問題解決能力を育てる本物の幼児教育
ピグマリオンメソッドとは
有名小学校への合格、灘中学校のトップ合格、全国模試1位、算数オリンピックでのメダル獲得など、輝かしい実績を上げている幼児教室「ピグマリオン」。代表の伊藤恭氏は浜学園が運営する 幼児教育部門「はまキッズ」へ教材・教具・カリキュラムを提供しているほか、全国2,000 カ所以上の教室を持つパズル道場の空間把握理論を提供し、特別顧問も務める。
現在も大阪府吹田市にあるピグマリオン大阪本部・江坂教室で子どもたちへの指導を続けており、遠方から新幹線で通う親子も後を絶たないという。子どもたちの能力をぐんぐん伸ばすピグマリオンメソッドについて話を伺った。
人間は幼少期の環境に最大適応する
私は以前から塾を経営していましたが、子どもの誕生をきっかけに幼児教育の世界に入りました。自分の子にどんな教育を与えるべきか、幼児教室で働かせてもらい、幼児教育について研究し、試行錯誤の末に現在のメソッドを確立しました。
「人は環境の子である」と唱えたのはイギリスの社会改革家で実業家のロバート・オウエンです。ここでの「環境」とは私たちを取り巻く人間環境のこと。私たちは乳幼児の頃から周囲の人や環境に影響を受けて育ちます。外界からの刺激に対し、聞く、見る、匂いを嗅ぐ、味を確かめる、触るなど様々なことを試し、周囲の人の笑顔や眼差し、語調から心地よさや不快さを感じ、反応する能力、言葉の能力、運動能力などを獲得していきます。もし外界からの刺激に偏りがあったり、何もなかったりした場合、私たちの能力の発現はいびつなものになるに違いありません。
1920年、インドでは狼に育てられた2人の少女が発見されました。彼女たちは狼のように這いつくばって食事をし、夜になると遠吠えをしたそうです。体毛が密集し、言葉はひと言も発することなく、聞き分けることもなかったそうです。人間は通常、3歳児で800~1000語程度の言葉を理解します。発見当時5~7歳と推定された少女はその後教育を受けたものの、死ぬまでの10年間で数十語程度の言葉を理解しただけでした。もう一人の少女はもっと早くになくなったとのことです。この話の真偽については議論の余地がありますが、狼の中で育った子どもが身も心も狼に似てくるのであれば、素敵な大人が適切な環境を整え適切な子育てを行えば子どもは必ずや素敵な人間になれるはず! これこそが私の発想の根本です。
まずは指先を使うことからスタート
人間とサルの違いは二足歩行か否かです。二足歩行により手を使うことができ、脳の発達にも大きな影響を及ぼしました。大脳生理学によると人間が他の動物にはない論理的思考や言語能力を有するのは大脳皮質が発達しているからであり、その大脳皮質のほぼ半分が指先の活動と関連していると言われています。人間の脳は4歳までに8割完成することからも、幼児期には指先能力の育成が不可欠だと考えました。
まずは「握る」、「掴む」、「つまむ」の順に手の動きを発達させていきます。指先を活発に動かすことが脳の機能にも影響を与えるからです。つまむ、差し込む、入れる、箸を使う、はさみで切る、紐を結ぶ、折り紙を折る、切り絵をする、塗り絵をする、絵描き歌で遊ぶなど、指を使った遊び、かつ両手を使う遊びが非常に有効です。袋の中に図形を入れて、手さぐりで探し当てるゲームや図形を使ったパズルなど、ピグマリオンの教材は遊びの中で能力を鍛えるものばかりです。
「数」は順序でなく「量」として認識させる
みかん1個、ネコ1匹、鉛筆1本、絵本1冊…。これらは形状や重さ、色、長さに共通することはありませんが、全て「1」です。3歳くらいまで、子どもは自分以外の世界を「数」の論理で捉える必要がありません。お金を使うことも計算をすることもないからです。「数」は自然界に存在するものではなく、人間が作り出した概念ですから、教えるのではなく子ども自らが「認識する」必要があるのです。
エジプト文字における数量認識はピグマリオンの考え方に合致しています。エジプト文字では1、2、3、4をⅠ、Ⅱ、Ⅲ、IIIIと書きます。5は「III」の上に「II」が乗り、6~9も1~4の組み合わせで表現します。エジプト数字よりもう少し身近なローマ数字でも1、2、3はⅠ、Ⅱ、Ⅲと書き、4はIV、5がⅤと続きます。こちらは5が基準になっており、4は5より1少ない数として、Ⅴの左にⅠを置いて表現します。6がVIなのは5より1多い数なので右にIを置くのです。10を表すXも同様で、9はIX、11はXI、20はXXです。ちなみに10がXなのはVが2つだからです。エジプト数字でもローマ数字でも一目で数量が分かります。人間の手には5本の指があり、それらの組み合わせでもっと大きな数を認識できるよう工夫されているのです。
日本の算数指導は1からの数字の順番を覚えさせ、「数」を「順序がある位置」として捉えさせます。例えば「7引く3」では6、5、4と7の3個前に並んでいる数を、指を折りながら探し当てるイメージです。数の順序を覚えさせたあとはそろばんや筆算に導く方法が一般的でしたが、これでは数量感が持てず、数論理的な思考方法は育ちません。5や10、100をひとかたまりとして考え、かたまりとかたまりにならないもので示すこと、そしてそれらを組み合わせる練習をしていくと3桁、4桁の計算や割り算、かけ算まで教えなくてもできるようになるのです。
結果はあとからついてくる
ピグマリオン生からは毎年、灘中のトップを含む上位合格やジュニア算数オリンピックやキッズBEEのメダリスト、全国模試1位などが出ますが、これらの成果はあとから付いてきたもので最初から目指していたものではありません。先に挙げたような幼児期の指導で身に付いた力を応用することで解けてしまうからです。世の中にある幼児教室は多くが小学校受験塾か、知識先取り教室のいずれかです。最も高い能力を育てられるこの時期を無駄にしているとさえ感じます。
大学入試改革や指導要領の改訂で「思考力」や「問題解決能力」が身に付く指導へと変わりつつありますが、それこそ幼児期からすべきことです。幼児教育は単なる先取り教育ではなく、発達段階に応じた能力開発へと変わらなければなりません。指導対象は2歳から。「三つ子の魂百まで」とのことわざ通り、この時期の人格や性格形成は将来に大きな影響を及ぼします。かつては数え年でしたから、現在では2歳にあたります。
この度、共にピグマリオンを広めてくださる方を募集しております。幼児向けの指導は中高生向けとは根本的に異なり不安も多いでしょうが、講師向けに全授業・全単元の指導動画もご用意しております。幼児、低学年から本格的に集客したいとお考えの塾経営者様はもちろん、幼稚園、保育園、学童保育向けの教材もございます。少しでも興味を持たれた方はぜひご一報ください。
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