日本語学習にも玉井式!インド政府立大学で正式採用決定
「KIWAMI Japanese」をリリース
(株)タマイインベストメントエデュケーションズ(玉井満代 代表取締役、京都市)はこのほど、外国人向け日本語学習教材「KIWAMI Japanese」の日本国内での販売を開始した。テキストとアプリ教材がセットになっており、テキストは日本語授業のメインテキストとして使用可能で日本語能力試験(JLPT)に完全対応。インド・ジャールカント州ランチー大学での本採用が国内販売への自信となったと語る開発の経緯をうかがった。
日本語学習を通じて、日本人の心も知って欲しい
─日本語の学習教材を開発しようと思ったきっかけを教えてください。
KIWAMI Japaneseの開発は5年前に遡ります。日本への留学を希望する外国人が増え、国内でも日本語学校が増えてきた頃です。これからの日本は人口減少で外国人の受け入れが進み日本語を学習する人も増えていきます。現在の日本語学校では日本語能力試験への合格を目標としており、テキストもそれに沿ったものとなっています。ほとんどの国内の大学への進学や企業での採用にはN2レベルが目安とされているため、この流れは必然です。私は日本語学習を日本のためにできる大きな国際貢献の一つだと考えています。ですから、ただ試験合格を目指すだけの勉強はもったいない。せっかくなら日本語を学んでくださる方にもっと日本のことを知っていただきたいと思いました。「日本語学習を通して日本人の習慣や考え方、ひいては日本人の心や志を知ってもらえないか?」と考えたのが教材開発のきっかけです。
─KIWAMI Japaneseでこだわった点を教えてください。
先に述べたことと重複しますが、いかに日本を知ってもらうかという点です。日本で日本人と共に働き、日本人と共に暮らすことを前提に、実際の日常会話に近い会話文や様々なテーマに沿った文章問題をベースに構成しました。アプリ教材には他の玉井式教材と同じくストーリー仕立てのアニメーションを使っており、会話シーンがイメージしやすくなっています。問題演習や実力確認テストではAIが搭載されており、間違えた問題は繰り返し出題されるようになっています。生徒が学びやすいだけでなく、日本語学校の講師にとっても指導しやすい内容に仕上がりました。
─逆に苦労した点はありますか?
今までの玉井式の教材は私の塾での指導経験を活かして制作しているので、学ぶべき単元もカリキュラムも全て頭の中にあり、どう学べば効率的であるかも理解していました。
ですが、日本語の指導経験はありません。指導経験がない上に、日本人が日本人に国語力を身につけさせる課題もあるのに、良い教材が提供できるのかと疑心暗鬼でした。
そのため、以前よりインドの名門私立学校グループに玉井式教材を提供している、グループ校のひとつに、2019年から日本語を第二選択外国語として正課で導入してもらうよう働きかけ、弊社インド法人より日本語講師を派遣しKIWAMIJapaneseを使って授業をしてもらうことに成功。その後インドの州立大学であるランチー大学とのご縁をいただき、2020年にはパイロットプロジェクトとして認定。2023年度より正式認可されました。こちらもきちんと単位認定される正課としての導入です。ランチー大学はインドの北東部ジャールカンド州の州都・ランチーに位置する公立大学で14万人の学生が学んでいます。そんな大学からお墨付きをいただいたので、やっと国内でも教材として提供する自信が生まれたのです。
視点は常に世界!
玉井式は世界基準の教材を目指しています
─海外の教材展に出展されたそうですが、反応はいかがでしたか?
今回はUAE・ドバイの教材展に出展しました。アラブ諸国は王国も多く、政府の方が教育に力を入れているのが伝わってきます。日本からの出展は弊社のみでしたが、皆様、大変興味を持ってくださり「ICTの特長を活かしつつ人の手が必要なところはきちんと残している。そのバランスがとてもいい」とお褒めいただきました。特にUAEの方には「アラビア語版を作ってほしい」とも言われています。実は私自身も日本語教材は国ごとにローカライズが必要だと思っていました。例えば、中国語圏の方は漢字がわかるため日本語習得へのハードルが他の言語圏の方に比べ圧倒的に低くなりますし、日本語と似た文法の言語もあります。現在、京都先端科学大学の協力を得てローカライズの準備を進めているところです。
─日本語学校に向けてメッセージをお願いします。
この5年で海外からみた日本のプレゼンスはかなり低下しました。最近は「日本語より英語を学び欧米へ行く方がいい」と言われます。この傾向は上位層ほど顕著です。一方で看護職や製造業など、まだまだ日本が大好きだという人はたくさんいます。
玉井式の教材は(1)全ての子どもの未来において必ず役に立つ教材であること、(2)子どもが学習する楽しさを覚え、やがてその楽しさが「志」へとつながる教材であること、(3)愛情を込めた教材であること、の3つの理念をもとに開発してきました。これは対象が子どもだけに留まらないKIWAMIJapaneseの開発においても同様です。海外の人を単なる労働力と考えるのではなく、相互理解と共生を目指していただきたいと思っています。
KIWAMIJapaneseはインド政府も認めているため採用する日本語学校はインドで広く知られるようになるでしょう。新しく日本語学校を設立されたい企業のコンサルを含め、日本に留学生を送るお手伝いを、弊社の海外事業部がインドのみならず世界中で実施いたします。
─担当のお二人からもメッセージをお願いします。
松本 海外事業部を担当しています。ドバイでの出展は、世界的企業の状況も知ることができるとても貴重な経験でした。教育は世界を変える大きな手段であると再認識した次第です。日本だけでなく、世界をよくしていける、そんな教材を提供していきたいです。未来に向けて必要な教材を、日本だけでなく、世界の子どもたちにも伝えていく。その一翼を担えたらと考えています。中でもインドは人口も多い、発展する国ですので、多くのインド人が日本のファンになってくれたら嬉しいと思っています。
阪倉 KIWAMI Japaneseは限られた時間でかなり効果的に学べる教材です。その良さをわかってもらいつつ、日本に来る外国の方にも「日本っていいな」と思ってもらえるような良質の教材を届けていきたいです。KIWAMI Japaneseの販売を担当しておりますので皆様とお目にかかる機会も多いと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
─玉井代表、松本さん、阪倉さん、ありがとうございました。
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