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    育英西中学校・高等学校が目指すものとは

奈良県唯一の女子中高、
育英西中学校・高等学校が目指すものとは

2023-09-01

国際バカロレア導入、高大連携強化で志願者V字回復!
次なる一手は「KIWAMI AAA+®数学の悟」による数学指導の強化

北谷成人 校長

北谷成人 校長

少子化や価値観の変化などから志願者が減少し、生き残りを賭けて共学化する女子校が少なくない。奈良県にある育英西中学校・高等学校(北谷成人校長)もかつては志願者減少に頭を悩ませていた女子校の1つだ。転機となったのは5年前。
同校で国際バカロレアが導入されたことだ。生徒や教員だけでなく保護者の意識も大きく変わり、それは志願者数にも顕著に現れた。

国際バカロレア導入が生徒、教員、保護者を変えた

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多くの女子校が苦戦している中、育英西中学校・高等学校も10年ほど前は定員割れが続いていた。国際バカロレア(以下、IB=International Baccalaureate)は多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目指した教育プログラムであり、創立以来「社会に貢献できる女性の育成」を掲げてきた同校の理念とも合致する。2018年9月にIBのミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)候補校として授業実践を開始。2021年5月にはIBワールドスクールとして奈良県初、女子中学校としては日本初の認定を受けた。
導入にあたり、一番苦労したことは校内の意思統一だという。一般企業であれば入社してから仕事のやり方を学ぶが、多くの教員が着任時には自分の「型」や「信念」を持った状態であるため、大きな変化には抵抗を示すことがある。「どうやって校内の意思統一をしたのか?と、見学に来られた方はじめ多くの方から質問を受けました。しかし、意思統一の完了を待ってから始めたのでは間に合いません。私は単に方向性だけ示し、教員がついてくるのを待っただけです。合わない人は去って行きます」と北谷校長が言う。改革に立ちはだかる大きな壁を乗り換えたのは校長のリーダーシップだった。
そもそも導入した5年前、2018年の入学生は入試の段階でIB導入を知らされていなかった。告知したのは入学後。何度も保護者会を開催し、「子どもの意志を聞き」、「子ども本人に言わせる」、「親が代弁しない」ように繰り返し訴えた。生徒たちにも「自分のやりたいことを探そう」、「なんでもチャレンジしよう」、「やってみよう」と伝え続けた。まずは生徒に変化が現れ、それを見て教員が変わり、最後に保護者が変わっていったという。

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教員が一方的に話をしていた三者面談も今は「生徒が一学期間に頑張ったことをプレゼンする場」へと変わった。子どものプレゼンを見て保護者はどう感じたか。来学期はどのようにするのか。反省や目標を三者で共有する。教員と保護者が共に見守り、共に育てていると感じられる一場面だ。

大学との連携強化で生じる余裕~10年の連続した教育へ

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IB導入以前から同校では大学との連携を重視しており、現在は立命館大学を含め11大学と協定を結んでいる。社会に出てから活躍できる人材像を念頭に、大学でも思考力、判断力、創造性やコミュニケーション能力が重視されるようになってきたことから、北谷校長は「今までの受験は無駄なエネルギーを使いすぎていたのかも」と言う。もともと学校基本法でも「中学校は小学校における教育基礎の上に、高等学校は中学校における教育の基礎の上に教育を施すことを目的」とされ、小学校から高校までは連続した教育として位置づけられているが、大学だけは「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」として完全に切り離されていた。それをむりやりつなげていたのがこれまでの厳しい大学受験だったのではないだろうか。

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同校では「大学入学後に困らないようスキルを身につけて送り出す」としており、その中には連携大学への訪問や研究室訪問、国立大学との共同プログラムが含まれている。在校時から大学進学後の自分の姿、大学で学ぶことについてより具体的にイメージすることで、入学後もしっかりと学習に取り組んでいけるというわけだ。推薦で進学した卒業生の成績は大学からフィードバックされるが、その評価は他校より抜きん出ているという。中高一貫であることの利点は一般的に「6年間の一貫教育が可能なこと」と言われるが、同校では「大学との連携により10年分の連続した教育が実現できている」と考えている。

KIWAMI AAA+®数学の悟による数学指導の強化

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今年度から同校では玉井式のKIWAMIAAA+®数学の悟(以下、数学の悟)を導入し、数学指導の強化を図っている。「数学の悟」は国語的算数教室や図形の極などを展開する(株)タマイインベストメントエデュケーションズの教材で、身近なものを題材とする映像を問題に取り入れている。高校数学と日常のつながりを自然と理解でき、数学に興味をもった状態で楽しく学習に取り組めるようになっている。より体系的に数学を理解できるようにと、同社がカリキュラムを0から構築したものだ。
同校ではこの数学の悟を特設コースII類(国公立大学・難関私立大学への進学)の奨学生向けに提供している。
「女子は数学が苦手」というイメージのせいか、実際に「自分は数学が苦手だ」と感じている生徒は多いようで、そういった生徒の苦手意識を払拭し、学力の底上げを図り、進路選択の幅を広げたいという意図がある。初回の授業では同社で数学の悟開発に加わり、指導経験も豊富な久保駿太氏が直接指導。以降はオンラインで指導を行っている。
久保氏は「生徒たちには数学の楽しさや数学の必要性を伝えるようにしている」と話し「大学訪問でも同じこと言われた。数学って必要なんだね」と嫌いだった数学を少しだけ見直したという生徒のエピソードも披露してくれた。

偏差値で学校を選ぶ時代は終わっている

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現在は人気校となった同校。志願者が増えたのは喜ばしいが、「難化した」と困惑する受験生も多いとのこと。これについて北谷校長は次のように語った。
「偏差値で学校を選ぶのはナンセンスだと考えていることもあり、偏差値はあまり上げないようにしています。志願者が増えたことで、初日入試で多くの合格者を出しており、C、D日程での合格が難しくなっているのは確かです。言い換えると、本校を第一志望にしている生徒さんが合格しやすいとも言えます。また、そういった生徒さんは入学後の意識も高く非常に伸びやすいです。偏差値ではなく、教育の中身で、本校を第一志望に選んでもらえるよう今後も努力を続けてまいります」。


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