2023年6月4日（日）に永眠した龍澤学館 前理事長 故龍澤正美氏とご縁のあった方々に集まっていただき、8月8日（火）に「故龍澤正美　皆様への感謝の会」がホテルメトロポリタン盛岡にて催された。

龍澤学館 理事長　龍澤尚孝氏

最初に黙祷が行われたあと、同会実行委員長で龍澤学館理事長の龍澤尚孝氏が挨拶。
「地元岩手はもとより北は北海道、南は沖縄、全国各地よりお越しいただき、ありがとうございます。父は今年6月4日の夜に、突然旅立ちました。1年ほど前から足腰が弱り車椅子生活でしたが、4月半ばまでは毎日のように法人本部に顔を見せ、執務しておりました。
このような会は、通常偲ぶ会やお別れの会という名称が多いと思いますが、俳人正岡子規の言葉である〝棺の前にて空涙は無用に候。談笑平静の如くあるべく候。〟のように、自分の充実した人生は皆様との出会いによるもので、とにかく感謝を伝えたい、自分自身をネタにしていただき、楽しんでほしいという亡き父の想いを汲んで〝皆様への感謝の会〟とさせていただきました。生前より父は、〝面白かった〟と言って人生を終えたいと話していました。
振り返ってみても、父は本当に面白い人生を送ったのではないかと思います。年齢はともかくとして、大往生だったのではないかと感じています。
父にとって何が面白かったかを振り返ると、まず真っ先に思い出すのは、大学時代に少林寺拳法部を仲間とともに立ち上げたことです。0（ゼロ）から立ち上げたことは何にも勝さる冒険で、まさに青春だったと思います。私は幼少期に幾度となくその話を聞かされ、その話をしているときの父は学生時代に戻ったかのようでした。

もう一つは、幼稚園と専門学校を立ち上げたことです。幼稚園はほぼ父一人で立ち上げ、そのときの苦労や大変さについてよく話していました。専門学校は新潟のNSGグループ様の支援のもと立ち上げ、また（一社）全国専門学校教育研究会を設立したいと思ったのですが、未知の領域ゆえ、これまで知らなかった方々との出会いにより、自分の人生がとても広がる感触を謳歌したようでした。
これらの経験が学習塾の株式会社化や社会福祉法人の設立などに活かされ、また、その都度、多くの方々に支えられながら、面白く生きておりました。
このような父が生涯をかけて面白く取り組んできた事業を、今後とも面白く発展させることが残された我々の使命だと思っております。
少子高齢化、地球温暖化など課題は多いですが、困難なときほど気持ちに余裕を持ち、楽しむことを忘れず、教職員、社員の皆さんと今後も歩み続けていきたいと思います」
その後、お別れの言葉、弔電奉読があり、献杯の発声は（株）仙台進学プラザ阿部孝治代表取締役が行った。
故龍澤正美氏は、東北地方の塾教育・民間教育・学校教育の発展に寄与した功績で2017年3月、日本民間教育大賞民間教育最高功労賞を受賞。授賞式では「教育の本質は、思いやり・向上心・熱意です。その本質を見据えた生徒指導を行えば、地域から信頼され、支持されます」と述べられた。