田氏は、開成中学の事例を挙げ、「開成中学の中でピアノを習っている子は50%以上ですし、四谷大塚の開成向けクラスでは36人中36人がピアノをやっていました。東大生の56%がピアノをやってきたというデータもあります。ピアノは学力向上にも役立ちますが、私は子どもたちが多様な体験をすることが非常に重要だと思っております」と語った。
全国外国語教育振興会事務局の藤本氏は、「長年にわたって〝使える英語〟にフォーカスして指導している私たち民間外国語教育事業者のノウハウを、公教育の方々と協同して効率的に対応させていただきたいと思っております」と述べた。
公民連携の事例として、岡山県教育庁義務教育課「小中教員向け英語指導パワーアッププロジェクト」、川崎市総合教育センター「小学校外国語教育中核教員研修」、三重県いなべ市「小学校教育のための英語力向上研修」、子どもたちの英語学習サポートの事例として、世田谷区学習支援「カルガモスタディルーム」、NPOキッズドア、大阪市塾代助成事業、南房総市学校外教育学習支援、などを挙げた。

福岡市と大阪市の教育バウチャー制度の実例

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安藤氏は、教育バウチャー制度の実例として、福岡県福岡市の「こども習い事応援事業」(2022年度から開始)を挙げる。対象は福岡市在住で生活保護世帯または児童扶養手当受給世帯のうち、小5から中3までの子どもの保護者。助成額は子ども一人あたり月額1万円分。子どもの将来が生まれ育った環境に左右されずに、個性や能力を伸ばし、自己肯定感を育めるよう、電子クーポンを交付し、文化・スポーツ教室、学習塾等の習い事にかかる費用を助成する。参画事業所は約1000までのぼっており、日々増加しているとのこと。
また、大阪府大阪市の「塾代助成事業」は、市内の中学生を養育する方で、一定の所得内の方を対象に、助成額は月額1万円を上限として、1円単位で利用することができる。利用先は、大阪市塾代助成事業参画事業者として登録されている学習塾や家庭教師、文化・スポーツ教室など(オンライン学習塾等を含む)。

株)ヒューマレッジ相談役 (公社)全国学習塾協会常任理事 木村吉宏 氏

株)ヒューマレッジ相談役
(公社)全国学習塾協会常任理事
木村吉宏 氏

「大阪市のアンケート結果によると、72.7%の生徒が成績が『良くなった』と回答し、保護者も70.3%が『良くなった』と回答し、63.0%の保護者が『子どもの教育に役立つものへの支出を増やすことができた』、18.4%の保護者が『生活費への支出を増やすことができた』と回答しています」
次に、(株)ヒューマレッジ(木村塾)相談役で(公社)全国学習塾協会常任理事の木村吉宏氏が塾での取り組みについて述べた。
「私は〝教育の機会均等〟を志に塾を始めました。勉強のできない子を対象にしたのですが、そのような子ばかりを集めて大きくなった塾はないと周囲からは反対されました。しかし現在、34校舎で生徒が約9200名になりました。ちゃんと大きくなりました。なぜかというと、ちゃんとニーズがあったからです。木村塾では人間教育も行っていますが、人の幸せを自分の幸せと考えられる子ほど、成績が上がっているというデータもあります。
しかし、月謝は非常に安いにもかかわらず、リーマンショックのあとや最近のコロナ禍では、どうしてもお金が払えなくて塾をやめる母子家庭のお子さんなどがいます。ですから、バウチャーでの支援をぜひともしていただきたいと思います」
その後、質疑応答が行われ、最後に下村氏が述べた。
「教育バウチャー制度は、国というよりはまず自治体がそれぞれ取り組むことによって、結果的に世論が形成されていくことが必要だと思います。最寄りの首長、議員に働きかけていき、どのように広げていくかということも考える必要があると思います」


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