AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第74回
頑張れ、受験生!
受験生にとっては志望校を最終的に決める時期になっている。と同時にこれからの3、4カ月が合否を決める最も大切な時期だ。コロナでここ3年間はまともな受験対策はできていない。まだその流れを引きずっている生徒も少なくない。コロナ感染症が依然として増え続けているというニュースも続いていてそれに引きずられていることもあるかもしれない。
今年はコロナでしっかりした学習が出来なかった最後の年にあたる。来年からはほぼ以前の学習環境が学校でも学習塾でも戻ってくると思われるが、友だちがしっかりした勉強をしていないから自分もそこそこでいいと考えているとあとで大きな後悔をすることになる。今からでも遅くはない。秋の夜長をしっかり志望校合格に向けてスイッチの切り替えをしてはどうだろうか。
中国では今不動産バブルがはじけて、価格が暴落し、完成前に建築がストップしてしまった建物が林立しているという。恒大集団に次いで大きな不動産開発企業の碧桂園も今季すでに1兆円を超える赤字を計上しているが、この企業は上層階級に対してより高い不動産を売りつけると同時にそこに入居した家庭に最高の教育をする学校をつくり、有名大学に合格させてエリートを目指す戦略で大きな成果を上げてきた。2年ほど前に中国では塾の禁止令が出され、塾経営が出来なくなった。しゃにむに学習し一流大学へという道が閉ざされて、そのことが碧桂園の業績が大きく落ち込み始めた大きな要因にもなっていると聞いている。
国ごとに教育に対する施策が異なっているが、ウイルス感染症が若者の教育に対する姿勢を世界中でガタガタにしているように思われる。10年も経てばあの時は何をしていたのだろうと思いたくなるようなことが今起こっている。
志望校選びの基本は、将来の仕事選びに直結している。何になりたいかがしっかり決まっている生徒はそれに向かって努力をし続けている。あるいはし続けていなくても自分の目指す方向に関係のある内容には耳を傾ける。しかし目標もなく未来に夢も持たないで漫然と生活している生徒にはそのようなスイッチを入れるチャンスがない。人生80年とか100年とか言われる時代に、その人生の土台を作る成長期に基礎ができないことは大きな損失だ。
今各地で進学相談会が次々に開催されている。いろいろな学校の話を聞くと学校の指導方針や子どもたちの未来への生活や夢が語られている。30年後50年後の世の中で生き生きと活躍できるために、今自分を見つめ直し、動き始めるきっかけをぜひつくりたい。5つ学校があれば5つとも指導方針も考え方も違う。我が子にぴったり合う学校が見つかるまでいろいろ調べあたってみるのも親の責任かもしれない。
全国学習塾協同組合も10月15日にJR原宿駅前のウィズハラジュクホールで中学高校進学相談会を開催する。駅改札正面の大きなビルで都内各地から参加しやすい立地にある。あと受験まで15週間ちょっと。最後のラストスパートに向かう生徒たちに、より真剣な努力を、そしてやる気にさせるスイッチを入れるきっかけをと考えて、今回は私どもの進学相談会のPRをさせていただいた。多くの受験生がここからの努力の結果次第で栄光を手にしている。未来に向けてぜひ上手に活用していただきたい。